「イスラム国」とみられる集団が1月20日、拘束した2人の日本人の殺害を予告する映像を公開したことを受け、民主党は翌21日、「シリアにおける日本人拘束事案に関する情報連絡会議」を開催した。外務省などの関係省庁から状況説明を受け、質疑応答も行った。
会議を終えた岡田克也代表は記者団のぶら下がりに応じ、イスラム国の殺害予告について、「卑劣な行為で、犯人側に対して非常な怒りを覚えている」と表明。「大事なのは2人の命が守られることで、政府のほうにはそれを再優先にあらゆる手を尽くして欲しいとお願いした」と明かし、会議の中身については「現状についてやりとりはあったが詳細は控えたい」と明言を避けた。
岡田代表はさらに、「できることは政府のほうでやっている。人命が第一。我々にできることはほとんどない。政府が適切にやっていただけるように後押ししたい」との党方針を提示した。
「(会議で)いろいろなやりとりはあったが、申し上げないほうがいいと思う」と言葉少なく、安倍政権の中東政策の過失を指摘する声にも、「いろいろ議論はあると思うが、今、議論すべきではない。まず人命救出。いろんなことは、人命が無事に救出されたあと、議論にすればいいと思う」として、政府責任などへの言及は避けた。
「我々にできることはほとんどない」という言葉は分からないこともない。ただ、お粗末ではあったが一度は政権の座に就いた党と今の党首のことばとしては、仮に「大事なのは2人の命が守られることで、政府の方にはそれを最優先にあらゆる手を尽くして欲しいとお願いした」と明かしたにせよ、余りにも普通の人間過ぎて、何も伝わってこないのはなぜだろうか。