取りまとめ段階にある政府の難病対策の見直し素案に対し、1日、神経難病6団体が厚生労働省に陳情を行い、共同で要望書を提出。その後、記者会見が開かれ、同団体らは「軽症者外し」や重症患者に自己負担を求める見直し案は患者の生活実態を反映していないと抗議。延命治療を諦め、自ら「死」を選ぶケースが今後増えるのではないかと懸念を示した。
(IWJ・ぎぎまき)
取りまとめ段階にある政府の難病対策の見直し素案に対し、1日、神経難病6団体が厚生労働省に陳情を行い、共同で要望書を提出。その後、記者会見が開かれ、同団体らは「軽症者外し」や重症患者に自己負担を求める見直し案は患者の生活実態を反映していないと抗議。延命治療を諦め、自ら「死」を選ぶケースが今後増えるのではないかと懸念を示した。
■ハイライト
これまで医療費助成の対象としてきた難病の疾患数を56から300以上へと大幅に拡大するほか、医療費の自己負担の割合を3割から2割に減らすなど、政府案には評価できる点もある。しかし一方で、「公平かつ安定的な仕組み」にするとして、重症患者の医療費全額支給を廃止し、世帯に一定の収入があれば、所得に応じて自己負担を求めていく方針を打ち出している。
「社会保障制度の充実をかかげ、来年消費税が上がる。助成対象が広がるのはいいことだが、それによって重症患者に自己負担を求めるのはおかしな話だ」
記者会見に臨んだALS(筋萎縮性側索硬化症)協会事務局長の金沢公明氏はこのように述べ、これまで医療費の助成を受けてきた患者に新たに経済的負担を求めることは生活の破綻を意味し、見直しをめぐっては議論があまりにも不足していると指摘した。医療費が全額免除されているとはいえ、重度のALS患者は民間サービス利用料の支払いに、月々約6万円の自己負担がすでに生じており、制度見直しによってさらに支払いが増えれば、呼吸器をつけるといった「生きる」選択を断念する患者が増えるのではないかと危惧されている。
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