福井地裁の高浜原発3、4号機への仮処分「規制委の仕事に影響しない」規制基準や審査内容の変更はないとの見解、「事実誤認」があるとの批判も~田中俊一原子力規制委員長定例記者会見 2015.4.15

記事公開日:2015.4.15取材地: テキスト動画
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 2015年4月15日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。関西電力高浜原子力発電所3、4号炉の仮処分判決が下されたことに対して、田中委員長は、事業者が運転してはいけないということで、規制当局の行政手続きや仕事を妨げるものではないとの認識を示した。

記事目次

  • 高浜原発の仮処分や弁護団の申し入れに対し、今の規制基準や審査内容を変える考えはないと見解

■全編動画

  • 日時 2015年4月15日(水) 14:30~
  • 場所 原子力規制委員会(東京都港区)

高浜原発の仮処分や弁護団の申し入れに対し、今の規制基準や審査内容を変える考えはないと見解

 4月14日に福井地裁で高浜原発3、4号炉の運転差し止めの仮処分がくだされた。田中俊一委員長は「私から何か特別に申し上げることはありません」としながらも、「いくつかの点で十分に私共の取り組みが理解されていないところがあったように受け止めています」と感想を述べた。

 また、田中委員長は、規制庁と規制委員会が福島第一原発事故の反省を踏まえた”確かな規制を通して、人と環境を守る”という使命を遂行するため、世界と比較して全体として最も厳しいレベルにある新規制基準を策定していると言い、「そういったことも全然ご理解いただけなかった」と嘆いた。

 重ねて、原告弁護団が4月15日に、今回の仮処分判決を受けて、全ての原発の適合性審査及び後続手続きを直ちに中止するよう求める緊急申入書を規制庁・規制委に提出した。これについて田中委員長は、「今回の仮処分の中身は関西電力が高浜3、4号機を運転してはいけないということ」だとし、規制庁・規制委における「行政的な手続きや仕事を妨げるものではない」という自身の認識を示した。つまり、今の規制基準や審査内容を変える考えはないということだ。

 加えて、田中委員長は、「事実誤認や誤ったことが多く書いてあるので、ここでいちいち反論してもしょうがない」と今回の裁判所側の判断に不満を露わにした。具体的には、給水設備は耐震設備クラスBではなくSクラス。外部電源はCクラスだが、非常用電源はSクラスだと指摘。さらに、「基準地震動を地震の平均像を基に策定することに合理性は見い出し難い」という記述があるが、基準地震動は平均ではなく、原子炉施設の周辺の地質調査などを行い、不確かさも考慮してサイトごとに最大級の地震を考えていると指摘した。

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