2015年6月3日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。東電福島第一原子力発電所でリスクのあるパイプから汚染水が漏洩した問題に関して、田中委員長は、汚染水漏洩の問題が収まらないのは、経営層の問題だと苦言を呈した。
2015年6月3日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。東電福島第一原子力発電所でリスクのあるパイプから汚染水が漏洩した問題に関して、田中委員長は、汚染水漏洩の問題が収まらないのは、経営層の問題だと苦言を呈した。
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東京電力福島第一原子力発電所で、1000トンノッチタンクから汚染水を移送中、パイプから漏洩し、港湾内に流出した問題について田中俊一委員長は、「東京電力のマネジメントができていない、かなり上のほうからやらないといけない」と発言。汚染水や雨水、生活排水など水の問題は今後も廃止措置の間続くもので、全体を見てどう処理するのかを整理し、場当たり的でなく、きちんと対処してほしいとして、そうならないのは経営の問題だと説明した。
今回、問題のパイプに損傷しやすいリスクがあるにも関わらず、見抜けなかったことについても、まずは事業者から作業計画等を出してもらった上で、規制庁側がやるしかないと考えたとし、体系だった方針を作り、指導していきたいとの考えを述べた。
9月に中村佳代子委員が任期退任することで、委員が全員男性になる。また、検討チームや専門家委員も女性がほとんどいないことから、「一割ぐらいは女性の専門家を起用するほうがいいのではないか。あまりにも男性ばかりで、3.11後の教訓を学べるのか」と記者が質問した。
田中委員長は、「規制庁職員の採用にあたっては、男女関係なく専門性で採用するのが基本になっている」「そういう女性ができるだけ入ってきてほしい。女性の多い職場のほうが緊張感もあり元気もある」と返答。ただし、原子力会全体をみると、女性の割合が非常に少ないので難しいと思うと現状を嘆いた。「そこは今後の努力目標」とした。
経済産業省エネルギーミックスでは、2013年度の原子力比率20~22%と言っている。これは、原発再稼働が前提の比率だ。このことに対して委員長は、「わたしどもは法に書かれた通りやっていくので、基本的にはそういうことに全く影響を受けない」とし、規制委の審査や姿勢に影響しないことを明言した。