仙台拘置所の小林光弘死刑囚と東京拘置所の高見澤勤死刑囚の死刑が執行されたことに対し、8月29日、公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本を含む4つの人権団体が抗議の記者会見を開き、雨の中、法務省前での抗議行動を行なった。
(IWJ・松井信篤)
仙台拘置所の小林光弘死刑囚と東京拘置所の高見澤勤死刑囚の死刑が執行されたことに対し、8月29日、公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本を含む4つの人権団体が抗議の記者会見を開き、雨の中、法務省前での抗議行動を行なった。
■ハイライト
安倍政権は、昨年4回の死刑執行で8人、今年6月に1人を処刑し、これまでに11人の死刑を執行している。2006年の第一次安倍内閣時の死刑執行と合わせると、安倍総理在任中の2年半あまりの間に通算21人という、近年の政権にはない人数となっている。
「死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90」の深田卓氏は、「(今回の死刑執行は)9月3日に行われる内閣改造の直前であり、執行に関する論議もできず、法相を退くであろう谷垣法相に執行の責任も追及できない時期をあえて選んで行なった、極めて卑劣な執行だといえる」と、この時期の執行に対して厳しく批判した。
小林死刑囚は、2007年4月に死刑が確定し、今年の8月6日に第三次再審の特別抗告が棄却されている。弁護人が次の再審へ向けて、弁護人選任届けの手続きをしている最中での執行だった。拘置所も法務省も、再審を行なうことを十分に承知していた事実があったにも関わらずである。弁護士の小河原優之氏は、9月2日に小林死刑囚に接見する予定だった。
高見沢死刑囚は、2012年10月に死刑が確定した。今年の8月に行われた確定死刑囚へのアンケートでは「再審準備中」と記してあったという。
アムネスティ・インターナショナル日本の事務局長である若林秀樹氏は、国連自由権規約委員会から日本政府へ死刑廃止を含む勧告が出されていることから、「真摯に耳を傾けて改善を行なう必要がある」と述べた。
(…会員ページにつづく)