悲劇が重なった。偶然にか、狙いすましてのことか。今の時点では判然としないにしても、である。
マレーシア航空機777便が内戦下の東ウクライナ上空で撃墜されたとされるのが、17日午後11時15分(日本時間)頃。イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの地上軍侵攻に踏み切ったとされるのは、18日午前4時30分頃。
一部では、マレーシア航空機撃墜に国際社会が目を奪われている間に、それを隠れみのにしてガザへの地上軍侵攻を決行したのではないか、という観測も一部に流れているが、今のところ推測の域を出ていない。
これまでであれば、東ウクライナやパレスチナで何が起きようとも、邦人の犠牲者が出ない限り、日本人は「他人事」ですませられたかもしれない。しかし、集団的自衛権の行使容認を安倍政権が閣議決定し、武器輸出三原則を解除して、武器の共同開発・生産・輸出を猛然と開始し始めた今、こうした事態を「他人事」として傍観することは許されない。
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パレスチナ人の犠牲者はすでに410人超え
▲写真:Wikimedia Commonsより:User:Lindton Rexhepi
イスラエル軍は8日からガザに空爆を行っていたが、「テロ行為を支えるインフラに著しい打撃を与える」として、地上部隊による作戦にふみきった。
イスラエル国防軍によるガザへの攻撃作戦は熾烈を極め、AFPは、19日の時点で、パレスチナ側の死者が300人を超えたと伝えている。また、ロシア・トゥデイの報道によれば、7月20日の時点で、死者は355人にものぼるという。
※2014/7/19 AFP「ガザ地区の死者300人超える」
さらにAFPは7月20日の21時に配信した記事の中で、パレスチナ側の死者が410人になったことを伝えている。
※2014/7/20 AFP「ガザ情勢、パレスチナ側の死者400人超える」
これに対し、ガザに拠点を置くイスラム組織ハマスも、「イスラエル軍による地上侵攻の開始は危険な一歩だ。占領者は高い代償を払うことになる」とする声明を発表するなど、徹底抗戦の構えを見せている。
国連機関によれば、5万人のパレスチナ人が攻撃を逃れ避難を求めている。国際社会では、ガザで1400人以上の死者(その多くが一般人)を出した2008~09年の空爆と地上戦の二の舞になるのではないかと、懸念の声が高まっている。
※2014/7/19 BBC「Gaza conflict: Casualties mount amid fresh violence」
イスラエルが「テロ組織」呼ばわりして目の仇にするハマスは、選挙で選ばれた与党
経過をふり返ってみる。
イスラエル軍がガザ全域に対する空爆を始めたのは、7月8日だった。ハマスの軍事拠点や、ハマス関係者の自宅などを標的として空爆を行っていると、イスラエルは称している。
6月中旬以降、ガザからイスラエルへのロケット弾による攻撃が続いており、ガザの空爆はそれに対する報復措置であるというのが、イスラエルの主張である。
イスラエルが目の仇にするハマスとは、何者なのか。
イスラエル主義を掲げる国際的な政治組織・ムスリム同胞団のパレスチナ支部として設立された。正式名称は、イスラーム抵抗運動。その頭文字をとり、Hamasと略称される。イスラエルやアメリカからはテロ組織扱いだが、2004年12月のパレスチナ議会選挙で過半数の議席を獲得し、2006年1月のパレスチナ評議会選挙でも過半数を占めている。れっきとした政党である。ただし、その政党に軍事部門が併設されているところが、イスラエルやアメリカは許せないのだ。
イスラエルはハマスの拠点を攻撃すると主張しており、一般市民の犠牲を避けるよう努力していると言っているが、実際にはイスラエルによる空爆による死傷者は、ハマスのメンバーだけにとどまらない。むしろ、子どもたちを含む一般市民の犠牲者の方が圧倒的に数が多い。
空爆開始直後から、子供の犠牲の多さが懸念されていた。10日のワシントン・ポストの報道によると、少なくとも83人以上の人が死亡し、そのなかには16歳以下の子供が21人含まれている。ワシントン・ポストはこの83名の名前と年齢を公開している。そこには、1歳半の子供まで含まれている。そして、空爆から10日が経過した18日には、死者は240人以上、負傷者の数も1600人以上に膨れ上がっている。
これは地上軍侵攻前の犠牲者数である。前述したように、2日目で犠牲者は355人に達しており、その数は刻一刻と増えていくと思われる。
※2014/7/10 ワシントン・ポスト「ガザで21人の子供が殺された」
※2014/7/9 ロイター「イスラエルのガザ空爆で23人死亡、長期化や地上侵攻の可能性も」
2対355、吊り合わない「戦果」
ハマスがロケット弾を撃ち込み、それに対してイスラエル軍が応戦しているのだから、おあいこだろう。喧嘩両成敗であり、どっちもどっちだ、という見方がある。しかし、「ロケット弾」「空爆」と並べると、同等の攻撃に聞こえるが、その「戦果」は、まったく同等ではない。
10日時点でのアルジャジーラの報道によると、パレスチナ側の死者は88人、負傷者は数百人となったが、イスラエル側は2人の負傷者が出ただけであった。イスラエル側の死者はこの時点ではゼロだった。
15日にはイスラエルとガザの境界にある検問所そばで、着弾したロケット弾の破片が市民を直撃し1人が死亡。18日には、地上戦によって、初めてイスラエル兵1人が死亡した。ついにイスラエル側に死者が出た。ハマスはやはりテロリストなのだ! イスラエル側は色めきたったことだろう。しかし、この時点でパレスチナ人の死者は先述したように355人を超えている。2対355。どう見ても吊り合わない。攻撃力の差は歴然としている。イスラエル軍とハマスの戦いを、紛争と呼ぶにしても、それは極端に非対称で一方的な「紛争」である。
イスラエルによる空爆開始を受けて、日本政府は「ガザの一般市民に死傷者が発生している事態を深く憂慮」するという見解を7月9日に示している。
※2014/7/9 外務省サイト「最近のガザ情勢について(外務報道官談話)」
しかし、その「憂慮」の原因の一端を、自身も加担して作り出していることには触れていない。日本は、武器輸出三原則を廃し、集団的自衛権の行使が可能な国へ大胆にステップを刻んだ。今後、自分で種を蒔いた「憂慮」に繰り返し苛まれることは必至だ。
ガザとは~その歴史的背景
ガザ地区は、パレスチナ地方の地中海東岸に位置する地域である。幅が10km、長さ約40kmの細長いかたちをしており、360平方km程度の狭い土地で、ここに170万人ものパレスチナ住民がひしめいている。北部の難民キャンプは、人口密度が世界一高いとも言われる。現在は、イスラエルによる占領が続いている。
雑誌より速く、テレビ・新聞より、はるかに深いニュース解説。声に出して読みたい。
FRBはユダヤ系アメリカ人の総裁と元イスラエル中央銀行総裁が副総裁だ。このような国がパレスチナを擁護する訳もなく、イスラエルが攻撃されることだけを非難するのは当たり前。
武器商人の集まりヘリテージ。世界の金融を操るロックフェラー・ロスチャイルド。これらはイスラエルに武器を売り実験場にしている。
逆にイスラエルが持つ機器特許など(インクジェットプリンターのノズル部分等多くの特許を所持している)を利用して利益を得ている企業群。
結論:支配国家アメリカはユダヤ人に支配され、その支配国家に牛耳られている西側国家はそれに従わなくてはならないことに成っている。
日英仏独全ては『生き永らえて行く為』、支配されている。
日本による米国債1220兆円保持も、パレスチナ・ウクライナ攻撃に使われている。日本人の税金が虐殺に使われているのだ。
20世紀初頭に決められたシオニストと西側国家(英米)による「彼の地」への権利は、パレスチナ人を抹殺することを決めている。
アメリカはこの地が何時までも紛争地帯である事を望んでいる。
今起こっていることをこうしてまとめて読むと、あまりの悲惨さに言葉を失います。
この国の政府が暴力に加担しようとすることが悲しく悔しい。
今、知っておく事実が、まとめられている。