【岩上安身のツイ録】8時間労働制を勝ち取るまでの「血の歴史」を無駄にしてはならない! 今また奴隷労働を認めるのか!? 再び迫りくる「定額働かせホーダイ」の社会 2015.4.15

記事公開日:2015.4.15 テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

 10年越しの野望が、ついに実る! なんと明日(4月16日)、長野県の高遠桜の満開中継に! 日本三大桜名所として知られる高遠。ここはソメイヨシノではなく、高遠桜が咲き誇る。新宿御苑で一本だけ咲いている高遠桜を見て見惚れて、『とくダネ!』時代のレポーターに、「高遠桜が日本一」と言われ、いつか見に行かねばと。

 ネットで見ると、ちょうど明日、高遠桜が満開、しかも晴天! 明日は、新番組のリハーサルの予定だったが、それ以外にアポなどはなく、ちょうどインタビューなどの谷間だったので、では高遠でリハーサルやろう!とスタッフごと高遠へ繰り出すことに。10年越しの大野望、実ります!

 発作から復帰して以来、結局、一日も休みなく働きづめだったので、さすがに疲労が溜まっていた矢先。睡眠障害の治療をしてくださっているペインクリニックの先生から「何?? この首! 格闘家のクビみたいじゃない! 格闘家なのか」と言われ、休んでいないといったら「ホントに死ぬよ!」と叱られた次第。

 それじゃいけないと、この機会に、桜を見に行って来ます。ついでに新番組のリハーサルもしてきます。温泉に行けるかどうかわからないけど、立ち寄れたら日帰り温泉でも入ってきます。何より疲れと緊張を抜いてきます。先日、お小水を2リットルもためて送り、内部被曝の検査をしたが、結果は不検出。

 検査した時期の問題とか、いろいろあるだろうけれども、この結果を見て、北海道がんセンター名誉院長の西尾正道先生は、「内部被曝していないとみていい。岩上さんの先日の冠攣縮性狭心症の発作は、やはり過労、ストレス過多によるもの、と見るのが妥当」と改めて言われた。過労もストレスも自覚あり。

 過労死、突然死が増えている。みんなストレスを抱え、しかも雇用が不安定に。さらに労働法制を極限まで緩和し、労働時間制限の撤廃まで唱える人でなし経営者が続出してきている。僕は超零細企業の経営者として、誰にも強制されずに働きすぎて、過労死一歩手前、過労死未遂にまで至った。

 だが、一般の労働者は、自分で好き好んでそこまで働き続けるわけではなく、半ば強制である。そのあげく、命まで縮めてしまったら、泣くに泣けない。「定額働かせホーダイ」の労働時間制限撤廃など、絶対に認めてはならない。こんなことが社会に全面化したら奴隷労働を認めることになる。

 週休1日、あるいは2日。1日の労働時間は8時間。それが当たり前のように思っている人がたくさんいるが、とんでもない。1日8時間労働時間を獲得するのに、どれだけの労働者が血を流してきたことか。アメリカの労働者が5月1日のメーデーに、何人も殺されながら運動を続け、世界的な連帯も起きて、

 それでも、1日8時間労働が実現したのは、レーニン率いるボリシェビキが、ロシア10月革命で政権を掌握してからの話である。それ以後、西側諸国も8時間労働を法制化したが、それまでは12時間、15時間、働かせられるのか当たり前だった。今、中国では低賃金で長時間労働が問題化している。

 今、日本で起ころうとしている労働法制の緩和、というか、崩壊は、「中国化」を推進するものだ。今から10数年も前に、「正論」に、今こそ中国に共産党を輸出せよ、と書いたことがある。労働組合を結成させ、奴隷労働に反対し、適正な賃金と時短を要求、実現させるべきだと。

 そうすれば、中国初のグローバルデフレは止まる。中国は内需が拡大し、消費が活発化、日本にとっても市場が生まれる。いいことづくめではないかと。「正論」はよく載せたなと思うが、残念ながら誰も耳を貸してくれなかった。今でも、間違っていないと思うが、その前に日本が「中国化」しようとは。

 労働時間8時間制の再実現のためには、もう一度、ロシア革命と、その後の内戦や独裁や粛清の嵐のような悲劇を繰り返す必要があるのかと考えると、眩暈がする。本当に愚かとしか言いようがない。社会保障制度、最低賃金制とともに、労働時間制を守り切るべきだ。20世紀までの人類の到達点である。

 過労死を生み出してはいけない。働きすぎで、死んではいけない。過労死しかけた死にぞこないだからこそ、声を大にして言いたい。苦しいぞ、心臓の発作は。そうなっちゃダメだし、人をそんな目に追い込むな、と、無理して働いている人間と、働かせようとしている社会の両方に言いたい。

 ということで、断然、僕は、高遠桜を見に行く。美しい、その色合いや姿を、写真や動画でお伝えします。この世は、地獄ばかりじゃないのだ、というのをお伝えしつつ、自分も味わってきます。僕の体調を気遣ってくれ、応援してくださっている皆様、ありがとうございます。明日、花で恩返しします。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です