2012年4月22日(日)、東京都の江戸川区総合文化センター研修室で行われた、「市民と科学者の内部被曝問題研究会 総会&シンポジウム」の模様。
この日市民と科学者の内部被曝問題研究会(ACSIR:Association for Citizens and Scientists concerned about Internal Radiation exposures)の第一回総会、並びに記念講演、シンポジウムが開催された。また閉会後に懇親会も行われ、岩上安身・IWJ代表がインタビューを行った。
同会の趣旨は今まで隠されてきた内部被曝による被害を研究し、放射線が人体に与える影響を内部被曝の観点からも調査、研究していくことであるとしている。また会名に「市民」という言葉が入っている理由は、「市民の安全に生きる権利が認められるべきで、そのためには放射線被曝に関する正しい知識を持った主権者としての市民の力を確立しなければならない」としている。
総会では会員が5つの部会(健康被害・医療部会、汚染・環境実態調査検討部会、疫学・物理・生物・化学的研究部会、政治・経済・法律・哲学思想を含む歴史と背景研究部会、セミナー・出版検討部会)に分かれ、自己紹介などをはじめ議論が行われた。
シンポジウムではまず肥田舜太郎氏が登壇。原発事故で拡散した放射線を危惧し、「これからの一番大事なことは、孫ひ孫のために原発を止めて綺麗な日本を残すこと。今苦しんでいる人たちを励まして、明るく生きる道を一緒に作っていくことです」と説いた。原爆を実際に経験し、数多くの被爆者を診察してきた肥田氏は力強い演説を行った。
沢田昭二氏(物理学者)は、アメリカの核戦略に基づくずさんな放射線研究体制を問題視し、同会で内部被曝にもスポットをあてた研究を充実させることを説明。また学者だけでなく市民もスピーチし、多様な視点から内部被曝にアプローチした。
「これからの一番大事なことは、孫ひ孫のために原発を止めて綺麗な日本を残すこと。今苦しんでいる人たちを励まして、明るく生きる道を一緒に作っていくことです」