「差別と多民族の排除を許してはいけない。ドイツはホロコーストの歴史で文明の崩壊を体験している。絶対に忘れてはいけない」。
ドイツの首都ベルリンのブランデンブルク門前で9月14日、ユダヤ人差別に反対する大規模集会が開かれ、集会に出席したメルケル首相はホロコーストの歴史を忘れてはならない、と力強く訴えた。集会にはメルケル首相の他、多くの閣僚、ガウク大統領も参列。参加者は5000人規模となった。
(IWJ 原佑介)
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「差別と多民族の排除を許してはいけない。ドイツはホロコーストの歴史で文明の崩壊を体験している。絶対に忘れてはいけない」。
ドイツの首都ベルリンのブランデンブルク門前で9月14日、ユダヤ人差別に反対する大規模集会が開かれ、集会に出席したメルケル首相はホロコーストの歴史を忘れてはならない、と力強く訴えた。集会にはメルケル首相の他、多くの閣僚、ガウク大統領も参列。参加者は5000人規模となった。
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■ハイライト
■全編動画

▲ブランデンブルク門に集まる集会参加者
「ドイツではガザ紛争のあと、フランスやベルギーほどではないにせよ、ユダヤ人やユダヤ関係の施設への暴力行為がたびたび起こっている」
ドイツ在住のジャーナリスト・梶村太一郎氏はそう説明する。梶村氏には岩上安身の単独インタビューに応えていただいたあと、反・反ユダヤ集会の通訳や会場案内などの取材をお手伝いいただいた。
梶村氏は、「ドイツではユダヤへの敵対行為が起これば、メディアを含めてすぐに反応する。そうでないと、『またドイツだ』と、後ろ指をさされる。だからこういう集会が開かれる」と紹介。この集会は、イスラエルによるガザ空爆とは完全に峻別されている、と説明する。
「(テーマは)ドイツ国内で『二度と反ユダヤ主義を許さない』ということで、こういう集会を政府が前線に立ってやるのは、ドイツ独特のもので、他のヨーロッパ諸国にもないことではないか」
集会では、白地に青い六芒星のイスラエル国旗や、ユダヤ教の民族衣装である「キッパー」をかぶる市民らの姿が目立った。

▲ユダヤ教の衣装「キッパー」をかぶる青年
梶村氏は、「ベルリンでは普段、『キッパー』を被って公然と街中を歩く人はいない。すぐにユダヤ系だとわかるから、アラブ系の若者に襲われる可能性が強い。それがドイツ。ここは集会だから例外だ」と述べ、ガザ侵攻によってアラブ系の反ユダヤ感情が高ぶっていると話した。
集会に登壇したベルリン市長のクラウス・ヴォーヴェライト氏は、「この街は反ユダヤ主義と、ユダヤ人への憎しみに対して居場所を与えはしない」と宣言。
「ハマスとイスラエルの悲惨な戦争には議論があり、議論することはいいことだが、ユダヤ人への暴力行為が許されるべきではない」「こんなことを繰り返していては、平和はこない」と訴えた。
メルケル首相は満場の拍手で参加者に迎えられ、登壇した。
「感謝すべきことに、現在のドイツには数十万のユダヤ人が住んでいる。しかし、ユダヤ人だということで、悪口を受けたり、攻撃を受けたりしてはならず、イスラエルへの支持を表明したらユダヤ人が非難される、などということもあってはならない」
そう表明した上で、「ドイツはホロコーストの歴史から文明の崩壊を体験している。これは絶対に忘れてはいけない。今、ドイツに住んでいるユダヤ人は外国人ではない。ドイツはユダヤ人の家なのだ」と訴えた。

▲スピーチするメルケル首相(スクリーン)
さらにメルケル首相は、反ユダヤ主義のデモや集会で、「反ユダヤ主義」のスローガンを掲げることは「言論の自由の悪用」だと断言する。
「憎しみをもって、入院するほどの暴力を加えるというのは、我々全てに対する暴力であり、我々の文化への挑戦である。ユダヤ人への暴力行為を無視してはならない。反ユダヤ主義のような暴力行為はあらゆる法的措置をもって、徹底的に追及する」
最後にメルケル首相は、「私たちがこの戦いを続けることで、我々の意思が我々の社会の外にまで広がることを望む」と訴えた。
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集会後、岩上安身は集会参加者にインタビューを敢行した。

▲岩上安身のインタビューに答えるユダヤ人男性
インタビューに応えたウクライナ出身の在独ユダヤ人の男性は、「今日の集会に参加して、ヨーロッパにおける将来は先が明るいと思った。今後数百年、ヨーロッパは民主的な中でやっていかなければいけない、ということを示した」と話した。
グルジア出身の在独ユダヤ人男性は、「今日の集会は素晴らしかった。ヨーロッパ全体でユダヤ人への暴力行為があっても、多くの人が無視してきた。こうして『無視してはいけない』と示すことは、とても重要なことだ」と感想を述べた。
日本では、慰安婦問題などを中心とした歴史修正主義が蔓延している。関東大震災時の朝鮮人虐殺さえなかった、という言説まで飛んでいる。7月には、集団的自衛権行使容認の閣議決定がなされ、憲法とともに、戦後日本が築き上げてきた秩序や価値観が、一挙に音を立てて崩れはじめた。
ホロコーストの過去を認め、国をあげて「二度と同じ過ちを繰り返さない」との姿勢を強調するドイツ。「戦後レジームからの脱却」というレトリックを用い、都合の悪い過去を覆い隠そうとする日本の安倍政権とは対照的な姿がそこにはあった。
【ベルリン】反ユダヤ主義に対抗する、ドイツユダヤ人協会主催集会 ー独・メルケル首相ほか (動画) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/169062 … @iwakamiyasumi ドイツは過去の過ちから学んでいる。それに比べ、日本は真逆の方向へ突き進んでいる。とても危険で愚かだ。
https://twitter.com/55kurosuke/status/514889058820947968
反ユダヤ主義に対抗するドイツユダヤ人協会主催集会 ー独メルケル首相ほか http://iwj.co.jp/wj/open/archives/169062 … @iwakamiyasumi 反・反ユダヤ主義の集会なのにイスラエル国旗が多く振られてイスラエルロビーのプロパガンダみたいな印象を受けた 話の内容はわからないけど
https://twitter.com/mkshiga/status/515115430776553472