東京都は、12月17日午前10時から、築地市場講堂で第16回新市場建設協議会を開催し、豊洲新市場の2016年(平成28年)11月開場を業界と合意した。この合意後、午後1時からの都議会本会議で、舛添知事は16年11月開場を正式に表明した。
(IWJ・石川優)
特集 築地市場移転問題
東京都は、12月17日午前10時から、築地市場講堂で第16回新市場建設協議会を開催し、豊洲新市場の2016年(平成28年)11月開場を業界と合意した。この合意後、午後1時からの都議会本会議で、舛添知事は16年11月開場を正式に表明した。
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新市場建設協議会は、今年2014年2月21日に開かれて以来で、今回で16回目となった。ところが、協議会の開催をプレスリリースしたのが、開催日の2日前。先月11月27日には「土壌汚染対策工事に関する技術会議」を開催し、移転予定地の豊洲の土壌汚染対策工事完了を宣言したばかりだった。
この技術会議を経て、東京都は、市場関係者を入れた「土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会」を開催する予定だった。実際に地下水管理協議会は、今月12月11日の開催を予定していたが、開催前日になり、突然、延期となってしまった。築地市場移転に関連する会議のうち2つで、「会議が開催できない」「2日前に会議開催を決める」という異常な事態での今回の市場開場時期決定だった。
前回の協議会でも、東京都に対して、新市場のあらゆる問題点が指摘されていたが、今回も東京都水産物卸売業者協会会長の伊藤裕康氏が、改めて都に苦言を呈した。築地市場移転計画は30年近くに渡り、右往左往してきたが、いまだに、卸売市場の要となる物流計画が決まっていないというのも、大きな問題の一つだ。
伊藤会長は、豊洲新市場の2016年11月開場について、「業界としては苦渋の決断をしなければいけない段階。全く新しいところで新しいシステムで新しい設備で仕事をしていくのに、いきなり最繁忙期の年末を迎えるのはとても無理」と答え、都が提示した開場時期に苦言を呈した。
さらに伊藤会長は、築地市場の移転が2020年の東京五輪とも関係していると言及した。 「環状2号線の工事、(平成)29年4月には(築地を)更地で渡さないといけない。五輪の本番、ぎりぎり間に合うかどうかというぎりぎりの日にちの設定と承っている」
伊藤会長は、結局、16年11月開場の提示に「賛成」と同調したものの、条件を付けた上で、次のようにコメントした。
「ハード面。本体の工事は順調だとうかがっている。我々業界のそれぞれの工事がたくさんあります。1100件ぐらいある。それらも全部、一体となってですね、工事が進められて初めてこれに間に合う。
ソフト面。どういうシステムで仕事をしていくのか、やっていくのか。物流はどうするのか、それらのことがまだ、はっきりした答えが出ておりません。検討会を何回か、東京都さんに主催していただいて、それを始めている段階。これらをどういうふうに調整して、現実の物流をやっていくのか。それらのことが先が見えない。
今日、ここで、日にちが決まれば、修正が効かない。何が何でもここにこぎつけなきゃいけない。引っ越しにしても、何十年ぶりで、市場そっくりが向こうへ引っ越すということは容易なことではない。引っ越し作戦と言いますか、これだって都が中心になって、指揮を振っていただいて、皆のいろんな事情を勘案したうえで、スムーズに混乱のないような引っ越しをしなきゃいけない」
「今のハード、ソフト、引っ越し、そういう点も含めて、課題が多すぎる」と、業界から東京都へ厳しい意見が続いた。
(…会員ページにつづく)
この問題の問題点は、再開発利権側と正論側との戦いであるために話がかみ合わないことにある。再開発利権の方はカネの話でしかないので、言うことが変わっても何とも思わない。ゆえに、細かい話に付き合えば結論なんか出ない。屁理屈に過ぎないからだ。
再開発利権側の目的は築地という昔埋め立てをして『てん圧』がかかって安定した地盤を再開発の為にどうしても欲しいのだ。隅田川から水上バスで見ると、対岸と結ぶ予定であることも理解できる。青果部門の外側に道路が出来てから10数年が過ぎている。元々は地下トンネルにする計画だった。
豊洲は埋め立てのときに産業廃棄物を投棄したそうである。だから、土壌が汚染されていることは最初からわかっている話である。これは地元に住む仲買さんから聞いた話だ。