「次のアクションはすでに動き出しています。民主主義は未完であるが故に、切れ目のないバージョンアップが必要なのです」~『安全保障関連法案』の廃案を求める千代田4大学共同講演会 2015.11.14

記事公開日:2015.11.16取材地: テキスト動画
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(取材・文 安道幹)

 「僕たちは投票率向上のための投票所設置プロジェクトも立ち上げます。民主主義とは未完のプロジェクトです。立ち止まったその瞬間から悪化が始まってしまいます」――。

 2015年11月14日、明治大学の間宮勇・西川伸一両教授を講師に迎え、「『安全保障関連法案』の廃案を求める千代田4大学共同講演会」が、明治大学リバティータワーで開催された。講演会では「安保関連法に反対するママの会」の塚本美季氏、学生有志団体「SEALDs(シールズ)」の千葉泰真氏も登壇し、スピーチを行った。

■ハイライト

  • 講演 間宮勇氏(明治大学法学部教授)「法的安定性と立憲主義」/西川伸一氏(明治大学政経学部教授)「記憶を記録しない『真理省』的状況を憂える」
  • スピーチ SEALDs/安保関連法に反対するママの会

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「法的安定性と立憲主義を混同してはいけない」

 明治大学法学部教授の間宮氏は、安全保障関連法案をめぐる議論で度々登場する「法的安定性」と「立憲主義」という言葉が、法案に反対する側にも混同されて使われているのではないかと疑問を呈し、実は「法的安定性」は「反対論の根拠としては充分ではない」と述べる。

 「法的安定性というのは私法領域(民法や商法)の中ではすでに頻繁に議論されてきたことです。社会の変化のために法的安定性が犠牲にされることはある。公法領域(憲法や行政法)においても、非嫡出子の相続や夫婦別姓、再婚禁止期間、LGBTの婚姻など、個人の権利が拡大される方向で、解釈変更が行われることがある」

 このように述べ、「私法領域」だけでなく、憲法などの「公法領域」でも解釈変更が行われることはあり得ると指摘する。

 「立憲主義は、政府の暴走を憲法で抑制すること。また権力分立、国民主権、基本的人権の尊重を基礎にした憲法に基づく国家統治のこと。法的安定性の解釈変更は、あくまでこの立憲主義の枠内での議論です。ここが問われなきゃいけない。安保法案は何より立憲主義に反しているということです」

 間宮氏はイェーリングの著書『権利のための闘争』を紹介し、「法はおのずとできるものではない。闘って得られるものだ」として、「立憲主義」を取り戻すために今後も長く運動を続けていくことが重要だと訴えた。

 「この先、子供たちは何かの行動をするでしょう。傍観している世の中の大人より、どれだけしっかりしていることか」

 また「安保関連法に反対するママの会」の塚本さんも登壇し、今夏の安保法案をめぐる反対運動を振り返りつつ、スピーチを行った。

 「安保法は成立してしまいましたが、この夏、共に声を上げ続けた私たちの絆は、何ものにも代えられない強いものになりました。毎週金曜日には国会前でスタンディングをしています。ママの会のコールをしていると、国会見学に来た小中学生の約1500人のうち、ほとんどの子供がコールに反応して『戦争させない』『子供を守る』と手を振って元気な声で返してくれます。私たちは嬉しくて、年甲斐もなくジャンプしてありがとう、と手を振ります」

 このように、塚本さんは、小中学世代の子どもたちがママの会のスピーチによく反応してくれるという。このような子どもたちが、将来大人になったときに「頼もしい存在」になってくれるのではないか、そのために今の大人ができることをしていこうと呼びかける。

 「中学生くらいの男の子が近くを通ったときは、恥ずかしそうに頭を下げて、小さな声でありがとうございます、と言ってくれたのがとても印象的でした。毎週金曜はみんなのお母さんになったような気持ちになり、涙腺が緩みながらも、絶対に戦争になんか行かせないからねと強い気持ち、強い愛を込めてコールしています。

 子どもたちがおとなになった時、あの頃大人たちが戦争に反対していたということを覚えてくれていたなら、もっと世の中は変わるはずです。私達はその新しい芽の可能性を感じながら、種まきをしています。蒔かない種は決して目を出しませんよね。私は全ての大人に自分なりの種を蒔いてほしい。そう思っています。何がどうなろうとも、この先ずっと彼女、彼らは自由な意志にしたがって、何かの行動をするでしょう。傍観している世の中の大人より、どれだけしっかりしていることか」

「次のアクションはすでに動き出している」

 またSEALDsメンバーで明治大学の千葉さんもスピーチを行った。

 「ツイッターには毎日誹謗中傷が飛んできます。声を上げたいけど、友達に誤解されるのが怖い、そんなジレンマが本当に心のなかにあります。次世代への責任を投げ捨てて、今の自分のためだけに生きればいい。そう心が折れかけたことが何度あったことかわかりません。しかし僕達にはできませんでした。

 僕たちは安保法制に反対するためだけに出現した集団ではありません。僕達シールズはこの国の未来への思いを共有する若者が集い、この国の戦後70年間の自由と民主主義の伝統を尊重し、日本国憲法の持つ価値を守ることを設立理念として持ち、特定のイシューに特化するのではなく、包括的なアクションを目指して活動しています」

 千葉さんは「民主主義は未完のプロジェクト」だと述べ、立ち止まらずに行動し続けることの重要性を訴える。

 「立ち止まったその瞬間から悪化が始まってしまうものです。安全保障関連法案は成立しましたが、僕達の歩みを止めるものではありません。来夏の参院選に向けて、次のアクションはすでに動き出しています。シールズは来る参院選で、投票率向上のための投票所設置プロジェクトも立ち上げます。民主主義は未完であるが故に、それこそ切れ目のないバージョンアップが必要なのです。僕たちはもう声を上げることを恐れません」

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