インターネットメディア「OurPlanet-TV」は2012年9月29日、国および国会記者会に対し、損害賠償を求めて提訴した。しかし、東京地裁は2014年10月14日に請求を棄却。この判決を受けて同日、「OurPlanet-TV」代表の白石草氏らが記者会見を開いた。
(IWJ・松井信篤)
インターネットメディア「OurPlanet-TV」は2012年9月29日、国および国会記者会に対し、損害賠償を求めて提訴した。しかし、東京地裁は2014年10月14日に請求を棄却。この判決を受けて同日、「OurPlanet-TV」代表の白石草氏らが記者会見を開いた。
■ハイライト
2012年7月、大きな広がりを見せていた脱原発を求める抗議行動を、官邸前にある国会記者会館の屋上から撮影しようと「OurPlanet-TV」が試みたところ、「記者クラブに所属していない」ことを理由に記者会館から排除された。
その後、「OurPlanet-TV」が撮影を求めた仮処分申請を東京高裁が却下し、衆議院事務局に対しても撮影を求める行政処分を申請したが、再び却下されたことから、国および国会記者会に対して提訴した。代理人の小松圭介弁護士は、この日の会見で、原告の請求は全て棄却されたと報告した。
「OurPlanet-TV」代表の白石草氏は、「不当な判決だと感じている。最大の問題は、メディアがメディアを排除する」ことにあると述べ、この5年間でインターネットメディアは大手メディアと肩を並べて取材ができるところまで進んできている現状を伝えた。
しかし、判決はこうした現状に目を向けず、実態とは離れた判決になっていると、遺憾の意を示した。白石氏は控訴すると断言し、「この裁判を通じて、国が言っていることと国会記者会が言っていることが相反していることがわかってきた」という。
矛盾点について国は、各建物の部屋だけ貸していると言っているが、国会記者会は屋上も含めて借りていると言っているという。
小松氏は「国会記者会館の在り方を世間に問うことと、使用基準について、世間、マスコミに問うことが原告の問題意識であった」と語る。
当時、インターネットメディアやフリー記者が国会記者会館を使う基準がなかったというのが国会記者会の主張であるが、判決は、白石氏を不当に排除し、基準を全く作ろうとしなかった実態から目を背ける判決だと小松氏は説明した。現在もネットメディアやフリーの記者の使用基準はできていない。
弁護士の井桁大介氏は、判決文中の報道機関の区分が、「新聞」、「通信」、「放送」各社と「インターネットを使用するジャーナリスト」とされていたことを指摘。「インターネットを利用するジャーナリストという特定の仕方は、前近代的判断。ほぼ全ての大手メディアが利用している。区別が不明確で曖昧になってきている」として、既存メディアとインターネットメディアやフリー記者との垣根がなくなってきていることを示唆した。
白石氏らは、今回の判決が不服であるとして、控訴する方針だ。
官邸前デモなどの撮影で国会記者会館屋上の使用を求める請求が棄却「メディアがメディアを排除する」構図が浮き彫りに http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181952 … @iwakamiyasumi
つくづく記者クラブは国民の為にならないと実感。この人達は自分が嫌にならないのだろうか?
https://twitter.com/55kurosuke/status/522706151612239873