郷原信郎弁護士インタビュー 2010.1.13

記事公開日:2010.1.13取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)

 2010年1月13日(水)、東京都港区の郷原弁護士事務所にて、IWJ代表 ジャーナリスト 岩上安身の、元検事で弁護士 郷原信郎氏へのインタビューが行われた。先の1月10日、「サンデープロジェクト」のオンエア中、小沢幹事長への政治団体「陸山会」の政治収支報告書に、4億円の記載がない、これこそが小沢氏の「疑惑のカネ」の焦点だったはずが、郷原氏は、記載はあると官報を見せ騒然となった。

 岩上は、郷原氏にこの一連のマスコミの報道のあり方、そして検察と疑惑の真相などを聞いた。

■ハイライト

 まず、岩上が、小沢幹事長をめぐるマスコミの足並みがそろった報道姿勢に疑問を持っている。郷原氏に小沢幹事長をめぐる事件は、本当に事件性があるのか、また、この報道にあり方について郷原氏に、意見を求めた。郷原氏は「当初、収支報告書の記載が、2004年に土地の代金が支払われていたのに、翌2005年の取得時になっていた。それで、2004年の購入代金の原資が問題になっているのかと思って調べたら、その2004年の購入資金は小沢氏からの借入金として記載が残っていた」。岩上が「ではマスコミはちゃんと調べず報道していた」。

 郷原氏がそれに続けた。「いや、司法記者クラブの記者とかに聞いてみたら、問題はもっと深いところにあった。その説明は、捜査機関から詳しく聞かないとわからないし、その類の話が公にどんどん出てくるのはおかしい。あまりにも実態とかけ離れた次元で騒がれている」と現状を指摘した。

 岩上が「検察のリークはグレーな部分も多い、その裏取りもしないでまさに真実のように断定し、報道を続ける。リークする側でも国家公務員法の守秘義務違反にあたり懲役もある。これがさも当たり前のようにまかり通っている現状は、きわめて政治的な捜査であり、報道だ」と述べ、郷原氏に元検察から見た事件性の是非を問いた。

 郷原氏は「事件性は少ないが、あっても微罪。だから、小沢氏が払った4億円の内容について早く明らかにするべきだ。今回は、検察の正式な捜査は、まだ何もなかった。強制捜査が行われているわけでもない。マスコミが一方的に騒いでいるだけ。しかし、その中身を見てみたら、何が処罰すべき事件なのかも分からない程度のものだった。それを小沢氏が説明しないから、まだまだくすぶっている。それが逆に、石川さんが刑事責任を問われかねないような状況になっている」と答えた。

 岩上が「また匿名ブロガーの『世に倦む日々』では、郷原先生は間違っていると、指摘する。なぜなら、これは法の問題ではない。そもそも政治である。マスコミも、官僚も、検察も、全力を挙げて政治的に『小沢一郎』という存在を葬り去ろうとしている、ということだ。これについてはどう思うか?」と質問した。

 郷原氏はそれに答えて、「私は大久保秘書逮捕の時には、一体何を根拠にやっているか、なぜそれが政治資金規正法上、重大な犯罪と言えるのか、と、いろんな問題があるということを指摘してきた。違反の正否自体も問題であるということを言った。そういった指摘をすることで、政治的な動機で捜査が行われていると、国民に気づかせることができたとも思っている」と話した。

 1月10日、「サンデープロジェクト」のオンエア中、その「椿事」は起きた。

 民主党の小沢幹事長の政治団体「陸山会」の政治収支報告書に、世田谷の土地購入に充てたはずの4億円の記載がない、これこそが小沢氏の「疑惑のカネ」の焦点なのだ--。

 様々なメディアで、そう報じられ、番組でもその線に沿って、政治家や解説者らが居並ぶ中、トークが進んでいったのだが、出演者の一人、元検事の郷原信郎弁護士が、「4億円の記載は、あるんです」といって、官報のコピーを取り出して見せたのだ。

 「小沢氏が、当時の秘書の石川知裕衆議院議員に渡した現金4億円について、収支報告書に記載されていなかった。その記載漏れが政治資金規正法違反に相当する」。主要メディアは、検察側のリークとおぼしき情報にもとづいて、そうしたストーリーを流し続けてきた。それを前提に話を進めていたパネラーらは動揺を隠せない。今までの報道は、いったいなんだったのか。

 翌日の新聞各紙には、この報道を訂正するように、詳しい図解入りの解説記事が掲載された。「銀行から小沢氏名義で融資を受けた4億円については、記載したが、石川議員が小沢氏から受け取った4億円の現金については記載されなかった」という複雑な話になっている。情報の出所はどの新聞も明らかにしていないが、こんな詳細な話を各新聞が足並み揃えて報じるためには、捜査関係者からのレクチャー抜きにはありえない。しかも捜査関係者しか知りえない、石川議員の任意の聴取内容まで、リークされている。

 こうしたリーク報道を、郷原弁護士は、かねてより「当局によって都合の良い情報だけが一方的に報じられるという点で、戦時中の『大本営発表』とよく似ていると言うべきであろう」(日経ビジネスONLINE「ニュースを斬る」2009年3月17日)と、厳しく批判してきた。だが、そうした批判は、現在の主要マスメディアの耳には、届かないらしい。

 私は、詳しい話を聞くべく、取材を申し入れ、1月13日、郷原弁護士の事務所に向かったが、到着した、まさにそのタイミングで、携帯に「陸山会」の事務所をはじめ、小沢氏の関係各所に強制捜査が入った、という通信社からの速報が入った。

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