「生き残るためには、自分たちで知識を身につけること」 〜第15回あかいわエコメッセ アーサー・ビナードさん原発を語る ~絵本『ここが家だ』朗読~ 2013.8.18

記事公開日:2013.8.18取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年8月18日(日)14時より、岡山県赤磐市の桜が丘いきいき交流センターでの「第15回あかいわエコメッセ」において、「アーサー・ビナードさん原発を語る ~絵本『ここが家だ』朗読~」が行われた。詩人のアーサー・ビナード氏は、核開発の歴史の裏側に核利権者のペテンがある点を説明し、その歴史のペテンを一人ひとりが見抜く必要性を訴えた。

■開会の挨拶等 1/2

■開会の挨拶等 2/2

■アーサー・ビナード氏講演会 1/2

■アーサー・ビナード氏講演会 2/2

 はじめに、ビナード氏は、愛媛県の伊方原発の再稼働の動きを問題視し、それを契機に原発再稼働の動きが加速する可能性を危惧した。続いて、広島の原爆による低線量被曝と健康被害の因果関係をごまかし続けてきた、原爆傷害調査委員会(ABCC)や国際原子力機関(IAEA)の姿勢を問題視し、「原爆が投下された時から現在まで、利害関係者によるごまかしの歴史があった。被曝している人たちは、決まって弱い立場に置かれてしまう」と憤った。

 次に、米国の画家であるベン・シャーン氏が第五福竜丸の悲劇を描いた一連の絵に、ビナード氏が文章を添えて作り上げた絵本『ここが家だ』の読み聞かせをした。その上で、「国防総省という、アメリカの人殺し組織によって、第五福竜丸の23人の乗組員たちは、人工的に作られた、この世で最も悪質で手に負えない放射性物質を、意図的に浴びせられて、殺人の対象になってしまった。『放射能病』という言葉は、この犯罪をごまかすために使われたものであり、言葉によるペテンである」と断じ、「放射能病」という言葉が、責任を隠すための隠れ蓑の役割を果たしていると解説した。

 また、内部被曝の影響に時差があることを指摘したビナード氏は、「福島第一原発事故当時、民主党の官房長官だった枝野幸男氏が『直ちに影響がない』と発言したのは本当である。今は平気だが、被曝することによって、生命が奪われていくということ。僕らは生き残るために、自分たちで知識を身につけないといけない」と語った。

 続けて、原爆投下と終戦には関係性がないこと、巨大な核利権の中に日本が組み込まれ、餌食にされていく歴史を説明し、「核開発は、第二次世界大戦を終わらせるためではなく、ソ連を睨み、世界征服を現実のものとするために行われたものである。僕らは歴史のペテンを見抜かないと、自分たち自身の生活すら守ることができない」と警鐘を鳴らした。

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