「表現の不自由展・その後」中止で芸術祭の主要作家らが抗議の出展辞退! 一方で、脅迫容疑者逮捕後も脅迫メールが止まず! 脅迫者を煽った河村たかし・名古屋市長や吉村洋文・大阪府知事の責任はなぜ問われないのか!? 2019.8.16

記事公開日:2019.8.16 テキスト
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(文:IWJ編集部)

 国際的な芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止を受け、芸術祭に参加している海外の作家たち11組が中止に抗議するため、自身の作品の出展辞退を芸術祭実行委員会(会長・大村秀章愛知県知事)に申し出ていることがわかった。

 トリエンナーレでは既に3組が出展を中止しており、今回新たに9組が出展辞退を申し入れた。

 この9組の中には芸術祭のメインビジュアルとして、公式ガイドマップの表紙になっているウーゴ・ロンディノーネさんの「孤独のボキャブラリー」や、開幕セレモニーに使われたピア・カミルさんの「ステージの幕」も含まれている。また、ペドロ・レイエスさんとモニカ・メイヤーさんの作品は、トリエンナーレのメインテーマであるジェンダーを題材にしたもので、二人は今回のトリエンナーレのキーパーソンだということだ。

▲「あいちトリエンナーレ2019」ホームページに紹介されたウーゴ・ロンディノーネさんの作品

 9組の作家は8月12日付で米国の有力な美術誌『ARTNEWS』に公開書簡を送り、「表現の不自由展・その後」の中止を強く非難し、安全管理が徹底されたうえでの会期終了までの展示再開を主張するとともに、『表現の不自由展・その後』が一般公開されていない間、トリエンナーレでの自分たちの作品の展示を中止することを要求している。

 「表現の不自由展・その後」の中止をめぐっては、県に脅迫のファックスを送った容疑者が威力業務妨害で8月7日に逮捕されたが、その後も「県有施設や学校にガソリンをまいて着火する」「職員を射殺する」などの脅迫メールが県に届いているという。愛知県は8月14日、犯行予告などのメール計770件について、威力業務妨害容疑で被害届を県警に提出し、受理された。

 卑劣な脅迫者らを非難することなく、逆に脅迫者に同調して慰安婦問題をテーマにした少女像の撤去を公文書で要求した河村たかし・名古屋市長や、展示を認めた大村知事を「辞職相当だ」と非難した吉村洋文大阪府知事の責任はきわめて重大だ。謝罪、撤回、そして自らの進退について答えを出す必要があるのではないだろうか。

 IWJがこれまでに報じた「表現の不自由展・その後」中止事件は、以下の記事をご覧いただきたい。

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