審査書が大詰めを迎える高浜原発、高浜町長がVTRを活用した住民説明会を要望、規制委・規制庁は前向きに検討する方針 ~田中俊一規制委員長定例会見 2015.2.4

記事公開日:2015.2.4取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2015年2月4日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。高浜町長が審査書案の住民説明会をVTRで行うことを要望したことについて、より多くの住民に説明を行うため、規制委・規制庁は、この要望を前向きに検討する考えを示した。

■全編動画

  • 日時 2015年2月4日(水) 14:30~
  • 場所 原子力規制委員会(東京都港区)

高浜原発審査書についてVTRを活用した住民説明会を高浜町長が要望

 福井県高浜町の野瀬豊町長が清水康弘原子力規制庁次長と面会し、高浜原子力発電所の審査書案に関する住民説明を、VTRで行うように要望したことに対し、規制委・規制庁は前向きに検討する方針を示した。

 VTRで行うことについて田中俊一委員長は、できるだけ多くの住民に説明するためにVTRを利用するとし、それを見ての意見も受け付け、もし質問があればきちんと答えるとの考えを示した。VTRは公民館などでの上映のほか、地元のケーブルテレビを利用するなどいろいろ考えられるが、要望を受けたばかりで、まだ具体的なことは何も決まっていないという。

 関西電力高浜原子力発電所3、4号機の審査書は、完成に向けて大詰めの段階。しかし、いつ承認されるか、まだ確定していない。「12日にもとりまとめ」という報道があったことについて田中委員長は、報道が先行していると苦笑した。

東電福島第一、安全点検での工程遅れはあまり気にしていない

 東京電力は所有する3つの原発で重大な人身事故が続いたことから、工事作業を2週間ほど中断し、安全総点検を行った。田中委員長は、このことによる全体の工程の遅れは、あまり気にしていないという。工程より安全をという考えだ。福島第一原発は全体として改善の方向に進んでいるが、それが十分がどうかは、まだ判断できないという。

 続発する福島第一原発での労働災害、人身事故は、一般的な工事現場での安全対策でさえも疎かだったことも原因の一つだ。したがって厚生労働省が検査、指導することになる。原子力発電所で起こったことだが、規制庁と厚労省、それぞれの所掌範囲内で、それぞれができることを検査、指導することになると、米谷仁・規制庁総務課長は説明した。

 行政機関の性格上、所掌範囲外に手を出せないのはやむを得ないが、縦割りの弊害が生じないのか、懸念もぬぐえない。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です