ドイツ国会議員を迎えて 5.27フォーラム「なぜドイツは脱原発を選択できたのか?日本の私たちにできること」 2013.5.27

記事公開日:2013.5.27取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年5月27日(月)18時から、福島県郡山市の郡山市労働福祉会館で、「ドイツ国会議員を迎えて 5.27フォーラム『なぜドイツは脱原発を選択できたのか?日本の私たちにできること』」が開催された。ドイツから来日したベアベル・ヘーン氏は、原発から再生可能エネルギーへのシフトを実現したドイツの取り組みを語り、再生可能エネルギーの利点を解説した。また、福島第一原発事故後、富岡町から避難した木田節子氏は、参院選へ立候補するまでの経緯と、脱原発への想いを語った。

■Ustream録画(22:16~ 1時間30分)
※Ustream動画サービスは終了しました。現在、他の配信方法に変更中です。再生出来ない場合はしばらくお待ち下さい。

  • 講演:ベアベル・ヘーン氏(ドイツ緑の党連邦議会議員・会派副代表)
    福島県民からの発言:木田節子さん(富岡町から避難)、武藤類子さん(三春町)
  • 日時 2013年5月27日(月)18:00~
  • 場所 郡山市労働福祉会館(福島県郡山市)
  • 主催 5.27フォーラム実行委員会

 福島第一原発事故以降、たびたび来日して講演を行っているベアベル・ヘーン氏は、「ドイツ人にとって、福島の事故は忘れられないものである。人には、権力から圧力をかけられることなく、正しい情報を得る権利がある。世界的な年間被曝限度は1ミリシーベルト(以下mSv)である。これを20mSvに引き上げることはあってはならない。子どもたちには、健康に成長する権利があるし すべての人間には生存していく権利がある そういう中で、あれほどの事故が起こったのだから、責任を負う立場の人間が、きちんと責任を負うことが必要である」と述べ、原発政策を再び推進しようとする現在の安倍政権を問題視した。

 続いて、脱原発へ舵を切ったドイツの状況を紹介し、「原子力の軍事利用と平和的利用を区別することは難しく、核廃棄物を後世に残すことはアンフェアである。ドイツ政府は、このような考えから脱原発に踏み切り、再生可能エネルギー政策を推進することで、脱原発による電力不足の影響を心配する国民の理解を得てきた」と説明した。また、再生可能エネルギーにシフトすることによる経済効果を解説し、「今までは、大手電力会社が発電事業を独占し、政治に対する影響力も強かったが、再生可能エネルギーに転換することで、市町村レベルでの発電が可能となり、電力会社の影響力を弱めることができた。発電コストは半分近くに下がり、雇用も現時点で60万人増を見込めている」と述べた。

 脱原発から、再び原発推進へと方向転換している、現在の日本の状況に対しては、「福島の例を見ればわかるように 事故処理などに莫大なコストがかかり、たくさんの人が故郷を離れ 健康被害を受け、職場を失った。これらは、お金では賄えない。再生可能エネルギーへの転換は、早ければ早いほど、国民の利益として還元される。それは、市民の力を取り戻すことも意味する」と語った。

 3.11以後、富岡町から避難した木田節子氏は、今回の参院選に立候補するに至った経緯を説明し、「私は、政治家になりたいわけではない。福島第一原発事故の収束宣言を出し、福島の現状を忘れさせ、偽の復興をしようとする人たちに対して、抗議したいという思いから立候補した」と述べて、来場者に向けて「一緒に頑張りましょう」と語りかけた。

 武藤類子氏は、被災地の現状を紹介し、「国の対応には、言葉を失ってしまう。原発を存続させる日本社会の、あらゆる問題が今、浮き彫りになっている。便利さと引き換えに、失ったものはたくさんある。悲惨な事故を経験した私たちは、美しい地球を未来に手渡せるように、考えて、行動していきたい」と話した。

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