日中関係の改善に向け、「村山首相談話を継承し発展させる会」(村山首相談話の会)が、「第6次訪中代表団」を2023年10月16日から派遣する。
これを前に、同会は10月6日、衆議院第一議員会館で記者会見を開催。IWJでもお馴染みの孫崎享氏や羽場久美子氏が団長・団員として登壇した。
はじめに村山首相談話の会・理事長の藤田高景氏が、経緯を説明した。
1995年、当時の村山富市総理が、いわゆる「村山談話」で、アジア諸国への植民地支配と侵略を公式に謝罪した。
しかし安倍晋三総理は、2012年の第二次安倍内閣での就任直後、村山談話を見直すとして、侵略を認めなかった。
これに抗して、村山首相談話の会が2013年に発足。同会では、日中の理解促進のため、2015年から例年、中国平和軍縮協会(CAPAPD)の招きで訪中団を派遣してきたが、コロナ禍で中断していた。
今回の訪中団は、以下の4人で構成される。団長に孫崎享氏(村山首相談話の会・共同代表、元外務省国際情報局長、東アジア共同体研究所長)、秘書長に藤田高景氏(村山首相談話の会・理事長)、団員に羽場久美子氏(村山首相談話の会・共同代表、青山学院大学名誉教授、世界国際関係学会(ISA)アジア太平洋会長)、吉池俊子氏(村山首相談話の会・理事、アジア・フォーラム横浜代表)、和田久美氏(村山首相談話の会・理事)。
訪中団は10月16日から20日まで北京、天津を訪れ、学者・文化人との会談や、プーチン大統領も参加予定とされる一帯一路に関するサミット等に参加、記者会見等を行う。孫崎、羽場の両氏はその後も中国に滞在し、北京大学・精華大学等によるシンポジウムに参加するという。
登壇した孫崎氏と羽場氏は共に、米国の覇権とG7支配の終焉を見据え、日本外交の転換を求めた。特に、中国の台頭への危機感から米国が作り出す台湾危機に抗するため、台湾が中国の一部と実質的に認めた1972年の「日中共同声明」等の重要性を訴えた。
そして孫崎氏は、武力紛争への「挑発」を避け、「長期的繁栄と安定の疎外」を避けるために、「(1)中国の発展に世界平和が不可欠なことを中国の指導者は理解している」「(2)日本が日中共同宣言と日中平和友好条約を、米国が米中共同宣言を守れば台湾問題は生じない」「(3)東アジアを不安定にしたいとする勢力に対抗する力を形成すべき」と訴える必要性を強調した。
羽場氏は、「(1)日中戦争は絶対に避け、世界経済をリードする両国が連携して平和・発展を作る」「(2)そのために知識人や市民のホットラインを形成し、『東アジアの国連』のような場を、沖縄等に作る」「(3)戦争を望まない世界の多数派・グローバルサウスと連携する」ことを訴えた。
詳しくは全編動画を御覧いただきたい。
IWJが報じてきた、村山首相談話の会等の記事、直近の孫崎氏、羽場氏への岩上安身のインタビューは、以下を御覧いただきたい!