シンポジウム「革新は生き残れるか Part4」~日本の平和と民主主義が危機に瀕している 2014.1.13

記事公開日:2014.1.13取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/奥松)

特集 憲法改正

 「この1~2年のうちに、戦後69年で一番の大きな分かれ道が来る。安倍政権打倒のためには、寛容と民主主義の精神を持って、国民的共闘を」──。

 1月13日、京都市下京区のいきいき市民活動センターで、りぼんネット主催によるシンポジウム「『革新は生き残れるかPart4』いま歴史のうごくとき。」が行われた。聴濤弘(きくなみひろし)氏は、今の日本は危機的状態であるとの認識を示し、政権打倒に向けた国民的共闘が必要と指摘した。

■全編動画 1/2 ※配信状況により、録画が一部欠けております。何卒ご了承ください。

■全編動画 2/2

  • 講師 聴濤弘氏(元参議院議員)
  • コメンテーター 角橋徹也氏(都市プランナー、元大阪革新懇事務局長)、塩崎賢明氏(立命館大学教授)
  • コーディネーター 碓井敏正氏(京都橘大学名誉教授)
  • 日時 2014年1月13日(月)
  • 場所 いきいき市民活動センター(京都府京都市)
  • 主催 りぼんねっと

安倍政権打倒には国民的共闘が絶対条件

 聴濤氏は『いま歴史のうごくとき』と題したことに関して、「日本が、安倍政権の軍国主義的な道を進むのか、それとも、平和民主の道を進むのかの分かれ道である。戦後69年で一番の大きな歴史的瞬間が、この1〜2年に来ると認識しているから」と述べた。さらに、私たちが何をしなければならないかについて、「安倍政権打倒のための、国民的な対抗軸を作っていくことが重要である。一党でなせることではなく、国民的共闘を作らない限り、安倍政権を打倒することはできない」と指摘した。

 安倍政権に対する見方に関して、「安倍政権は、国民との矛盾をますます深めている。秘密保護法もそうだし、アメリカからは不快感まで表明されている。ということから、『安倍政権は、もろい』という見方がある。しかし、私はそうは思わない。矛盾を深めていることは明らかだが、国会で多数の議席を持っている。その力で、自分たちのプランをごり押しして行くのが彼らの姿勢だから、この危険性を直視しなければならない。矛盾が深まっているから、もろいという認識では、今の局面を戦っていけない。現に、安倍政権は、集団的自衛権の行使容認を、この4月にやると言っている」と述べた。

統一戦線を作り上げるには寛容の精神を

 聴濤氏は、安倍政権の軍事国家作りに終止符を打つための、国民的共闘に向けた考え方について、「ひとつは、市民レベルの運動が非常に大きく発展し、これが政党を動かし、政治を動かす力になること。2番目には、政党が本気になることである。政治戦線のレベルで連合勢力を作っていくことを、政党は真面目にやらなければならない。3番目は防衛政策を練り上げる必要がある。安倍(首相)はけしからんが、それに代わる防衛政策を持つことは、運動やっていく上で非常に重要である」と指摘した。

 さらに、統一戦線は、ある党の支持者と同調者だけで作るものではないとして、「相手の立場を認め合う。認めた上で、ある課題で統一して敵を倒すことが統一戦線である。違う立場も認めるという寛容の精神と、民主主義の精神がなければ、統一戦線を作るのは非常に難しい。それには、戦後左翼の歴史的和解を図ること。そして、市民と共闘していくことは非常に大事である。さらに、今では、ここに保守の人も入れるわけだから、その力も結集することが、安倍政権と戦っていく上で一番重要なことである」と訴えた。

地方から統一戦線の芽を育てていく

 角橋氏は、将来の統一戦線結成につながる動きがあることに触れ、「神戸、大阪に現れた、首長選挙での『よりましな候補擁立の動き』である。統一戦線とは、もともと考え方の違うものが、大きな壁に向かって一緒にやろうということである。そうすると、首長選挙において統一戦線を組む場合には、いろいろな政策や思いは違うが、『よりましなもの』『ベターなもの』を目指して、一緒にやろうという取り組みをしなければならない」と述べた。

 さらに続けて、「目指すのは、国政レベルにおける壮大な統一戦線。それは、ただちに無理であれば、今進行している地方の統一戦線を大事に育てて、地域における連合勢力の総結集のために、奮闘していくことが大事である。すでにそれは始まり、あちこちに芽が出ている」と述べた。

共産党は理論追求ではなく、現実の生活を変えることに目を向けるべき

 塩崎氏は、統一戦線の問題について、神戸市長選を例に挙げて、「そばで見てきて、戦況を支えた市民の運動は非常に素晴らしい。あれを日本中で行えば、本当にいい国になる」と評価した。一方で、共産党の対応について、「一般の市民でもわかるような、現実の政治を変えることに本気でない。何に本気かというと『俺たちは正しいかどうか』である。政党全体では『自分たちが正しいことを、いずれ歴史が証明する』ということに、ものすごく執着している」と指摘した。

 さらに、塩崎氏は保守の対応と比較しながら、「保守の方が、戦線統一するのがうまかった、ということ。保守の人は、理論はどうでもいい。現実に、政治をどうやって自分たちが握っていくのかが重要と捉え、そのためには誰とでも手を組んだ。日常社会では、普通のことである。嫌な人とも仲良くしないと仕方がない。そういうことをまったくしないで、『歴史が(自分たちの)正しさを証明する』という態度には、根本的な間違いがある」と断じた。

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「シンポジウム「革新は生き残れるか Part4」~日本の平和と民主主義が危機に瀕している」への1件のフィードバック

  1. @toshipiko1さん(ツイッターのご意見より) より:

    国家安全保障基本法、第4条、国民は、国家を守る義務がある。→徴兵制になるぞ!第8条、自衛隊は公共の秩序の維持にあたる。→銃口を国民に向けてくるぞ!第10条、集団的自衛権を行使する。→地の果てまで戦争!

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