3500人が参加した渋谷デモの翌日、若者たちが安倍総理に宛てた手紙〜「安倍晋三殿 あまり国民を見下さないほうがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか」 2015.6.15

記事公開日:2015.6.15取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 「『戦争立法反対! 渋谷デモ』には、昨年の4倍以上、3500人が参加し、渋谷の街で大きな注目を共感を集めました。この1年でどんどん集会やデモへの若者の参加が増えていることを鑑み、あまり国民を見下さないほうがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか」

 渋谷の街を多くの若者たちがデモ行進した翌日の2015年6月15日、デモの熱冷めやらぬまま、約100人の若者たちが国会議員に対するロビイング活動を行なうため、議員会館に集まった。要請するのは、「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」の2法案の撤回と廃案だ。

 北海道から沖縄まで、全国から集まった若者たちが地元選出の議員を訪問する。また、議員へのロビイングのほか、内閣府を通して安倍総理に手紙を提出するというが、冒頭で紹介した一文は、その手紙から引用したもの。戦争に送られうる若者世代として、率直な言葉でA4一枚を綴った。

 中には、「あまりに邪道で軽薄なお考えのようにしか思えません」という痛烈な批判もある。

 「総理は『平和安全法制』と言われていますが、内容を見ると、自衛隊をいつでも、どこへでも派兵し、これまで『戦闘地域』とされていた地域にも行って、アメリカの戦争の軍事支援を行なう法案となっており、『戦争法案』と呼ぶべきものです。総理は国民にウソをついて通してしまおうというお考えかもしれませんが、それはあまりに邪道で軽薄なお考えのようにしか思えません」

 さらに、手紙の末尾では、今国会での法案成立に否定的な声が国民の8割を超えたという世論調査を踏まえ、このまま国民の声を無視すれば、反対の声がさらに拡大し、「総理が退陣に追い込まれることは間違いないと思われます」という言葉で、法案成立断念を求めるなど、若者たちからの進言も盛り込んだ。

■ハイライト

  • 日時 2015年6月15日(月) 11:00~
  • 場所 衆院第一議員会館(東京都千代田区)
  • 詳細 デモ|若者×憲法

「迷っている議員が、私たちの声で動かされて欲しい」

 14日に若者憲法集会実行委員会が主催した渋谷デモは、昨年2014年に続き2度目。今年は昨年に比べ4倍以上の3500人が参加したと発表した。実行委員会の一人、田中悠さんは、ロビイング前の集会でIWJのインタビューに答え、参加者人数は、若者の当事者意識の強さの表れだと話した。

 「去年、初めてデモを開催しました。集団的自衛権の閣議決定がされようとしている時だったので、『やらなければいけないな』と。最初は小さな気持ちでしたが、あれから一年経って、これだけの大きな運動になってきたところに、若者の思いが表れていると思います。同じ世代に自衛隊員がいたり、自衛隊員の彼氏がいるなど、自分たち世代の問題だということで、熱気も広がっていたと思います」

 集会後のロビイングでは、平和安全法制特別委員会の議員を中心に訪問する予定だというが、ロビイング活動の狙いは何か、その意義と目標について田中さんに聞いた。

 「世論調査ではもちろん数字は出ますが、数字の中身に込められた『反対』という思いの中には、溢れる気持ちがあると思います。それを国会議員が肌で感じることが大事だと思っています。安倍首相への手紙、国会議員への手紙も集めてきているので、生の言葉で気持ちを伝えたいなと思って、行動を決めました。

 (平和安全法制)特別委員会の議員を中心に回りますが、全体の本会議の採決はあらゆる議員が対象になるわけで、そこでどういう態度をとるかが問われます。その時に、『(ロビイングで)あの人たちがこういうことを言っていたな』と思い浮かぶような声が伝わるかどうかが、すごく大事だと思っています」

 特別委員会の議員を優先的に訪問するというが、他にも狙いがある。

 「反対の意思を固めてもらうのも大事ですが、自民、民主、維新の中で、動きそうな(迷っている)人たちがどうなるかが大事。私たちの声を聞いて、動かされて欲しいです」

「若者憲法集会×SEALDs」効果とは

 14日のデモは、若者憲法集会実行委員会のほか、金曜日の国会前行動をスタートさせた「SEALDs(シールズ)」も主催団体として加わった。田中さんは2つの若者による団体が協力することで生まれる強みについて話した。

 「昨日(14日)は本当にすごく良かったなと思っています。SEALDsのみなさんが、ネットや、センスのいいフライヤーを作って拡散したことによって、今まで私たちが知らないような人たちも一緒になってデモを歩いてくれたなと思います。

 私たちは全国にネットワークを持っているのが強みです。昨日、集会やデモに参加した人がすでに、ツイッターなどでメンバーたちが地元でやりたいとつぶやいたりしている。地元で運動を広げたり、地元の国会議員の事務所にどんどん行って働きかけ、変えていくという動きが作れればなと思います。

 ネットで拡散したり、学生のセンスをいかして取り組むということと、根を持った組織がある私たちと、それぞれの持ち味をそれぞれが発揮する形でがんばりたいです」

自衛隊員からのエピソードを紹介「本当は人を助けたくて入隊したから、人の命を奪うことはしたくない」

(…会員ページにつづく)

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「3500人が参加した渋谷デモの翌日、若者たちが安倍総理に宛てた手紙〜「安倍晋三殿 あまり国民を見下さないほうがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか」」への1件のフィードバック

  1. エド中野 より:

    自衛隊は海外青年協力隊じゃない。
    戦争は望まなくてもやって来る。
    戦う準備がなければ侵略される。
    チベット、ウイグル、内モンゴルになりたいのか。
    侵略される国があっても無視するのか。

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