「映画『仁義なき戦い』の最後で、『山守さん、弾はまだ残っとるがよ。一発残っとるがよ』というセリフをぶつけた。仲井真さん、弾はまだ一発残っとるがよ」——。
菅原文太氏が凄むと、会場内は大きな拍手と歓声に包まれた。10月30日告示された沖縄知事選挙(11月16日投開票)に立候補した翁長雄志氏の支援団体が主催して、11月1日(土)15時より、沖縄県那覇市にある沖縄セルラースタジアム那覇で「オナガ雄志 うまんちゅ 1万人大集会」が開催された。
主催者発表で1万3千人余の人々が集まり、稲嶺進・名護市長、ゲストの菅原文太氏、そして翁長氏らがスピーチを行うと球場内は度々大きな声援に包まれた。
菅原文太氏は、「本土の政府と仲井真知事は、まさに戦争が起きること、戦争をすることを前提に沖縄を考えていた」としたうえで、「(知事は)今、最も危険な政権と手を結んだ。沖縄の人々を裏切り、公約を反故にして、辺野古を売り渡した」と仲井真知事と安倍政権を痛烈に批判。そして、自身が主演を務めた映画「仁義なき戦い」(1973年公開)の名台詞を引用し、会場をふるわせた。
続いて登壇した翁長氏は、「学生時代に勇気と希望を貰った菅原文太さんからこんなエールを頂けるとは」と述べたうえで、「私は保守の政治家だが、沖縄の政治家。これまでの基地は奪われた土地。しかし辺野古の新基地は沖縄が初めて差し出す基地。あの美しい海を埋め立てれば国有地になる。政治家達がブレても県民はブレてないという圧倒的な民意をたずさえて訴える。基地は沖縄には要りません」と語り、決意をにじませた。
- 登壇者入場/開会あいさつ 浦崎唯昭氏(沖縄県議会議員)
- 応援スピーチ 呉屋守将氏(選対本部長、金秀グループ会長)/宮城篤実氏(ひやみかちうまんちゅの会会長、前沖縄県嘉手納町長)/稲嶺進氏(沖縄県名護市長)/新里米吉氏(沖縄県議会議員)/赤嶺政賢氏(衆議院議員)/糸数慶子氏(参議院議員)/玉城デニー氏(衆議院議員)/奥平一夫氏(沖縄県議会議員)/城間俊安氏(南風原町長)/金城徹氏(那覇市議会議員)/大城紀夫氏(連合沖縄会長)/平良識子氏(ひやみかちうまんちゅの会青年局、那覇市議会議員)
- 県議会・那覇市議会補欠選挙予定候補紹介
- ゲストスピーチ 菅原文太氏(俳優)
- 決意表明 城間幹子氏(那覇市副市長、那覇市長選挙立候補予定者)
- 決意表明 翁長雄志氏(前那覇市長、沖縄知事選挙候補)
- 行動提起 安慶田光男氏(選対本部事務総長、那覇市議会議長)/後援会会長あいさつ
- 日時 2014年11月1日(土)15:00~
- 場所 沖縄セルラースタジアム那覇(那覇市営奥武山野球場)(沖縄県那覇市)
- 主催 ひやみかち うまんちゅの会
※以下、KEN子(@KENKOOKINAWA)さんの実況ツイートをリライトし、菅原文太氏のスピーチ書き起こしを加えて掲載します。
「基地と隣合わせの経済は子孫に残さない」保守・革新の壁を超えた応援演説
開会。沖縄県議・浦崎氏「仲井真現知事の公約発表、あの埋立承認は苦渋の選択だったなどと、遅きに失した言い訳」
選対本部長・呉屋氏「現知事は危険性の除去と言うが、どこに持っていっても危険だ。基地と隣合わせの経済は子孫に残さない」
ここで主催者より、参加者1万3361名との発表。
玉城デニー・衆議院議員(生活の党)「翁長さんが知事になったら予算が止まるってよ、などという噂を流してる人がいるが、私たちが獲得してきた予算は誰が知事になっても削られるものではありません!」
新風会・金城徹氏「私達は自民党を除名されました」(会場から大きな拍手)「相手陣営は移設の具体案を出せと言うが県民が望んだものでないのになぜ沖縄県民が移設先まで考えねばならないのか。保革対決じゃない、沖縄の心と政府の闘いに勝利しよう!」
連合沖縄・大城紀夫氏「相手陣営は流れを止めるなと言うが、オール沖縄の流れを止めようとしているのは彼らです。そしてほか2名、嘉手納統合案を示した人、(略)翁長氏と三名の候補の闘い、しっかり勝ち抜いて行きましょう!」
菅原文太氏「仲井真知事は沖縄の人々を裏切り、公約をほごにして、辺野古を売り渡した」
ここで、菅原文太氏がカートに乗って登場。
菅原文太氏「沖縄は、何度来ても、気持ちがいいね。
カートに乗って、楽をさせてもらったけど、80過ぎたんで、さっきの2人みたいに走れないよ。30年前なら、あの倍くらいのスピードで走ったけどね。
今日は立候補して、ピッチャー交代、知事交代、ということで押し掛けてきました。
プロでない私が言うんだから、あてになるかならないか分かりませんけど、政治の役割はふたつあります。ひとつは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせること。
もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないこと!
私が小学校の頃、戦国少年でした。なんでケートルを巻いて、せんとぼうを被って、竹槍を持たされたのか、今振り返ると、本当に笑止千万です。もう二度と、ああいう経験は子どもたちに、子どもたちだけじゃない、あの雨のなか、将来大事な大学生も戦地へ運ばれて、半数が帰ってこなかった。
今の政府と、本土の政府ですよ、仲井真知事は、まさに戦争が起きること、戦争をすることを前提に、沖縄を考えていた。前知事は、今、最も危険な政権と手を結んだ。沖縄の人々を裏切り、公約をほごにして、辺野古を売り渡した。
(そうだ!の声)
古い映画だけど、「仁義なき闘い」に、裏切り者の山守(やまもり)、覚えてらっしゃらない方もいるかな?
(覚えてるよー!の声)
映画の最後で、『山守さん、弾はまだ残っとるがよ。一発残っとるがよ』というセリフをぶつけた。
仲井真さん、弾はまだ一発残っとるがよ。
と、ぶつけてやりたい
沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も風も、すべて国家のものではありません。
そこにすんでいる人たちのものです。
辺野古もしかり!
勝手に他国へ売り飛ばさないでくれ。
まあそうは言っても、アメリカにも、良心厚い人々はいます。中国にもいる。韓国にもいる。その良心ある人々は、国が違えど、同じ人間だ。みな、手を結び合おうよ。
翁長さんは、きっと、そのことを、実行してくれると信じてる。
今日来てるみなさんも、そのことを、肝に銘じて実行してください。
それができない人は、沖縄から、日本から、去ってもらおう。
短いけど、終わり」
翁長氏「基地は沖縄には要りません」決意滲ませ
翁長氏登壇「学生時代に勇気と希望を貰った菅原文太さんからこんなエールを頂けるとは。そして県内各所、この会場でも、握手する度に手が痛いぐらい握って頂ける、ブレずに決意して良かった。
私は保守の政治家ですが、沖縄の政治家。これまでの基地は奪われた土地。辺野古の新基地は沖縄が初めて差し出す基地。あの美しい海を埋め立てれば国有地になる。政治家達がブレても県民はブレてないという圧倒的な民意を携えて訴える。
基地は沖縄経済の阻害要因。那覇も基地が返還されて発展してきた。21世紀ビジョンは基地依存経済からの脱却、自然、歴史、伝統文化と万国津梁の精神、国際物流拠点。基地は沖縄には要りません。基地で働いてる人達のその後をサポートする」
平成生まれの人はぜひ「仁義なき戦い」を見てください。単なるやくざ映画ではありません。
広島原爆のキノコ雲の映像から始まるこの作品は、日本が高度成長に向かうなかで、損得勘定でしかモノを考えななくなった日本人、もっと言えば、経済優先の「戦後民主主義」社会への批判の作品です。
これは沖縄の基地問題や原発問題にも言えることです。
本気で国防を考えると、米軍撤退せよとは言えない。自衛隊だけで・・・とは言え、沖縄の人って自衛隊も反対な社会なんです。自分たちの島をどうやって守るの?沖縄出身の自衛隊員も少ない沖縄社会。親を自分を子を闘わすと覚悟があるのでしょうか。不穏な世の中、国を守るのは当たり前ですし、協力するのは当たり前です。市街地の普天間を安全な辺野古へ移すのは止むを得ないと思います。
>自分たちの島をどうやって守るの?
うーんと。沖縄を守るためにこんだけV-22とかF-22とかいる?
沖縄を守るだけだったら、ここまではいらんよ。
そもそも航空自衛隊だけでも、紛争の初期の段階では自前で対処できるしょ?
対処できなくなってから米軍が必要になるんでしょ?
そうなったら、非常にまずい状況なので、日本本土も余裕かましてられないでしょ?
むしろその時点では「日本本土に米軍基地がほしかった」くらいの勢いなんじゃないかなぁ?
そう考えると、沖縄に基地をこれほど集中しないといけないというのは固定観念に過ぎず、地政学的に正しいともいえませんね。そしてアメリカが日本を守ってくれる的な幻想も、リアリズムからほど遠い。
あ、あと、親も子も自分も戦争には行きませんよ。
こんな素人が現代戦で役に立ちます?
沖縄県知事選挙の争点→イデオロギーからサーターアンダギー http://ameblo.jp/unntama/