憲法改正を目指す安倍政権の「補完勢力」が、観光客で賑わう銀座に集結した。
希望の党代表の小池百合子・東京都知事と日本維新の会の代表・松井一郎大阪府知事が2017年10月7日(土)、東京・銀座四丁目の交差点で行われた街頭演説で並び立った。両党は22日投開票の衆院選で、東京・大阪選挙区での候補調整を行うことで合意している。街宣には名古屋の河村隆市長も参加。「三都物語」と称して東京・名古屋・大阪の三大都市圏の首長たちの連携をアピールした。
(取材・記事 原佑介)
※2017年10月10日、テキストを追加しました。
憲法改正を目指す安倍政権の「補完勢力」が、観光客で賑わう銀座に集結した。
希望の党代表の小池百合子・東京都知事と日本維新の会の代表・松井一郎大阪府知事が2017年10月7日(土)、東京・銀座四丁目の交差点で行われた街頭演説で並び立った。両党は22日投開票の衆院選で、東京・大阪選挙区での候補調整を行うことで合意している。街宣には名古屋の河村隆市長も参加。「三都物語」と称して東京・名古屋・大阪の三大都市圏の首長たちの連携をアピールした。
■ハイライト
希望の党は公約に、憲法9条を含む憲法全体の見直し協議を進めると明記し、日本維新の会も憲法改正による「教育の無償化」の明記や9条改正を訴えている。安倍政権の対抗勢力であるかのように報じられる希望の党だが、希望と維新は、「初めての憲法改正を目指す」と公約に盛り込んだ安倍政権と同じ方向を向いている。まさに安倍政権の「補完勢力」と呼ぶにふさわしい。
松井府知事は演説で、「税金が既得権益にばかり流れるから増税になる。この状態にメスを入れなければ、いくら増税してもお金は足りない」と主張。「抵抗勢力と大喧嘩になるが、これをやらないと日本の増税見直せない。一部がいい思いをするのではなく、普通の人たちが納得できるように変えていきたい」と訴えかけ、「消費増税ストップ」「教育無償化」を訴えた。
続いてマイクを握った小池知事は、「私は47都道府県の中でもっともお買い得な知事で、2番目は松井知事です」と述べ、自身の報酬を約2800万円から1400万円に5割カットしていることをアピール。「国政と連携し、国の予算の無駄遣いをチェックする」として、増税反対を訴えた。
さらに、「どうやって地方の声を国政に届けるか。地方分権とは名ばかりで、これでは地方が疲弊する。地方分権のため、河村市長、松井府知事など、知事改革派の自治体の長が連携を取って進めなければならない」と地方分権の必要性を主張。演説が増税、地方分権に終止し、希望の党が掲げる「憲法改正」「原発ゼロ」には言及せずに演説を終えた。
聴衆の受け止めはどうか。IWJのインタビューに応えた東京在住の男性(75歳)は、「地方自治の問題を訴えたのはよかった。東京ばかりに経済が集中してはいけない」と語った。現段階で小池氏の率いる希望の党を支持するかは決めていないという。
「支持政党はない」という無党派の東京在住の女性(70代)は、「今日は聴衆が少なかった。都知事選のときは、もっと大勢の歩行者が立ち止まって演説を聴いていた」と感想を口にし、都知事選以降の小池知事の仕事が評価されていないことの現れではないかとの見方を示した。
東京在住で、希望の党支持者の男性(70)は、小池知事の演説を聴いて「期待できる」と絶賛。「モリカケ問題」を含めて安倍政権への怒りを露わにし、「(小池知事には)安倍さんを潰してほしい」と期待を語った。一方で、希望の党も掲げている改憲に関しては、「憲法改正はしないでいい」とトーンを落とし、「アジアの平和が大事だ」とも語った。