安倍総理は国民の声にこたえられるのか。政府が「合憲だ」と主張する安保法制に対し、2015年6月14日(日)、廃案を求める市民ら2万5000人が国会を包囲した。老若男女、幅広く集まった参加者一人ひとりに、IWJは話を聞いた。
「せんそういかない!!」「戦争やめろ!私達はやらない!1人でやって!!」——。小学生の書いた寄せ書きがひときわ目を引いた。
参加者は年配の人の姿が目立ち、そのほとんどが「子どもや孫が戦争に行くのは許せない」「孫やひ孫が戦争に取られないように」との思いを口にした。
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「安倍総理は日本国民ではなく、米国のために働いている」
抗議は主催側が配布した「戦争させない」「9条壊すな!」と書かれたプラカードで溢れたが、自作の絵や趣向を凝らした垂れ幕などを掲げる人も少なくなかった。
安倍総理をオバマ大統領の「犬」に例えた自作の絵を掲げた男性は、「安倍総理は日本国民のためというより、米国のために働いている。米軍と一体になって世界中に出て行く。そして戦争して殺し、殺される、というのがこの安保法案が通ると現実化してしまう」と警鐘を鳴らした。
「60年安保を経験しているが、あの当時は若者が引っ張っていた。しかし最近のこうした運動は若い人の力が弱いのが残念です」
男性は近年の抗議運動における若者の動員の少なさに危機感を露にした。しかし、国会包囲の後に渋谷で行われた若者主催のデモには、3500人が集結した。若い世代のあいだにも、政治への問題意識がじわじわと浸透している。
「若い人が生活に追われ、政治を考える余裕がない」という問題も
抗議には少なからず若者の姿もあった。「戦争法案お断り」と書かれたプラカードを掲げていた女性は、同時に「 性別役割分業」にも反対を訴えていた。
「こういうデモでも、女性はこうすべき、男性はこうすべき、という活動家の方がいる。そういう目の前の差別から変えていかないと、大きな安倍政権は倒せない」
また、若者の姿が少ないことについては、「土日でも若い人は生活に困っていることが多く、バイトしなければならないなど、生活に追われている人が多く、こういう場に来れないという問題もある」と話したうえで、「(若い人は)余裕がないから、自分の生活で精一杯で、考えたくないのだろう。でもそれも政治とつながっていることだから、一緒に考えていきたい」と訴えた。
「ホルムズ海峡の機雷掃海」はアーミテージレポートに書かれた米国の指示!
「安保法案=戦争法案」 と書かれたプラカードをぶら下げた年配の男性は、「政府は日本を取り巻く安全保障状況が変わったというが、個別的自衛権で対応できないものはありますか?」と疑問を呈した。
「安倍さんはホルムズ海峡で機雷撤去をと言うが、それは『アーミテージレポート』に書いてあるから、米国から言われてのものだろう。何であんなに急いで、こんなに反対があるのにやるのか分からない」
男性の指摘のように、2012年8月15日にリチャード・アーミテージ氏らいわゆる「ジャパン・ハンドラー」たちによってまとめられた、「第3次アーミテージレポート」には、「すぐさま日本はホルムズ海峡に掃海艇を一方的に派遣すべきだ」と書かれている。
記者が「安倍政権は戦争はしないと主張しているが?」と聞くと、男性は「戦争の定義とは何なんでしょうね」と呟いた。
「官僚は言葉を言い換えている。『戦争』ではなく『後方支援』という言葉に。『武器』を『防衛装備』に変えたり。後方支援は『兵站』です。戦争をするのにまさに『兵站』が必要。(後方支援において)危なくなったら自衛隊は逃げるというが、そんな状況で逃げたら全滅ですよね。本当に言葉が嘘ばっかり。(中谷防衛大臣が)やっとリスクが高まると認めはじめましたけど…」
最後に男性は、この国会包囲に駆けつけた理由を、悲痛な面持ちで訴えた。
「太平洋戦争の時も国民には情報がおりずに、法律がどんどん変わっていって流れができてしまった。だから今止めないと」
「当時のような雰囲気になってきた」この男性は、戦時中の兵隊を見送る出征旗の現物に安倍総理の名前を書き込んでいた
安保法制賛成派の「中国の脅威」論、「個別的自衛権の範囲内で対応できる」が伝わらず
【東京】とめよう!戦争法 集まろう国会へ!6・14国会包囲行動 ―遊軍チャンネル http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249181 … @iwakamiyasumi
テレビ・新聞からしか情報を得ていない方に是非見せてほしい。「戦争させない!」という想いに溢れた普通の人たちがここにいる。
https://twitter.com/55kurosuke/status/610188054095998977