環境省、福島県飯舘村関係者にIWJが取材!除染土を農地に再利用!? 実証事業という名の最終処分! 事故以来放置されていた飯舘村長泥地区が狙われた!?(前編) 2018.6.29

記事公開日:2018.6.29 テキスト
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(取材・文:IWJ編集部)

 東京電力福島第一原発の事故から7年3ヶ月が経とうとしている6月1日、環境省は除染土を園芸作物などの農地造成にも再利用する方針を決めた。

 除染土は、現在でもすでに多くの反対を押し切って、建設土木資材、造成土などに再利用する実証事業がおこなわれているが、さらなる再利用を推し進める決定だ。環境省によると、食用作物の農地には用いないという。

 この方針は、2018年3月に有識者検討会で示された内容に沿って決められた。発表によると除染土の放射性物質濃度は1キロ当たり5000~8000ベクレル以下とし、農地に除染土を入れた上で、放射線遮蔽のために50センチ以上別の土で覆い、花やバイオマス燃料用植物を植えるとしている。この措置は実証試験として、帰還困難区域の飯舘村長泥地区で適用される。

 園芸植物用と限定している除染土の利用が、食用作物の農地に転用される可能性はないのだろうか。2018年6月5日の定例会見において、中川雅治環境相はIWJ記者の質問に対し、「そのようなことは考えていない」と否定した。

 しかし、果たしてそれで済む話だろうか。そもそも、そこに存在していてはいけないほど汚染されているからこそ、多くの税金を投入して取り除いた「除染土」ではなかったのか。それをまた、多くの税金を使って汚染された地域に戻すのである。いったい何のための除染だったのか!?

 IWJは環境省に直接取材をおこなった。

記事目次

県外で最終処分と説明されていたものが、次々に再生利用可能な資源として県内に埋め戻されている!?

 IWJの取材に対し、環境省環境再生・資源循環局の担当者は、「造成後の農地は、(飯舘)村の公社が一括管理することになっている。除染土についても、食用作物の農地に転用されることがないように管理可能と考えている」と、過失にせよ、そうした懸念はないことを強調した。環境省側の監視は、村の公社の管理業務をチェックすることで万全だという主張だ。

 さらに環境省担当者は、飯舘村では唯一の帰還困難区域である、村南部の長泥行政区が実証実験場と決定したことについて、「どんな場所でも安全に利用できるような濃度や使い方を研究し、実験方針についてもオープンな検討会で評価を受けてから使う。帰還困難区域だから、高汚染地域だからこんなことをしてもいいなどとはまったく考えていない」と述べた。

▲除去土壌再生利用実証事業について(環境省より、2018年3月29日)

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