2012年4月26日(木)11時半、 岡山市中区の岡山県職員会館「三光荘」において、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理に関する実務者勉強会」の初会合が開かれた。岡山県循環型社会推進課および環境省中国四国地方環境事務所が主催したもので、岡山県や県下の市町村の環境行政担当者など約40名が出席した。
「市町村等が受け入れ可能となる条件等についての課題整理」という議題で、被災地における災害廃棄物発生状況などの説明とともに、災害廃棄物の受け入れ条件について環境省と市町村の実務担当者らが協議したが、「広域処理の内容については、まだ検討途上の段階であり、議論で例示した具体的な施設名、地区名などの情報によっては、住民に誤解を生じさせる懸念がある」との理由で非公開とした。このため、勉強会の終了後に報道関係者向けの囲み会見が行われた。
- 日時 2012年4月26日(木)11:30~
- 場所 岡山県職員会館「三光荘」(岡山県岡山市)
囲み会見で、岡山市の担当者は、「住民が、放射性物質に対する安全性への不安を持っておられることが一番大きい」と述べたほか、「岡山市が構築している焼却灰のリサイクルシステムを壊したくないことを国には伝えたが、現時点でそれに対する返答はない」と語った。記者が、「回答が出ない限り、処理は受け入れないのか」と質問したのに対し、担当者は、「わざわざ(現行の)リサイクル(システム)を止めて、(焼却灰を)埋めるという話はできないと明確にお答えした」と答えた。また、「災害廃棄物広域処理に関して、こちら側としても勉強を進め、県内自治体との情報交換を進めていきたい」と話した。
環境省中国四国地方環境事務所の担当者は、質疑応答でどのような質問や要望が出たかとの記者の質問に、「先進地域(先行して廃棄物を受け入れた地域)で、具体的にどのようにして受け入れに至ったのかという情報や、試験的な溶融(焼却)のデータ、放射能濃度などについてのデータが欲しいなどの要望があった」と答えた。
岡山県の担当者は、「環境省から十分な回答がいただけていない項目があると認識している。全国の自治体の取り組み状況も注視していきたい」と述べた。また、記者から「なぜ非公開にしたのか」と問われ、「地域の課題などを踏まえた議論をしたいが、現時点ではあくまで仮定、途上の話であり、関係者の誤解が生じてはいけないと考えた」と答えた。