選挙戦も残りあと5日。10月31日、日曜日には投開票日となります。全国小選挙区から289人、全国11ブロックの比例代表選挙区から176人が選ばれ、465人の衆議院議員が選出されます。
IWJは独自に、全国の小選挙区に関する自民党の「マル秘」調査報告書を入手し、先週、号外1,2,3を出しました。A4で51頁のペーパーには、選挙間近の各選挙区ごとの有力候補者の優劣が記されていました。
今回、自民党「マル秘」調査報告書の続編を再度独自入手しました。同じくA4で51ページです。調査実施日は10月15日続編では、当落の行方が読めない、自民党候補と野党候補が激しく競い合うとみられる選挙区を取り上げで調査が行われています。
自民党の候補者には、それぞれ対抗候補者とのポイント差に応じてAからDまで10段階のランク付け評価がつけられています。自民党の候補者が勝つ可能性が高いとAにより近く、低いとDにより近くなります。
相手候補と15ポイント以上の差をつけていればA。10ポイント以上15ポイント未満がA-、8ポイント以上10ポイント未満がB+、5ポイント以上8ポイント未満がB、0ポイント以上5ポイント未満が B-です。
逆に相手候補より支持率が低い場合は、その差が-5ポイント以上0ポイント未満がC+、-8ポイント以上-5ポイント未満がC、-10ポイント以上-8ポイント未満がC-、-15ポイント以上-10ポイント未満がD+、-15ポイント未満がDです。
選挙区によっては、調査時点で野党候補者共闘の統一がまだ未決定のところがあります。この時点の調査報告での予想は絶対的なものではありません。
また、公示後の各政党とも、実際の立候補者とは異なる場合があります。その点はご了承ください。
それでは、各地区ごとに、注目の選挙区をみていきます。今回は、「号外第5弾として」同調査報告書のうち、北海道ブロック、東北ブロック、北関東ブロック、東京ブロック、南関東ブロック、北陸信越ブロックを取り上げていきます。
野党連合に対して、各地で自民党は苦戦を強いられている様子が街頭演説会のIWJの中継からはっきり出ています。自民党自身が行った選挙情勢調査にご注目ください。
ただし、自民党のマル秘調査や、「号外4弾」で取り上げた大手メディアの調査の結果ですべてが決まるわけではありません。
「号外4弾」でご紹介したように、「支持なし」層が関心を持っている候補者の多くが、自民党や大手メディアの調査とは全く異なっています。政党支持率は自民党3割、立憲民主党1割と言われますが、日本で1番多数を占めるのは「無党派層」です! 4割を占める「特に支持している政党はない」という人たちが投票に行くと、選挙結果は全く違ったものになります!
また、自分が応援している候補者の小選挙区での当選が難しくても、がっかりしないでください。小選挙区で出馬している多くの候補者が比例にも登録しています。大雑把に言えば、小選挙区で落ちても3人に1人は比例で帰ってくる可能性があります。したがって、比例でどこの党に票を入れるか、ということも大変重要になります。
無党派の方々、ぜひ諦めずにあなたの貴重な1票を、本当に支持したい候補に投じてください。
では、自民党マル秘調査最新版(10月15日から17日調査実施)から、注目の選挙区の動向をお伝えします。
北海道ブロック〜自公・立憲ががっぷり四つ! あとは投票率次第、特に無党派層の動向が選挙結果を大きく変える可能性!
北海道ブロックは12の小選挙区からなります。
北海道1区は立憲・道下大樹氏(現職)、2区は立憲・松木謙公氏(現職、補選)、8区は立憲・逢坂誠二氏(現職)、11区は立憲・石川香織氏(現職)の4名が優勢です。
一方、4区は自民・中村裕之氏(現職)、6区は自民・東国幹氏(新人)、7区は自民・伊東良孝氏(現職)、12区自民・武部新氏(現職)の4名が優勢です。
10区では、公明・稲津久氏(現職)が優勢です。
残り、3区、5区、9区で接戦が展開されています。以下、現職は(現)、重(比例重複)、、元職は(元)、新人は(新)と表記します。また、自民党の調査なので、自民党の候補者のみ、ランク付けされてます(公明含む)支持率の数字(%)は、4月調査、8月調査、10月初旬調査、10月15日〜17日調査の順に並んでいます。自民党候補者の欄についているA,B,Cの評価も4月調査、8月調査、10月初旬調査、10月15日〜17日調査の順です。
【北海道3区】(札幌市白石区、札幌市豊平区、札幌市清田区)
自民(重・現)高木 宏壽 35.8 35.0 38.3 36.4 C+、B-、B、B-
立憲(重・新)荒井 優 40.1 31.8 31.9 32.3
維新(新)小和田 康文 – 9.6 7.0 5.7
自民・元職の高木氏は、自由民主党北海道第三選挙区支部長です。4月は出遅れていましたが、徐々に支持を固め、やや優勢を守っています。荒井氏は大手メディアの調査で「支持なし」層から6割を超える支持(60.9%)を得ています。投票率が上がれば小選挙区での逆転も十分可能です。かなりの競り合いです。
【北海道5区】(札幌市厚別区、江別市、千歳市ほか)
自民(重・現) 和田 義明 42.5 37.3 44.7 39.3 B-、B-、B+、B
立憲(重・現)池田 真紀 37.9 35.8 35.5 33.4
共産(新)橋本 美香 - - – 10.1
無所属(新)大津 伸太郎 – - - 0.8
自民・現職の和田氏が、やや優勢です。立憲・現職(重)の池田氏は、小選挙区では破れても接戦に持ち込み、より多くの票を獲得すれば、比例復活の可能性が出てきます。池田氏は大手メディアの調査で「支持なし」層から6割を超える支持(62.3%)を得ています。投票率が上がれば小選挙区での逆転も十分可能と思われます。立憲と共産の野党共闘がこの区で実現していたら、自民の和田候補は、大きく引き離されて、2位となっていたでしょう。
【北海道9区】(函館市、北斗市、松前町ほか)
立憲(重・現)山岡 達丸 33.4 38.4 41.3 38.0
自民(重・現) 堀井 学 42.9 36.7 33.5 38.3 B+、C+、C、B-
立憲・現職(比例復活)の山岡氏が優勢、大手メディアの調査でも優勢でしたが、今回の自民党調査では、自民・現職の堀井氏が追い上げています。山岡氏は立憲民主党北海道第9区総支部代表を務めています。山岡氏も「支持なし」層から6割を超える支持(62.7%)を得ています。投票率が上がれば、小選挙区での勝利は確実です。
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