安倍政権の終わりの始まりか――「戦争法案」の強行採決に10万人が怒り「国会を包囲した55年前を思い出し、岸信介の孫を退陣に追い込もう」 2015.7.15

記事公開日:2015.7.15取材地: テキスト動画
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(取材・岩上安身、ぎぎまき、古田晃司、中川友紀、須原拓磨、芹沢あんず、山本真知子、
写真・原佑介、記事・ぎぎまき)

 安倍政権の終わりの始まりとなるか。

 安全保障関連法案、いわゆる「戦争法案」が2015年7月15日、衆院特別委員会で強行採決された。

 「戦争法案」に反対する国民の世論は日増しに高まっており、安倍晋三総理自身も午前中の審議で「国民の理解が進んでいないのも事実だ」と認めた。にも関わらず、安倍政権は国民を置き去りにし、数の力で採決を強行。これに憤った市民ら約10万人(主催者発表)がこの日、国会前に押しよせて怒号を上げた。

 奇しくも1960年のこの日は、安倍総理の祖父である岸信介元総理が日米安保改定にともない、内閣総辞職に追い込まれた日だった。

■ハイライト

  • 日時 2015年7月15日(水)18:30~21:30
  • 場所 国会議事堂前
  • 主催 SEALDs

山口氏「国会を包囲した55年前を思い出し、岸信介の孫を退陣に追い込もう」

 抗議集会は学生ら有志のSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が共同で主催した。市民らは「強行採決絶対反対」「安倍は辞めろ」「なんか自民党感じ悪いよね」「民主主義ってなんだ」と声を上げた。抗議は深夜23時過ぎまで続いた。

▲「安倍は辞めろ」シュプレヒコールをあげる若者を中心とした市民ら

▲抗議の規模が膨らみ、様々な場所でシュプレヒコールが上がった

 抗議集会開始の18時30分には、すでに国会前は多くの市民らで埋めつくされた。市民らは警察が用意した鉄柵内に収まりきらず、一部の市民らは警官隊の制止を振り切り、車道に溢れだしてシュプレヒコールを上げた。

▲車道に溢れた抗議参加者

▲車道の半分を埋めた

▲車道から国会に向けて怒りをぶつける若者

 この日、委員会での強行採決に抗議した野党議員らも抗議集会に参加した。民主・岡田克也代表、枝野幸男幹事長、辻元清美議員、共産・志位和夫委員長、社民・吉田忠智党首らが駆けつけた。

 辻元議員は語気を強め、「安倍政権の終わりの始まりにしよう」とスピーチした。

 「今回の特別委員会では、100回以上審議が止まったことを周囲の人に知らしめてください。今日も安倍総理は自衛隊のリスクが上がるとも、上がらないとも…一体どっちなのか。安倍政権は集団的自衛権の行使要件を『存立危機事態』というが、今は憲法の『存立危機事態』だ」

 今月13日に開かれた中央公聴会に参考人として国会に招致された政治学者の山口二郎氏(法政大)も怒りの声をぶつけた。

 「強行採決は、安倍晋三の弱さの表れだ。国民を納得させる言葉がないから強行採決したんです。55年前の今日を思い出してみましょう。この場所で市民が国会を包囲し、岸信介を退陣に追い込み、憲法を守ったんです。ここで、岸信介の孫を退陣に追い込みましょう」

初めて抗議行動にきた20代の女性「個別的自衛権でいいはずなのに、なぜやるのか」

(…会員ページにつづく)

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「安倍政権の終わりの始まりか――「戦争法案」の強行採決に10万人が怒り「国会を包囲した55年前を思い出し、岸信介の孫を退陣に追い込もう」」への4件のフィードバック

  1. あのねあのね より:

     敵は安部晋三首相一人ではなく、Team ABEという集団だ。放送作家の百田も集団の一員である。それを念頭に置いた戦いをした上で、安倍は絶対に辞めさせるべきだ。百田もそうだが安倍も嘘吐きなので、首相だけではなく国会議員も辞めてもらう必要がある。余談だが、I am not ABEというのはI am not (a member of the team)ABEということだ。一味ではないということ。
     『日本を取り戻す』と宣言した安部晋三だが、彼の中国敵視については危険視すべきだ。彼の頭の中には『満州を取り戻す』が入っている可能性が大きいからだ。そればかりか朝鮮半島や台湾も日本の領土として取り戻したいのではないか。何故か母方の祖父である岸信介の話をやたら引き合いに出す安部晋三だが、血を分けた兄弟が岸家の養子に入って岸姓を名乗るなど、他人のふりをした身内を国会に送り込むような謀略一族なので監視が必要である。血を分けた兄弟とは岸信夫である。
     かねてからの安部晋三の発言は荒唐無稽なものが多く、同じような発言をする国会議員を含めた連中もまとめて普通の国会議員からは馬鹿にされてはいた。しかし、拉致が本当に存在したなどのショックが一般の善人の常識的な判断を狂わせてしまった隙を突いて、支持を集めてしまった。Team ABEはショックドクトリンをやったのだ。
     この法律が成立すると、旧満州などで米国人が殺される“事件”がおきて自衛隊が派兵される可能性は大きい。むしろ、そうすることが本来の目的なのではないか。“事件”が中国の意思で起きて派兵したのが昭和20年の敗戦に至る長い15年戦争の始まりである。天皇陛下のお言葉を今一度かみ締め、日本人は冷静に安倍一族を政治の世界から追放すべき段階に差し掛かったのだ。

  2. ytk より:

    なぜこうも論旨が偏るのか?
    実際には賛成派が多数なのに(だってそうだよね?今の政権は国民が選んだんだ)反対派の意見しか取り上げないって事が、いちメディアとしてまったく価値が無くなるってことが分からないはずないとおもうけど。
    新聞やテレビにはもううんざりなんだから、しがらみのないネットメディアだからやらなきゃいけないことがあるはず。
    自由な環境だからこそ両論併記であるべきじゃないのか。
    まあ言ってもしょうがないか。

  3. @シバ より:

    現実の社会の方が仮想空間である事を意識しに、いつもここを訪れさせていただいております。
    仮想敵国詐欺理論と言うか・・銃社会米国の火器メーカーのプロパガンダ理論のような、メディアを使った政府の広報に呆れかえり恐怖を覚え竦む毎日です。武力に限った事でもないのでしょう、原発でも安全保障でも貿易協定でも情報公開でも全ての事柄が、本当に虚偽・欺瞞・詐欺が資本と利権により当たり前のように垂れ流される日々。

    賛成派が多数?!それもトリック、詐欺ですね。民意の反映されない議員の議席数など、民主主義の本来の意味とはかけ離れています。両論併記?!とんでもない・・そんな事しないでも、新聞・テレビ・一般メディア多くがペテンの理論を流してくれています。自由の場のこの空間が怖いのでしょうね、お抱えライター使っての書き込みが目に入りましたので一言書き込みさせていただきました。

    これからも、真の現実社会を映す鏡としてのIWJさんの挑戦に、敬意と感謝を贈らせていただきそして、会員として下支えさせていただく事をお誓い申し上げます。

  4. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    安倍政権の終わりの始まりか――「戦争法案」の強行採決に10万人が怒り「国会を包囲した55年前を思い出し、岸信介の孫を退陣に追い込もう」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/253104 … @iwakamiyasumi
    新たな歴史を作るのは政局ではない。僕やあなたの声や行動が必要だ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/621435411521511424

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