2023年4月26日、午後4時より、東京都千代田区の参議院議員会館にて、「東京大地塾」が開催された。このたびのテーマである「アメリカの情報漏洩」、そして「日露関係」について、佐藤優氏の講義があり、それを受けて、参加者との質疑応答が行われた。
冒頭のあいさつの中で、鈴木宗男氏は、ウクライナ情勢について、次のように発言した。
鈴木氏「昨日の新聞ですか。産経新聞さんが、『鈴木宗男が連休中、ロシアに訪問する(※)』ということが出ましてですね、今日も結構話題になっておりますけれども、平日の国会開会中の海外渡航というのは認められないんですね。私は、本当は今週にでも行きたかったですね。
- 鈴木宗男議員、ロシア訪問取りやめ…面会相手と日程調整つかず(讀賣新聞オンライン)
ロシアは、5月1日がメーデーです。そして、5月9日が戦勝記念日ですから、日本と同じくこの間は、日本で言う『ゴールデンウイーク』に値するような時期になっちゃうわけですよ。(会いたい議員が)休みを取っていたり、モスクワにいなかったりしますから、難しいですね。
それでも、しかるべき人がいれば、日程と調整がつけば、という思いを持ちながらもですね、私は一にも二にも、このウクライナ問題は『停戦』した方がいいという発信であります。
私は、今日も、日本維新の会の役員に対して言ったんですね。
『ロシアが悪い。ウクライナはいい』なんていう、竹を割ったような言いぶりをする人が多いけれども、私は、『紛争には両方言い分がある。一にも二にも停戦だ』。これ、紛争で一番犠牲になるのは、子ども、女性、お年寄りなんですから。
資金援助をしたり、武器を供与したら、長引くだけじゃないですか。皆さん? 長引いて、被害を受けて、何かいいことがありますか? それをまた、先進国が負担させられるわけですよ。無駄なことじゃないでしょうか?
ならば、1日も早く、私が止めらせたほうがいいんじゃないかと。今、ロシアの言う『特別軍事作戦』から1年たってもですよ、皆さん『入り口』の議論ばかりじゃないですか。『ロシアけしからん』、『ウクライナは善だ』みたいな。何で『出口』を見ないでしょうか。『入り口』の議論は要りません。『出口』の議論が、私は、必要だと思っていますね。
早く停戦に持っていって、話し合いをさせる。その話し合いは、いろいろなやり方があると思います。(中略)まずは、銃を置かせることが一番ですね。どうか皆さんですね、日本はG7の議長国だというならば、世界の経済の枠組みでは、G20が一番、影響力がありますね。G20にG7も入っているわけですから。
(中略)
本当に、70年、80年前、日本が半年早く降伏していれば、沖縄戦も東京大空襲もなかったわけですから。いわんや、核が広島と長崎に落とされることもなかったのです。この悲惨な経験をですね、ウクライナにはしてほしくない。また、させてはいけないと、私は思いますね」
佐藤氏も、講義の中でウクライナ情勢について、以下のとおり、言及した。
佐藤氏「でもいずれにせよ、ウクライナ戦争が1年以上経っちゃって、報道が疲れてきちゃっている。それで、この戦争の構図を何度も繰り返しちゃってますけども、ウクライナは勝てない、はっきり言って。これは、ウクライナ軍の士気が低いからとか、そういうことじゃない。弾(たま)がないし、兵器もない。あと食料もないの。これ、継戦能力を完全に失ってるわけです。
継戦能力を失った状態で何で戦争を続けられるのかといえば、西側連合が、お金と武器を送っているから。いや、これがちょっと尋常じゃない形態での戦争なんだよね。しかも、もし、『自由対独裁』という話として、『独裁』が許せないって言うんだったら、じゃあ、今度は、モラル的にね、『お前ら頑張れ』って、『お前らの血を流せ』ってウクライナにやらせて、自分たちの価値観を守るというのは、果たしてそれは良いことなのか」
佐藤氏の講義、および、質疑応答の内容の詳細は、ぜひ全編動画を御覧ください。