広島県広島市の松井一實(かずみ)市長は、2015年7月23日、東京有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、来月8月6日、広島への原爆投下70年を迎えるのを前に、あらためて核兵器廃絶を訴えた。
今国会で審議されている安保関連法案について、松井市長は、「世界各国、日本も含めて疑心暗鬼の世界に入っている」と話し、信頼関係を構築して、誤解が生まれないよう対話をしていく必要性を語った。
8月6日に読み上げる平和宣言で、安保法制について触れるのかを問われた松井市長は、「平和宣言というのは、世界の方々に向けて思いをまとめて出すものなので、個々の国の問題に言及するのではなく、もっと根源に触れるようなことをしっかり言う」とし、安保法制も含む、個別の問題には言及しない考えを示した。
核兵器は非人道兵器の極み
松井市長は冒頭スピーチの中で、核兵器廃絶への思いをあらためて強調した。
「核兵器は非人道兵器の極み。被爆者がこんな思いを他の誰にもさせてはならないと、強い信念のもとで核兵器廃絶を訴えている。
私は今の思いを多くの各国の為政者の方に理解していただきたく、広島に来ていただきたいということを言い続けている。
為政者が政治的信念を確立して行動を起こすという中で、核兵器廃絶を目指したいと思っている」
各国の政治家に向けて「核兵器のない世界、平和な世界の実現に努力していただきたい」
松井市長は、広島平和記念公園内にある原爆死没者慰霊碑に書かれている碑文「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」を大事にしたいと話し、「国籍・民族・思想・加害者・被害者の立場を超えて、この言葉を皆さんの心に刻んでいただいて、とりわけ為政者はこの言葉を心に刻んで、核兵器のない世界、平和な世界実現にそれぞれ努力していただきたい」と、核兵器廃絶実現を各国政治家に訴えた。
被爆国の日本が核兵器を作る時期は訪れるのか?「私は信じたくない」
会見の司会者から「日本が核兵器を作る時期は訪れるのか?」との質問を受けた松井市長は、被曝した広島を代表して、核兵器に反対する立場で思いを語った。
「私は日本が核兵器を作るということは信じたくないし、仮にそういう能力があるとしても、わが国を代表する為政者はそれをしてほしくないという立場。
核兵器をなくして欲しい、この世から核兵器を消滅して欲しいと願う被曝者がいる広島で、その広島を大事にする日本国であるから、その方向と真反対の方向の政治対応を決断する日本国ではないと思う」
今国会審議中の安保法案、松井市長が思うこととは
「世界各国、日本も疑心暗鬼になっている」松井一實 広島市長が世界の政治家に向け提言、核兵器廃絶、信頼構築、対話の必要性を訴え、平和宣言で安保法案には触れない方針 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254442 … @iwakamiyasumi
え?そこに触れなくては片手落ちでは。
https://twitter.com/55kurosuke/status/624903161350782976