「政治とカネ」の問題を追及されていた西川公也農水相は2015年2月23日、安倍総理に対し辞意を表明。後任に指名された林芳正前農水相は同日夜20時、農水省で就任会見を行った。
「農林水産業の成長産業化」「攻めの農林水産業」を掲げた林大臣は、大詰めを迎えたTPP交渉について「衆参両院の農林水産委員会の決議(国会決議)がしっかり守られたと評価されるように全力で取り組んでいきたい」と述べた。
(IWJ・佐々木隼也)
「政治とカネ」の問題を追及されていた西川公也農水相は2015年2月23日、安倍総理に対し辞意を表明。後任に指名された林芳正前農水相は同日夜20時、農水省で就任会見を行った。
「農林水産業の成長産業化」「攻めの農林水産業」を掲げた林大臣は、大詰めを迎えたTPP交渉について「衆参両院の農林水産委員会の決議(国会決議)がしっかり守られたと評価されるように全力で取り組んでいきたい」と述べた。
■ハイライト
TPP交渉で、農産品の重要5項目の関税撤廃除外(いわゆる「聖域」)において、政府は早期妥結のために譲歩するのではないかという報道が出ていることについて問われた林大臣は、「国会決議が守られたと評価されるように交渉にあたっていく。それに尽きる」と述べた。
IWJもTPPについて質問した。国会決議で自民党が「守る」と約束した「聖域」について、2013年5月14日に岩上安身のインタビューに応えた自民党の大西英男議員は、「すぐにではなく、セーフガードなどで段階的に関税を引き下げていき、いずれはゼロを目指すということだ」との認識を示した(※)。林大臣が繰り返す「国会決議を守る」という言葉には、大西議員のこの認識も含まれているのか?
この質問に対し、「国会決議が守られたという評価をいただけるように全力で交渉する」と繰り返した林大臣は、「決議についていろんな解釈がそれぞれにあろうと思う」と述べた。
決議の解釈に「いずれ関税撤廃」が含まれることを否定しないばかりか、自身の認識がこの解釈を含むものであることも否定しなかった。
林大臣が繰り返す「評価」の主体や中身についても言及はなく、誰の、どういった評価か、によっては、国会決議の柱そのものが形骸化する可能性がある。