2014年9月、原子力規制委員の島崎邦彦氏と大島賢三氏の2人の任期が切れることにともない、政府は、日本原子力学会元会長の田中知・東京大学教授と地質学者の石渡明・東北大学教授を新たに起用する方針を示した。
原発再稼働の前提となる適合審査に厳しい姿勢を貫いてきた島崎委員らが去ることで、再稼働に向けた動きが加速することを政府、電力会社は期待しているという。そんな中、首都圏反原発連合は6月1日、国会前で「川内原発再稼働やめろ! 0601官邸・国会前☆大抗議」と題した反原発抗議行動を国会前、首相官邸前の2ヶ所で開催し、再稼働反対の声をあげた。
- 日時 2014年6月1日(日)
- 場所 国会議事堂周辺/首相官邸前(東京千代田区)
- 主催 首都圏反原発連合(詳細)
避難対象になっていない13,000人の入院患者と施設入居者
国会前では集会が開かれ、国会議員や、全国の原発立地地域で脱原発運動に取り組む市民らがスピーチした。
民主党国会議員で元総理大臣の菅直人氏は、福井地裁で大飯原発差し止め訴訟判決を傍聴していたという。「すごい判決だった。あんな事故があっても、まだ大丈夫だという関電や政府の言うことは信用できない。国富の流出は、お金が外国にいくことばかりではない。日本で安心して生活できることが国富。放射能によって国富が失われている」と語った。
日本共産党の志位和夫委員長は、鹿児島県の川内原発について、火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣・東京大名誉教授の見解を引用し、「超巨大な火山噴火による火砕流が何度も襲った場所だが、火山の超巨大噴火の予知は現代科学でも不可能だといわれている。原発運転中に噴火があるともないとも言えない。だから立地は許されない。川内原発は廃炉しかない」と訴えた。
日頃、鹿児島県で「原発なくす全国連絡会」として活動している馬渡耕史氏は、「川内原発の30キロ圏内には13,000人の入院患者と福祉施設の入居者がいる。そして230の病院があるが、この人たちは避難の対象になっていない。今の避難計画だと、車1台に2人乗って逃げる計算で、9割は29時間後には避難できる、というもので、そこに病人は入っていない」と、避難計画の杜撰さを指摘した。
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