2017年9月30日大阪市内のホテルで、小池百合子東京都知事、松井一郎大阪府知事、大村秀章愛知県知事による合同記者会見が行われ、小池氏が代表を務める「希望の党」と松井氏が代表を務める「日本維新の会」が連携して衆議院選挙にのぞむことを発表した。
具体的には「希望」と「維新」が東京と大阪で候補者の「住み分け」を行ない、「希望」は大阪の小選挙区には候補者を立てない。「維新」も東京の小選挙区には候補者を立てず、同党の東京の候補者は比例で戦うことになるという。
一方、大阪の11選挙区で維新と競合する民進党候補者について小池氏は「選挙区に希望の候補者は立てない。民進党からの入党希望者は現在調整中である」と語り、入党に際しては「安全保障、憲法観について一致することが当然」と述べた。
要するに、自公と同じく、自民党の改憲草案にある9条改訂と「ナチスの手口」たる緊急事態条項の導入を改憲によって成しとげ、安保法制など一連の戦争三法(秘密保護法・共謀罪)に対して「反対」から「賛成」へと明確に「転向」せよと、踏み絵を踏ませる、と改めて公言したのである。
「寛容な保守」の実現、ということを口にしたのは9月27日だったが、舌の根も乾かないうちに、偏狭で強権的で問答無用の独裁体質をあらわした、ということになる。
会見に先立ち、3知事は3都府県の共通政策について協議。「しがらみのない政治」、「身を切る改革」、「真の地方自治の推進」の3点で合意したと発表した。
この3点は松井府知事が代表を務める日本維新の会の政策内容とも合致しており、小池都知事は「3人の知事の合意ではあるが、希望の党の代表として公約に入れ込む」と明言。松井氏は「最初の『維新八策』から盛り込まれた公約。6年間続けてきたこの政策で合致できれば歓迎する」と表明した。
一方、衆院選への自身の出馬に関しての質問には、明確に否定した大村、松井両知事に対し、小池氏は「国政による大きな岩盤のような問題点がある。今回は希望の党として仲間を国政に送り出していきたい」とのみ答えた。