「我々の役割は、国会に入ってワアワア騒ぐ、国会議員、永田町のおかしいところを、皆さんにこうして告げ口することです」
岡山1区に維新の党から出馬した高井崇志元衆議院議員が12月5日(金)11時45分から、岡山県岡山市北区のイオンモール岡山付近で街頭演説を行い、同党の橋下徹・共同代表が応援弁士として登壇、演説を行った。
地元の強みと、総務省での勤務経験を活かし、行財政改革の力強い断行を訴える高井候補。応援に駆けつけた橋下代表は、大阪府・市での公務員改革を踏襲し、全国の公務員給与水準の適正化によって得た財源を、医療、教育、福祉に回すという「イシンノミクス」について語った。
- 日時 2014年12月5日(金)11:45~
- 場所 イオンモール岡山 向い(岡山市北区)
※以下、発言要旨を掲載します
安倍政権による争点隠しを批判――野党再編への決意
高井崇志候補(以下、高井・敬称略)「『なんで選挙やるの? もう、選挙なんて行かんで』という声に満ちあふれています。だけど、今回の選挙、安倍首相は『アベノミクス解散だ』と言っているけれど、私は違います。
アベノミクスに隠れて、大事なことが次々と決められようとしています。集団的自衛権、これが最たるものです。また、原発の再稼働、特定秘密保護法、労働者派遣法、消費税の増税……。消費税の増税は、社会保障とセットだったはず。そしてなにより、我々政治家が身を切る政策、つまり議員定数削減とセットだったはず。税金の無駄をなくす、行財政改革とセットだったはず。
しかし、何一つやらないままに、消費税だけが上がり、そして、延期とはいえ、18ヶ月後には無条件で消費税を再び上げるということに対して、国民の皆さんが『イエス』なのか、『ノー』なのか、そのことが問われている選挙です。
皆さんのお子さんの顔を思い浮かべてください。将来、戦争に行かせられるかもしれない。原発事故に巻き込まれるかもしれない。一生派遣社員のまま、年金すらもらえないかもしれない。そんな社会を望んでいる人がいますか? 誰もいないはずです。そうであれば、『安倍政権、それは違うだろう』と、待ったをかける、『ノー』という選択肢がどうしても必要なんです。
しかし、今の一党多弱と言われるばらばらの状態では、選択肢にすらならないんです。『野党で争っている場合じゃない、野党再編を実現したい』。そう思って立ち上がりました」
「3対7」――増税と行財政改革の「黄金比」
高井「財政再建と、経済成長の両方を実現させようと思ったら、3対7、という黄金率があるんです。増税が3、行財政改革が7。だけど、(現政権は)この7のはずの行財政改革をまったくやらずに、消費増税だけをやろうとしている。維新がやるのは、国会議員が自ら身を切る改革です。国会議員定数を3割削減です。民主党時代は2割でした。
そして議員の給料も3割削減。自らが身を切る覚悟をもって、この7割の行財政改革をやったあとに、消費増税をみなさまにお願いします。これが、この選挙の大きな争点の一つだと思っています」
地方分権と行財政改革――岡山から始まる幸せな国づくり
高井「岡山に帰ってきた私が政治を志した思い、その一丁目一番地は、地域主権、地方分権改革です。中央省庁には、無駄が多いんです。紐付きの補助金、縦割り行政、国が地方を縛ることによって、たくさんの税金が無駄に使われ、非効率です。総務省と、岡山県庁の両方で働いてきた私は、そのムダを何とかなくしたい、行財政改革を実現したい、その思いで政治家を志しました。
この大好きな街、岡山を日本一幸せな街にするには、多くの国の規制や制度を変えなければならないということに気が付きました。みなさん、この世の中を変えるのはどんな人だと思いますか? 『よそ者、若者、馬鹿者』だと言われております。高井崇志も馬鹿者なんです。何度も何度も選挙に落ちて、勝てっこないのに立候補して、『馬鹿か、おめえは』と言われました。
だけど、馬鹿でいい。だれかがやらなければならないんです。日本一幸せな街、岡山を作る、そしてそれをモデルにして、日本中を幸せにする、その大仕事を私にやらせてください」
維新流「身を切る改革」――国会議員の定数・給与削減
橋下徹(以下、橋下・敬称略)「『国会議員の給料を削れ』と私が言ったら、(他党の)皆はこう言うんです。『橋下、そんな国民ウケすることを言うな。わずか10億から40億、そんなお金では国と地方の借金1000兆円の前では焼け石に水じゃないか』と。
でも、違うんです。身を切る改革をやってから消費増税を皆さんにお願いする、というのが政治の道理でしょう。マクロ経済スライドという仕組みを作って、物価はどんどん上がるのに、年金はそこまで上がりません。実質年金は下がっていきます。
だから国民の負担は重くなっていく、そういう時代を迎えつつあるんです。自民党も、民主党も、政治の重鎮たちは国会議員の給料を削ろうなんて、一言も言いません、むしろ、上げようとしています。
この5月、国会議員の給料、20パーセントアップ、月額25万円アップです。ここにいらっしゃる方で月額20パーセント上がった人はいますか? 年額25パーセント上がった人だっていないでしょう」
国民への「告げ口」という役割
橋下「我々の力不足で、維新の党は、全国で80名の候補者しか立てていません。全員通ったとしても、80名ですから、『日本を変えます』とは言いにくいところがあります。でも我々の役割は、国会に入って、ワアワア騒ぐ、国会議員、永田町のおかしいところを、皆さんにこうして告げ口することです。
自民党の圧勝モードですが、自民党が圧勝したら、こういう話も知らないままです。テレ朝の報道ステーションでこの話をしたんです。『議員給料カットの約束をしましょう』と持ちかけたところ、安倍首相も山口那津男公明党代表も手をあげてくれなかったですよ。民主党の海江田万里代表だけが手をあげて、『橋下さん、30パーセント(給料削減)については、もう少し話をしよう』と。ふんぎりつかない人ですよ。
5パーセント、10パーセント下げたって、国の借金が減るわけがないんです。これは政治家の姿勢なんです。手をあげた人も、テレビカメラの前だから、ということでしぶしぶあげていただけでした。国会議員は給料の他に、月額100万円の経費、文書通信交通滞在費をもらっています。領収書を一枚もつけずに、です。ホームページで公開しようということを維新の党では決めました」
大阪府・市の実例から始まる「イシンノミクス」――公務員給与水準の適正化
橋下「アベノミクスを全否定はしません。民主党政権より良くなっていることは間違いない。大企業と、株を持っている人が裕福になって、その結果、一般の方々にしずくが落ちる、トリクルダウンが起こるということは理にかなっています。
一方で民主党は、社会保障を充実させる、雇用を安定させる、子育て支援をする……こちらも理にかなっています。自民党も、民主党も、理にかなっているが、これらを併せてやらなければならない。
『国民年金の保険料、払う払わないにかかわらず、月額7万円、全員に保障します』と今、民主党は言っています。こんなことできるはずがないですよ。どこからカネが出るのでしょう。
ここで登場するのが、アベノミクスに対抗する、『イシンノミクス』なんです。カネの出所をはっきりと言います。公務員の給料からです。全国の公務員の給料は、一流の大企業の社員並みです。民主党は、全国の公務員の労働組合から選挙支援を受けており、公務員改革なんてできないのです。
維新の党は、増税前に公務員の給与水準を適正化すると言っています。大阪の府と市ではやったんです。大阪では今、年収610万以下の世帯の子どもは、私立の高校も無料で行けます。これをやって、医療、教育、福祉にぶち込みます。民主党の言う『人への投資』もできます」