事故当事者不在で行われた実況見分、現場にいなかった警察官の証言に裏付けられた事故――高知白バイ・スクールバス事故の当事者が冤罪を訴え~第68回 日本の司法を正す会

記事公開日:2015.3.5取材地: テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

※3月5日テキストを追加しました!  

 2006年3月3日、高知県の仁淀中学の卒業遠足で、生徒と教員計25名を乗せたスクールバスに白バイが衝突し、白バイを運転していた巡査長が死亡した。この事故で、バス運転手・片岡晴彦氏は、業務上過失致死容疑で逮捕・起訴された。

 このバスに乗り合わせていた生徒・教員や、バスのすぐ後ろの車に乗車していた中学の校長らは、「バスは動いていない」と証言している。しかし、地裁や上級審でも、死亡隊員の仲間による「バスは動いていた」という証言が認められ、有罪が確定、片岡氏は服役した。

 2月26日(木)に行なわれた「第68回日本の司法を正す会」は、再審請求中である片岡氏を招き、この高知白バイ・スクールバス事故を取り上げた。

■ハイライト

  • ゲスト 片岡晴彦氏(元スクールバス運転手)/インタビュー及び進行 青木理氏(ジャーナリスト)
  • 日時 2015年2月26日(木) 13:00~
  • 場所 村上正邦事務所(東京都千代田区)

事故後に駆けつけて目撃証言した白バイ

 レストラン駐車場から右折しようとしていた片岡氏は、バスは運転席が高いため、見通しは良く、右方向を確認した時には白バイの影はなく、中央分離帯付近で左方向を確認している時、もの凄い衝撃があったという。

 まず、乗員の安全を確認し、衝撃時に生じた警報を止めて、エンジン、メインスイッチを切って降車した。救急車の手配をしている最中、後に目撃証言をした同僚の白バイ隊員が通りすぎて交差点を超えた所で停まってこちらを振り返り、事故現場にやってきたと、片岡氏は事故当時の状況を説明した。片岡氏は、証言をした白バイ隊員を偽証で告訴しているが、こちらは棄却されている。

証拠の車体を撤去された後、車から降りることも許されなかった現場検証

 この事故の2週間前、警察庁は、白バイやパトカー、機動隊などの事故が多いため、追跡・追尾訓練をするよう通知を出してたと片岡氏は言う。また、片岡氏は認識していなかったものの、事故現場付近が訓練でよく使われていたという地元の声もある。

 しかし、公道での訓練であるため、警察は認めるわけにはいかないという事情もあり、事実は明らかになっていない。これが原因となって、通常、土佐署の管轄での交通事故であるにも関わらず、高知県警の本部長が自ら指揮をとり、県警交通部長が現場指揮をとったと片岡氏は推察する。

 事故当時、現場には警官50人程と白バイ20台が来て騒然としていたという。片岡氏は、土佐署の警官から現行犯逮捕され、現場での実況見分にも立ち会えなかった。その際、校長も証人として警察署に連れて行かれており、現場には関係者がいない状態で警察が全て実況見分を行なった。

 1時間後に現場に戻った時には、バスも白バイも撤去されている状態で現場検証が行なわれ、パトカーから降りることも許されず、パトカー内から警官に言われたとおりの車停車位置を指で示すことになり、それが実地検証の写真として使われているという。

 片岡氏は、「捜査規範に則っていない捜査が現実に起こっている」と語る。片岡氏側は、走行実験による検証も行なっている。事故現場では、現場検証時に前輪部分にハの字のブレーキ痕がついていた。しかし、実験では何度やっても後輪部分にブレーキ痕はつくものの、前輪にはつかなかったという。

 片岡氏の言い分通り、バスが動いていなかったのだとすれば、そもそもブレーキ痕自体つかないが、仮にバスが動いていたとしても、前輪にブレーキ痕がつくことはないことが実験を通して判明した。ついていたブレーキ痕が後輪部分であれば、辻褄が合うが、実際についていたのは前輪部分だったことから、片岡氏はこのブレーキ痕がねつ造だと断言した。

一度も目を合わせない裁判官

 裁判官に関しても疑惑がある。最高裁の判事に出世したいという表れか、裁判官は終始、上ばかりに視線をやり、地裁の公判での裁判官は、7回の公判のうち、一度も片岡氏の目を見ることはなかった。片岡氏によると、事件を担当した裁判官2名は、後に栄転しているという。

 片岡氏は、「起訴した以上は99%有罪という今の司法は腐っている」と訴える。布川事件で冤罪となった桜井昌司氏からは、メールで『どっかには良い裁判官はいる。その裁判官に会うまではがんばろう』と片岡氏に伝えたという。

 片岡氏はその一言で、即時抗告審を立ち上げた。片岡氏の印象では、まともな裁判官は1割もいないが、裁判員制度よりも陪審員制度で、市民が真っ白な気持ちで判断してくれる制度を作る必要性を訴えた。

冤罪が多い交通事故

(…会員ページにつづく)

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「事故当事者不在で行われた実況見分、現場にいなかった警察官の証言に裏付けられた事故――高知白バイ・スクールバス事故の当事者が冤罪を訴え~第68回 日本の司法を正す会」への3件のフィードバック

  1. うみぼたる より:

    この事件は何となく耳にしていただけで関心がなかったので、片岡さんのお話が聞けてよかったと思います。
    事件があったのは2007年3月3日ですか。
    その数年前に高知に観光に行き、高知県庁の前を歩きながら南国土佐の燦々とした陽気が心地よく、
    当時、高知県知事の橋本大二郎さんの県政の充実なのかと思ったものでした。
    長距離バスで移動したのですが、乗客も3人くらい。道はガラガラ。休憩所で運転手さんとのんびりお話して過ごしたものですから、片岡さんが当時の運転手さんと重なって見えます。

  2. 澤山節子 より:

    H19.12.28夜勤を終えて、相生橋から川添いに沿って小雨がぱらついてる中を原付バイクで東に向いて帰宅していると、前方右から車が距離を置いて2台来ており、左前方からは黒い傘をさした自転車が来ていたので、バイクをまたいだまま右側に倒して通過するのを待っていると、黒傘をさした自転車は前方の止まっていたバイクが傘で見えなかったのだろう。私のバイクのハンドルの左側に思いっきりぶつかり、私の後方にいました。橋から車を出そうとされていた方が私には見えていましたが私はバイクが足の上に乗っかり左手は骨折していて、どうすることもできないでいると周りで声がして救急搬送され3ヶ月入院もしていましたが、その間一度も状況を聞きに来る事もなく、退院するのを待って雨の中で現場検証をされ、挙げ句の果ては私が悪いと言い出す始末。訳が解らず、余りの悔しさに、橋から車を出そうとされていた方の家に行き、状況を聴くと、その方が朝の通勤帯でしたので、私と近くの人と、もう一人は僕は警察官ですから、と3人でバイクを動かしたのどすよ。と言われ、本署でその方の電話番号も控えたメモを渡すとどこかえ持っていきました。主人と一緒に本署に行ったり弁護士会に行き相談もしました。帰りに家の電話番号教えてくれた家により、お礼を言いに行くと、私は何にも知りません。かかわりたくありません。と、手の平を返されたような言葉でビックリしましたが、私にとっては警察署は謎の多い、圧力で物事を抑えつける所と言わざるおえません。私は今だに会話した高知警察署の辻と中山さんにしっかり事情聴取と相手の話しに傾聴しついただきたい。私はあれから10年になりますが調査の仕方がいい加減で、よく警察官が勤まっていますことが今だにはらだたしいです。
    因みに私の父も同業者だったので、許せない気持ちです。

  3. 澤山節子 より:

    私の事故は2008年の12月28日の朝の8時15分頃、夜勤を終えて帰りの出来事でした。
    白バイとスクールバスの事故の話を初めて知ったのは3年前てしたが、私の事故と全く似たような案件で交通課だけは、特異体質の課である事を感じております。
    悪く言えばヤクザや暴力団と遜色ないやり方や、勝手に調書を作り有無を言わせないやり方をしている。
    高知県警の捏造は体質で、勝手に調書を作り上げ有無を言わせないやり方は、当事者でないと理解できないだろう。
    県民が口を揃えて言ってる言葉がある
    高知県人は田舎モノ。権力者と金持ちには弱い。昔よりもっと酷くなってきていると。

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