「議席を失うことが確定した時点で、民主党代表を辞めることを決意した」
今回の衆院選で落選した民主党・海江田万里代表が、衆院選投開票日から一夜明けた12月15日、党本部で会見を開き、落選と同時に決意した代表辞任を、正式に表明した。
(IWJ・原佑介)
特集 総選挙2014
「議席を失うことが確定した時点で、民主党代表を辞めることを決意した」
今回の衆院選で落選した民主党・海江田万里代表が、衆院選投開票日から一夜明けた12月15日、党本部で会見を開き、落選と同時に決意した代表辞任を、正式に表明した。
■ハイライト
海江田氏は会見で、自身の議席は失ったが、「弱い立場にある人たちや懸命に働いている人たちに寄りそって政治を進めていくという民主党の原点は、少しも損なわれていない」と強調した。
安倍政権が「国民の信を得た」として、来年2015年の国会で集団的自衛権行使の法整備を進めようとしていることについて、「日本は専守防衛を守り、仮初めでも他国に出ていって、他国の軍隊と戦火をまじえるようなことあってはならない」と牽制。「国会で論戦に加われないことが残念」と悔しさをにじませた。
また、憲法改正そのものには一定の理解を示しながらも、「平和主義、主権在民、基本的人権の尊重の3つの原則は守らなければならない。自民党の改憲草案は古色蒼然としていて、こうした憲法の基本的な精神を蔑ろにしている」と批判した。
最後に、「(民主党の)新しい代表には、民主党の団結を守り、春の統一選挙で確実に民主党を再生してくれるよう希望する」と訴え、「私も一党員として、地域でできるだけのことをやっていきたい」との考えを示した。
その後の質疑では、安倍政権の支持率が高くないにも関わらず、大勝を許した原因について、「まだ民主党が国民の信頼をつなぎとめていないことが大きい」と分析。最終投票率が戦後最低となった理由は、「政権選択の選挙にならなかったことだと思う。候補者を(全選挙区に)立てきれなかった」と話し、民主党にも責任の一端があるとの見方を示した。
議席は微増したとはいえ、民主党が反・自民党票の受け皿になりきれていないことは、選挙結果からも明らかだ。その原因はどこにあるのか。
振り返れば、消費増税も民主党政権時代に自公との三党合意で決まり、秘密保護法の原案も民主党が作成した。TPPの参加問題も民主党政権時代に浮上したものであり、真っ先に大飯原発を原発再稼働したのも民主党である。
ようやく政権交代しても、結局、民主党は「劣化版の自民党」でしかなかったのではないか。今回の選挙の争点をみても、「アベノミクス」と「集団的自衛権の行使」を除いたほとんどの問題に民主党が関与してきた。自民党との明確な「違い」が有権者には見いだせていないのではないか。こうした部分が今回の選挙結果につながったのではないかと、IWJは質した。
海江田氏は開口一番、「まったく違う」と強く否定した。
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