日本の性的なイメージの歪みが私の逮捕で表れた 漫画家・ろくでなし子さんが逮捕は不当と反論 2014.7.24

記事公開日:2014.7.26取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・石川優)

 自身の女性器を3Dデータ化して配布したとして、今月12日、警視庁は、わいせつ電磁的記録頒布の疑いで、漫画家のろくでなし子さんを逮捕した。

 ろくでなし子さんは、本を出版した経験があり、都内で個展を開催したことがあるにも関わらず、逮捕の際、大手メディアがろくでなし子さんの肩書を「自称芸術家」と報じたことについて、ネット上では、「警察の発表を鵜呑みにしている」として、批判の声があがっている。準抗告が認められ、釈放された後に開かれた会見で、ろくでなし子さんは、「私は信念を持って、活動してきた芸術家です」と「自称芸術家」と呼んだ報道を真っ向から批判している。

■ハイライト

 7月24日、日本外国特派員協会で、ろくでなし子さんによる記者会見が行われた。ろくでなし子さんは、外国人記者に対し、今回の逮捕は不当なものだと改めて訴えた。

「大きな疑問」~男性器と女性器でなぜ、表現が違うのか

 ろくでなし子さんは、日本のメディア空間では、「まんこ」と言ったり表記することが不可能な状況だと述べ、「テレビではノイズを入れ、かき消されたり、発言した女性有名人たちは、番組を降ろされることも実際に起きています」と語った。

 そのうえで、「『ちんこ』、という発話が、特に問題にならないのも大きな疑問です。『まんこ』は紙媒体で伏せ字を使って表記されることがほとんど。そういう女性器、わいせつ。隠して当たり前という常識と、その弊害についてあらためて疑問を提示するために、私は活動を続けてきた」と、日本の各種メディアが男性器と女性器を差別しているとして、現状に疑問を呈した。

性産業が認められて、スキャンデータはなぜ駄目なのか

 ろくでなし子さんは、女性器の表現に関する矛盾点について、電車の中吊り広告を引き合いに出す。「子どもや色んな人が見る場で、わいせつな文章で煽ったりしている広告が、堂々と出ている。それこそ、見たくもないのに見させられる方が、不愉快ではないか」

 その一方で「『まんこ』に、悪いイメージを与えている、その見方こそ男性目線的」で疑問だと主張した。

警察は「クラウドファンディング」というシステムを明確に把握していたのか

 ろくでなし子さんは、今回の逮捕劇について、そもそも警察は、クラウドファンディングについて、明確にシステムを知っていたのか、疑問に感じたという。

 今回の逮捕は、事前に警告されたものではなく、突如、自宅に捜査員が押し入り逮捕されたという。ろくでなし子さんによれば、去年から週刊誌等では、女性器特集が組まれ始め、ろくでなし子さんの活動を紹介することもあった。特集では、今回、ろくでなし子さんが逮捕されたのと同様、女性器の3Dスキャンデータについての特集もあったが、なぜか、ろくでなし子さんだけが逮捕された。

 逮捕された時に読まれた罪状を振り返り、「この人達は、クラウドファンディングの事を理解していないなと思って、私の方から説明した。何回も説明してもわかっていなくて、供述書の2回目ぐらいでやっと理解したようだった」と、ろくでなし子さんは語る。

 逮捕のきっかけになった3Dスキャンデータは、ろくでなし子さんが、自身のホームページで呼びかけたプロジェクトに賛同した人だけが閲覧できるものだった。公開期間も7日間限定で、呼びかけたプロジェクトにいくら寄付したかで、リターンが決まっていたもので、3Dスキャンデータは、3000円を寄付した人だけが閲覧できるものだった。さらに、ダウンロード形式のため、閲覧したくない人は見れない仕組みになっていたという。

起訴されれば、信念を貫き最高裁まで争う

 現在は、準抗告が認められ、釈放された段階のろくでなし子さん。仮に、起訴された場合について問われると、「信念を貫き、最高裁まで争う」とだけ笑顔で答えた。

 留置所での経験については「人権を無視したとてもひどいところ。まだ、犯罪者と確定されたわけではない人もいる」と語り、検察庁と裁判所で受ける待遇の差について語った。「待合室のような場所で、検察庁では手錠を掛けられていても、片手を外してもらえるが、裁判所では、それが認められず、手錠もきつく締められて、指が痺れて痛いと言っても、我慢しなさいと言われた」と、逮捕された後にうけた待遇について話した。

警察が「自称芸術家」と呼んだことについて「もっとひどいことをされたので、驚かない」

 警察がろくでなし子さんを、「自称芸術家」と呼んだことについて、ネット上をはじめ多くの議論を呼んだ。大手メディアは警察発表を鵜呑みにして、肩書を「自称芸術家」と報道した。その後、ろくでなし子さんは釈放されると、「自称」を取り、肩書を「芸術家」に変えた。

 会見で、ろくでなし子さんは、「自称芸術家と書かれるかもと思っていた。ひどいことをされていたので、それぐらい言うだろうと思った。外に出てきた時に、多くの方が、これについて怒ってくれたので、私が逆にビックリして、嬉しかった」と話した。

※お断り
「女性器の3D画像を送信することが、犯罪に相当するかどうかについても、賛否が分かれるかと思いますが、同時にろくでなし子さんが記者会見で口にした、女性器の俗称をそのままの表現で表記することにも、賛否があろうかと思われます。ここでは、ろくでなし子さんが問題提起された、その事実を、まずはありのままお伝えして、お考えいただく機会としたいと考え、そのままの表現で表記しました。ご了解下さい」
文責:岩上安身

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入よりご覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 300円 (会員以外)

関連記事

「日本の性的なイメージの歪みが私の逮捕で表れた 漫画家・ろくでなし子さんが逮捕は不当と反論」への1件のフィードバック

  1. @ARATANONUKESさん(ツイッターのご意見より) より:

    日本の各種メディアが男性器と女性器を差別している

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です