【速報!】米軍がレーダーなどイラン側の「目と耳」を攻撃した直後、トランプが「イランはクズだ! 嘘つきだ! 停戦合意は終わりだ!」と発言! 戦闘再開の懸念が急浮上! エネルギー危機は待ったなしか!? 2026.7.9

記事公開日:2026.7.9 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 IWJ代表の岩上安身です。

 ウクライナ軍は、7月6日、ウクライナのドローンがシベリアの奥地にあるオムスクのロシア最大級の石油精製所を攻撃したと発表しました。

 オムスク州のヴィタリー・ホツェンコ知事も、「ウクライナのドローンによる攻撃を受けた」と認めています。『ロイター』などが、7月6日付で報じました。

 オムスク製油所は、ウクライナ支配地域から約2700キロメートル離れた、ロシアとカザフスタンの国境近くに位置します。

 今回の攻撃は、ウクライナ軍による攻撃として、最長射程の攻撃のひとつになります。年間約2300万トン(約46万バレル/日)を処理し、ロシアの石油精製能力の約1割を担うとされています。

 欧州にバックアップされたウクライナ軍のロシア深部への攻撃は、明らかにエスカレートしています。

 ウクライナの軍事企業ファイア・ポイント社は、同社のFP-1ドローンが攻撃を実行したと発表しました。さらには、2700キロメートル離れた地域への攻撃は、「ウクライナだけでなく、世界中で」攻撃用ドローンの新記録だと「自慢」さえしています。

 FP-1ドローンやフラミンゴ巡航ミサイルを生産しているファイア・ポイント社は、7月2日の夜に行われたロシアのキエフ攻撃のターゲットとなった軍事企業のひとつです。

 ロシアの攻撃にもかかわらず、生産能力を維持していることを強烈にアピールしているものと思われます。

 ウクライナ軍は、オムスク製油所のほか、バルト海での石油輸出を担うロシアのウスチ・ルガ港とヴィソツク港、およびカルーガ州とヤロスラヴリ州の標的なども攻撃したと報じられています。

 オムスク製油所の被害は、7月7日付『ロイター』によると、製油所全体の約38%の処理能力を有する常圧蒸留装置(CDU-10)が火災で損傷し、約38%の処理能力を有するCDU-11も電力・配管などのネットワーク障害のため停止し、製油所全体が操業停止したということです。

 サンクトペテルブルク国際商品取引所によると、オムスク製油所は7日以降、同取引所でのガソリンおよびディーゼルの販売を停止しています。

 CDU-11は比較的早く再稼働できる可能性がある一方、火災で損傷したCDU-10の復旧には時間がかかる可能性があると報じられています。

 ロシア側は予備設備(休止中の蒸留装置、CDU-7とCDU-8)を再稼働させて能力を補うことも検討していると報じられています。ウクライナ領内の最前線では、依然、ロシア軍が優勢を保っているとはいえ、ロシア側も無傷ではありません。

 『ロイター』は、オムスク周辺のガソリンスタンドでは、市民の行列ができており、市民生活への影響が出ていると報じています。

 世界的な石油危機の只中に、世界有数の産油国であるロシアの製油所を連日のように狙い撃ちするウクライナの攻撃は、世界の石油・天然ガス市場への供給不足を招き、エネルギー危機に拍車をかけることになります。
 
 『AP通信』は、ウクライナはドローンとミサイルで、数ヶ月にわたって、製油所、ターミナル、貯蔵施設、パイプラインポンプ場など、ロシアの石油施設を攻撃し続けているため、「世界有数のエネルギー生産国であるロシアの多くの地域で、燃料配給制が導入された」と報じています。

 他方で、今回のウクライナによる、オムスク製油所への攻撃の影響は、「ロシア国内への影響は大きいが、世界の原油市場への影響は当面限定的」とする見方もあります。

 7月6日付『ロイター』は、オムスク製油所攻撃のあった日、原油価格は「イラン戦争前の水準」で落ち着いているなどと報じました。

 この報道には、「中東情勢がやや落ち着いた」との前提があります。後述しますが、この前提は真に受けられません。

『ロイター』は、「サウジアラビアや湾岸諸国の供給が増えており、OPECプラスが増産を決定していること、世界全体として供給余力がある」などと楽観的な見通しを述べ、オムスク製油所への攻撃だけで国際市場が大きく動く状況ではないと評価しています。

 仮に『ロイター』の見通しの通りだとしても、ロシアの石油関連施設に対する、ウクライナ軍による攻撃と破壊は、じわじわとエネルギー市場に悪影響を及ぼす危険があります。

 実際、先ほどのロイター電は、「ピンボケ」しており、イランと米国の停戦合意は、早くも綻び始めています。「中東情勢が安定してきた」などという認識は「昨日」までの認識です。

 米中央軍は、7月7日、Xに、「米国中央軍の部隊は、イランに対して一連の強力な攻撃を開始した」とポストしました。

 さらに、攻撃の翌日となる本日7月8日、米中央軍は、攻撃の詳細を以下のようにXにポストしました。

 「米軍、イランに対する新たな報復攻撃を完了

 フロリダ州タンパ──米中央軍(CENTCOM)部隊は、7月7日、ホルムズ海峡を通航中の商船に対するイランの最近の攻撃への即時対応として、イランに対する新たな攻撃作戦を完了し、精密誘導兵器で80ヶ所以上の標的を攻撃した。(中略)イランの防空システム、指揮統制ネットワーク、沿岸レーダー施設、対艦ミサイル能力、さらにイスラム革命防衛隊(IRGC)の小型艇60隻以上を攻撃した。

 イランは最近、同海峡を通航中だった商船3隻、すなわちマーシャル諸島船籍のM/Tアル・レカイヤット、サウジアラビア船籍のM/Tウェディアン、リベリア船籍のM/Tキプロス・プロスペリティを攻撃した。

 イラン軍によるこの不当な侵略行為は、停戦の明白かつ危険な違反であり、航行の自由を損なうものである。

 米中央軍部隊は、合意が遵守または履行されない場合にイランに責任を負わせるため、引き続き態勢を維持し、即応できる状態にある」。

 他方、 イラン側は、この米軍の攻撃に対し、以下のように、「壊滅的な報復を加える」と表明しています。

 「イラン軍の最高統合司令部であるハータム・アル=アンビヤ中央司令部は、水曜日(7月8日)、米軍がイラン南部の一部を標的にしたことを『露骨な侵略行為』と非難した上で、イラン軍は『壊滅的な報復』を行うと述べた。

 また、テヘランは、ホルムズ海峡の管理に対する米国の干渉を認めないと警告した。

 同司令部はさらに、商船および石油タンカーが、この海峡を安全に通航できる唯一の航路は、イランが定めた航路であると述べた。

 米軍は火曜日(7月7日)、ホルムズ海峡で3隻のタンカーが飛翔体による攻撃を受けた後、イランに対する新たな攻撃の波を開始し、さらにイランによる原油販売を認めていた許可を取り消した。

 これにより、すでに脆弱だった停戦にさらなる圧力がかかることになった」。

 また、イラン側のモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ首席交渉官は、「この攻撃は、米国によるMOU(了解覚書)の重大な違反だ」として、Xに以下のようにポストしています。

 「米国によるMOU(了解覚書)の重大な違反

 ホルムズ海峡におけるイラン側の新たな航行管理措置を侵害したこと。

 今後さらに攻撃を行うとの威嚇を続けていること。

 イラン産原油に対する制裁を再び発動したこと。

 イラン南部への攻撃を実施したこと。

 レバノンに対するシオニスト(イスラエル)による軍事攻撃を継続していること。

 威圧と恐喝の時代は終わった。

 そのようなやり方では何も得られない。

 我々は決して屈しない」。

 こうした米国とイラン双方の、敵対的な姿勢を見ていると、停戦合意がいかにもろいものかと思わされます。

 このような摩擦がエスカレートして、イランが態度を硬化し、ホルムズ海峡を再び封鎖するようなことになると、ホルムズ海峡経由での石油供給と天然ガス供給が再び滞ることになります。

 先述したように、本来ならば供給余力のあるはずのロシアも、ウクライナの攻撃も相まって、国内での供給が不足する事態となっています。国外への供給も、中国などの同盟国に絞られてくる可能性があります。

 国際ガス連盟(IGU)の報告書の2025年の世界の液化天然ガス(LNG)貿易量で、日本は中国に次ぐ、6737万トンで世界第2位となっています。それほど、日本はエネルギーを海外からの輸入に依存している、ということです。

 輸出国別では、米国が、1億1074万トンで世界首位を維持、2位はカタール(8151万トン)、3位は豪州(8032万トン)です。

 さらにトランプ大統領は、このイランの「目や耳」に相当するレーダー施設などへの攻撃のあと、本日7月8日、「(イランとの停戦合意は)もう終わりだと思う。関わりたくない、あいつらはクズだ! あいつらと関わるなんて時間の無駄だ! あいつらは嘘つきだ!」と言い放ちました。本格的な戦闘再開のための、奇襲攻撃の可能性が急浮上してきています。

 トランプ大統領の発言を受けて、中東における紛争が再燃するのではないかという懸念が高まり、原油価格は急騰しています。

 結果論ではありますが、米国のエネルギー資本は、イランへの侵略戦争とウクライナ戦争の2つの戦争によって、たいへん潤っていることがわかります。

 もちろん、米国からの供給だけで、世界市場の需要は賄いきれません。

 中長期的に解決の見通しの立たない石油危機、ナフサショックと呼ばれる石油化学危機、天然ガス危機などの複合危機によって、エネルギー自給のできない日本のような国は、備蓄が尽きた時には、苦しくなるばかりです。

 今後の『日刊IWJガイド』などで、この石油危機、天然ガス危機、ナフサショックと呼ばれる石油化学危機について、構造的にお伝えしていきます。

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