2014年7月5日(土)20時より、滋賀県草津市の追分自治会館で、滋賀県知事選挙に立候補した元内閣参事官、小鑓隆史(こやりたかし)候補(無所属、自民・公明・維新・みんな推薦)の個人演説会が行われ、古屋圭司国家公安委員長(自民党衆議院議員)、武村展英衆議院議員(自民党)らが応援に駆けつけた。
7月13日(日)投開票の滋賀県知事選挙は、安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定してから、最初に行われる知事選挙になる。立候補者は小鑓隆史候補、坪田五久男(いくお)候補(無所属、共産党推薦)、嘉田嘉子滋賀県知事が後継者に指名する三日月大造候補(無所属、前民主党衆議院議員)の3人。有権者が安倍政権にどのような意思表示をするのか、注目が集まっている。
古屋議員は、国土強靭化基本計画について説明した上で、「今後、地方版の国土強靭化計画を、知事が策定していく必要がある。小鑓候補は経産省や内閣府にいた経験から、きちんと策定して実行できる」と期待を寄せた。
小鑓候補は自身が掲げる政策目標「3本の槍」について、「アベノミクスの3本の矢と、この3本の槍が一緒になって、はじめて滋賀県の再生につながる」と語り、政策面でも国との密接なつながりを強調した。
- 日時 2014年7月5日(土)20:00〜
- 場所 追分自治会館(滋賀県草津市)
- 候補者ページ こやり隆史
「3本の槍」による経済再生
演説会の前半は滋賀県の現状報告と、小鑓候補を紹介するプロモーション映像を上映した。その内容は次のようなものだ。
「滋賀県の税収は7割に減収。小学校の学力テストは全国46位。少ない警察官。重要文化財指定件数が全国4位にもかかわらず、低いブランド力。そんな滋賀県に恩返しをと立候補した小鑓候補は、京都大学大学院卒。今年2月に経済産業省を退職。在職時にはアベノミクスの成長戦略策定に携わった」。
政策については、「NEXT滋賀、成長戦略をキーワードに、経済活力を取り戻す。女性、若者、高齢者の力を生かす。社会資本、インフラ整備をやり抜く。それらを、3本の槍にたとえている。アベノミクスの経済波及効果が、まだまだ地方と中小企業には行き届いていない。小鑓候補は、滋賀県の経済再生を訴えている」。
次に、竹村勇氏(草津市議会議員)がスピーチに立った。「草津市では、重点項目26件を含む46項目の要望を、4年間にわたって滋賀県へお願いし続けている。だが、草津市内の県道の改善も据え置きのままだ」と語り、「小鑓候補の県政に期待する」と話した。
西垣和美氏(草津市議会議員)は「今回の知事選は、与野党を越えて小鑓候補を応援する。公明党の山口代表自らが、小鑓候補に推薦状を手渡したことは、滋賀県政への期待を表している。経済を、国とともにスピード感をもって進めていくためには、小鑓候補が知事にふさわしい」と述べた。
「三日月候補は、新駅について考えを表明すべき」
岐阜県選出の衆議院議員で、国家公安委員長、内閣府特命担当大臣(防災)の古屋圭司氏が登壇した。古屋氏は「私が経済産業副大臣だった12年前、小鑓候補は経産省中小企業庁にいて、その優秀さを覚えている」とスピーチを始めた。
「滋賀県は、県民所得が全国2~3位。自然災害による犠牲者は全国で最少。住宅の耐震化は全国8位だが、警察署の耐震率はワースト2位だ。それを嘉田知事には厳しく指摘した」と述べ、「今回の知事選は、嘉田知事の後継者、三日月大造候補との一騎打ちだ。三日月候補は、東海道新幹線の栗東新駅(建設凍結)について態度を保留している。反対なら反対と言うべきだ。また、リニア新幹線も見据えた長期的視野で、滋賀県政の手綱取りも必要だ」と述べた。
知事は地方版国土強靭化計画の策定も
古屋氏は、6月3日に閣議決定した国土強靭化基本計画について、「40ほどある基本計画の中でも、最上位にあたる。この計画の基本理念は、人命の保護、国家や社会に致命傷を負わせないこと。被害はできるだけ食い止め、すみやかに復旧させること」と語った。
「これを基にして政策に優先順位をつけ、すみやかに実行する。常に政策の見直しをやり、税金を使うだけでなく民間活力も利用する。平時にも、災害などの有事にも使い、成長政策につなげていく。決してバラマキではない」。
さらに、「地方版の国土強靭化計画を作ることも明記した。今後、知事が地方版の国土強靭化計画を策定していく必要がある。小鑓候補は経産省や内閣府にいた経験から、滋賀県ならではの地域版強靭化計画を、きちんと策定して実行できる。ぜひ、投票に行ってほしい」と訴えた。
県議会は、ねじれ解消を期待
次に、橋川渉草津市長からの応援メッセージがを読み上げられた。「政策を実行するリーダーシップが必要だ。アベノミクス策定に関わった経験をもとに、県政を委ねるにふさわしい小鑓候補の健闘を祈る」。
続けて、奥村芳正氏(滋賀県議会議員)が「嘉田知事の県政も評価はされているが、環境行政だけではダメ。昨年の台風被害では死亡者を出した。県議会と知事のねじれ、13市6町とのねじれも解消して、経済政策、教育、福祉、インフラ予算を獲得できる小鑓候補を望む」と語った。
武村展英氏(自民党衆議院議員)は「小鑓候補について、『中央の構図をそのまま持ち込む、国の言いなりになる候補』などと批判されているが、まったく違う。自分は、山手幹線国道1号線バイパスの整備を訴えたが、国交省に『県から要望が来ないから、予算がつかない』と言われた。そのために、ねじれを解消すべきだ」と語った。
3本の矢と3本の槍
最後に、小鑓候補が演説に立った。アベノミクスの策定に携わった実績をアピールし、「地域再生に全力で取り組むため、滋賀県知事選挙に立候補した」と話し、次のように主張した。「豊かな自然、文化、もの作りの技術、地の利、人口増加のある県は他にはない。だが、今は停滞している。行政サービスをしっかりさせるためにも、まず経済再生。そのためにも、財政確保が必要だ」。
そして、「台風被害で明らかになった河川の整備。幹線道路の渋滞。教育の改善。滋賀県の、地の利をもっと磨かなければならない。3つの経済圏から人を呼び込む政策は、3本の槍だけでは不十分。アベノミクスの3本の矢と3本の槍が一緒になって、はじめて滋賀県の再生につながる。前に進む滋賀県政の扉を、開けさせてほしい」と支持を訴えた。
最後に、奥村次一氏(草津市議会議員)が「小鑓候補には、国からの太いパイプをもらい、住民の要望をきっちり実行できる県政を期待したい」と述べて終会した。