2015年2月25日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。東電福島第一原発のC、K排水路から汚染水が海洋漏洩したことについて、田中委員長は、海水分析結果に大きな変化がないことなどから、現時点で大きな影響はないとの考えを示した。
2015年2月25日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。東電福島第一原発のC、K排水路から汚染水が海洋漏洩したことについて、田中委員長は、海水分析結果に大きな変化がないことなどから、現時点で大きな影響はないとの考えを示した。
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東京電力福島第一原子力発電所のC排水路とK排水路から汚染水が海洋漏洩したことについて、田中俊一・原子力規制委員長は、港湾内の海水モニタリングで数値に変化がないことや、環境への影響は放射能濃度だけでは判断できないことなど、現時点では大きな影響はないという考えを示した。
福島第一原発C排水路はRO濃縮塩水を貯蔵したタンクに隣接して流れており、タンクから漏洩した汚染水が海洋へ流出する危険性がある。そのため、出口を港湾内へ付け替える、流域の連続放射線モニタを設置する、水路を閉じるゲートを設けるなど対策を行なっている。その上で、先週土曜日2月21日に連続放射線モニタの数値が上昇し、港湾内へ汚染水が流出したことから、東電は原子力規制庁へ法令報告した。
一方、K排水路は、2号炉建屋に隣接して流れており、タンクからの漏洩はないが、建屋の汚染物が流れ出す懸念があった。そのため規制庁は、特定原子力施設監視・検討委員会(以降、『1F検討会』)で議論を続けて来きた。その結果、流出防止対策、モニタリング方法、管理手順などを、2015年3月末までに決めるよう指導してきたと、金城慎司・事故対策室長は説明した。
東電は、K排水路の排水分析の結果、高い放射能濃度を検出していたにもかかわらず、整理ができていないとして報告、公表しなかった。しかし田中委員長は、「K排水路に関して、規制委員会は放置していた訳ではない」と言う。
「東電がK排水路に関して、どんなデータを出してくるのか、監視するのは規制委員会の責任ではないか」と記者がつめよるも、田中委員長は、「最近は東電も発表できているが、全て規制委員会が把握するのは無理」だと言い、「基本的には事業者の責任で発表するべき」と責任を東電に押し付ける格好となった。
規制委員会では海洋汚染に対して、「海洋モニタリングに関する検討会」で議論しているが、2014年1月27日の第4回会合以来開催されていない。田中委員長は、「海水モニタリングは定常業務として定期的に行なっているが、よほどの異常がないと議論のしようがない」と話し、今回のC、K排水路からの漏洩について、「港湾のモニタリングの数値になんら変化は出ていない」という。
午前中の定例委員会で、C排水路に関しては議題に挙がったが、K排水路は何ら言及しなかったことについても、「状況を把握しないと議題できない。委員会で議題にしたからと言って、回復する訳ではない」などと弁明した。
また、「K排水路も港湾内に流した方が良いのではないか」という記者からの問いかけに対して、田中委員長は、「その方が良いが、希釈されて港湾外に出るのは同じ」 だと言う。告示濃度に対する濃度だけで規定し、核種総量について規定していないが、「最終的に環境に影響が出るのかということで判断するのだが、濃度だけでは判断できない」としている。