2229名の原告が参加するTPP交渉差止・違憲訴訟。2017年1月16日(月)、第7回口頭弁論が東京地裁で行われ、公判後は衆議院第二議員会館で報告集会が開かれた。
弁護団の報告によると、裁判は一旦休廷した後、突然、終結を宣言されたという。今後は忌避の申し立てを行なうが、却下されれば最短で一ヶ月以内に判決の期日が指定され、判決が言い渡される。
(取材・文:城石裕幸)
特集 TPP問題
※1月19および23日、テキストを追加しました。
2229名の原告が参加するTPP交渉差止・違憲訴訟。2017年1月16日(月)、第7回口頭弁論が東京地裁で行われ、公判後は衆議院第二議員会館で報告集会が開かれた。
弁護団の報告によると、裁判は一旦休廷した後、突然、終結を宣言されたという。今後は忌避の申し立てを行なうが、却下されれば最短で一ヶ月以内に判決の期日が指定され、判決が言い渡される。
記事目次
■ハイライト
「この(昨年末の)国会でTPP協定が国会承認されてしまった。実際に批准がなされたのか、なされていないのか。それがわかったことが今日の裁判の非常に大事な成果だったと思います」
山田正彦元農水相がそう報告した。
「政府はこれで批准が終わった、と言っていました。ところが、今日明らかになったことは、批准できていないということなんです。批准するためには国内関連法案の整備と、それを寄託国であるニュージーランドに通報しなければならないということを、今日の裁判で初めて国が明らかにしました」
TPP違憲訴訟の実質的なリーダーを務める山田氏には岩上安身が単独インタビューし、TPPの危険性について話をうかがっている。また、ニュージーランドでTPP反対を広く呼びかけているオークランド大教授 ジェーン・ケルシー氏にも岩上安身が単独インタビューし、ニュージーランドの現状もうかがっている。サポート会員に登録後、ぜひ全編をご覧いただきたい。
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国会で承認案が可決されたのに、日本がTPPに批准できていないとはどういうことなのか、弁護団共同代表の岩月浩二弁護士が説明した。
「この裁判の第一項は、『TPP協定を締結してはいけない』です。『締結』という手続きは国会承認で終わりではなく、通常は締結意思を確認するための『批准の閣議決定』というものを行ないます。そして批准書を天皇が認証して、署名の寄託国に届ける。それによって締結手続きが終わるという段取りになっています」
岩月弁護士はさらに続ける。
「ところが、あんなに急いで国会承認をし、関係改正法まで成立させたにも関わらず、その後の締結行為がされたという報道が全くないんですね。そのことについては非常に疑問に思っていました」
国が法定で明らかにした事実は、こういうことだ。
(…会員ページにつづく)