希望の党はどこへ向かうのか。前途多難な船出がスタートした。
衆院選の「台風の目」として登場し、劇場型の選挙を演出しようとしたものの、小池百合子代表の「排除」発言以降、一気に失速。候補者235人中、185人も落選させるという結果に終わった。そんな希望の党が2017年10月25日、初の両院議員懇談会を開催。約3時間にわたる議論が行われた。
懇談会の中では当選した議員らがそれぞれ発言。小池代表の辞任を求める声や、安倍政権による憲法9条改正に党として反対するよう求める声が上がった。
(取材・文:原佑介)
希望の党はどこへ向かうのか。前途多難な船出がスタートした。
衆院選の「台風の目」として登場し、劇場型の選挙を演出しようとしたものの、小池百合子代表の「排除」発言以降、一気に失速。候補者235人中、185人も落選させるという結果に終わった。そんな希望の党が2017年10月25日、初の両院議員懇談会を開催。約3時間にわたる議論が行われた。
懇談会の中では当選した議員らがそれぞれ発言。小池代表の辞任を求める声や、安倍政権による憲法9条改正に党として反対するよう求める声が上がった。
記事目次
■ハイライト
懇談会冒頭、小池代表は、参加議員らに対し、「私の言動で同志に苦労をかけたこと、傷つけたことを改めて謝りたい」と陳謝したうえで、「(落選者の)無念の思いを共有し、代表として責任を負わなければならないと感じている」と語った。
さらに小池代表は、「1000万人に近い方々が(比例で)『希望』と書いてくれた事実を忘れてはいけないと述べ、「切磋琢磨しながら新党を磨かなければならない」と主張。自らは代表にとどまりつつも、「私は都知事でもある。都政に邁進したいので、国政は国会議員に委ねたい」との考えを示した。
両院議員懇談会は非公開だったが、出席議員らによると、小池代表の敗戦責任を問う意見や、安保法制への党の立場、安倍政権による憲法改正に対する党の姿勢などを確認する声があがったという。
民進党出身の柚木道義氏は懇談会の中で、「希望の党が第二自民党になるのなら、この場で解散してほしい」と発言したという。懇談会後、柚木氏が記者団の取材に応えた。
「希望の党は、『安倍一強政治許すまじ』で進める。安保法制も、疑義があるところは見直すということで、今日、始めてコンセンサスを得られた。地元で、『選挙のために主義・主張を変えた』と罵声を浴びせられながら選挙を闘ったが、今日は小池代表も、(安保法制を憲法違反だとする従来の民進党の主張と)1ミリも齟齬はない、整合性があると共有した。私は違憲立法には明確に反対だ」
今年4月、共産党との共闘路線に反発して民進党を離党した長島昭久氏は記者団に対し、「『裏切り者』『変節漢』と言われながらも、『実は筋を通したのは我々なんだ』ということが再発見できた」と話し、立憲民主党や無所属で立候補した民進党出身者への「恨み節」を展開した。
「『みんなで希望の党に合流しよう、そのために努力する』と前原さんが言った時に、みんなで承認した。組織で決まったことだから、いろいろ疑問はあったても、希望の党から立候補した。(立憲民主党の)枝野(幸男)さんたちも含めて承認したのに、筋を通したのは枝野さんたちだと世間では思われている。しかし、実は組織論で言えば、筋を通したのは自分たちだった。これは何人かから出た意見だ」
しかし、有権者は「組織に忠実な国会議員」を求めているのだろうか。多くの有権者は、議員や政党の掲げる政策や思想・信条で支持・不支持を判断しているのではないか。IWJは、「筋を通したのは自分たちだというが、政策的に民進党に近かったのは立憲民主党のほうで、政策を曲げなかったのは立憲民主党のほうなのではないか」と質した。
長島氏は、「そういう議論は(懇談会で)出ていなかったと打ち切ろうとしたが、重ねて長島氏個人の見解を問うと、「そう言えなくもない。(民進党の政策に)さらにエッジを効かせて主張したのが立憲民主党だと思う」と正直に認めた。
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