広島市は6日、原爆投下から68年目の朝を迎え、平和記念公園では、「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(平和記念式典)」がとり行われた。広島市の松井一実市長は、平和宣言の中で、「原爆は『絶対悪』です」と断じ、核兵器の廃絶を訴えた。
■広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(平和記念式典)【約65分】
午前8時に始まった式典では、はじめに原爆死没者名簿が慰霊碑に奉納された。この1年間で亡くなった、あるいは新たに死亡が確認されたのは5859人で、累計の死没者数は28万6818人に上る。原爆が投下された8時15分を迎えると、およそ5万人の参列者が黙祷を捧げた。
平和宣言では、松井市長が、5人の被爆者の体験談を踏まえてその苦しみを語り、「終生にわたり心身を苛み続ける原爆は、非人道兵器の極みであり『絶対悪』です」と原爆を改めて否定。日本政府がインドと進めている原子力協定にも言及し、「核兵器を廃絶する上では障害となりかねない」と批判した。
式典には、自民党の安倍晋三総理をはじめ、岸田文雄外務大臣や公明党の山口那津男代表ら多数の国会議員も出席した。
安倍総理は、挨拶の中で、「我々には、確実に、核兵器のない世界を実現していく責務がある」と述べ、「非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶に力を惜しまない」と誓った。
■平和公園の様子、千羽鶴を捧げる人らへのインタビュー
■野外朗読会「さだ子と千羽づる」(朗読:オーロラ自由アトリエ)
『さだ子と千羽づる』のあらすじ
1945年、アメリカによって広島に原爆が落とされたあと、即死を免れてからも、たくさんの人びとが原爆症で亡くなっていました.そのうちの一人が、佐々木禎子さんです。禎子さんは、病床で「鶴を千羽折れば病気が治る」という言い伝えを信じて、薬の包み紙を折り続けたのでした。しかし、彼女の願いも放射能の前にはかないませんでした。彼女の死後、クラスメートは禎子さんのために、また、原爆で死んだたくさんの子どもたちのために慰霊碑を建てることにしました。この願いが日本中・世界中の人々に伝わり、広島に「原爆の子の像」が建てられることになったのです。(「オーロラ自由アトリエHP」より)