舛添要一元厚労相は1月29日、14時過ぎからJR吉祥寺駅北口で街頭演説会を行った。舛添氏は演説で、「東京都知事になった暁には就任の翌日にでも、三多摩地域特命の副知事を任命をして、全力で三多摩を良くしていきたい」と訴えた。三多摩地区(地域)とは、東京都のうち東京23区(※)と島嶼部(伊豆諸島、小笠原諸島)を除いた地域32市町村の総称で、吉祥寺はその入口にあたる。
(※)厳密には世田谷区の一部も三多摩地区(地域)に含まれる
舛添氏は、「それぞれの地域に密着して、それぞれの地域が抱える問題を一つひとつ解決する、それが都知事の重要な仕事」と語り、「東京は23区だけではない、非常に身近なこの三多摩地域がずっと発展して初めて東京の発展がある、三多摩のことを忘れてはならない」と、三多摩地域の活性化のために、副知事を置くことの重要性を訴えた。
三多摩地区(地域)では、予算の関係から医療や保育、交通インフラの面で東京23区との格差が問題視されている。また、多摩地域中部にある米軍横田基地は、周辺住民が米軍機の騒音に悩まされ、賠償や夜間飛行差し止めを求める訴訟も起こっている。
NPO多摩住民自治研究所の池上洋道氏によれば、「現在、1人当たりの教育費を比べると、23区は約66万円、東京都下26市だと約34万円(2009年度)」で、「倍近い差」があるという。今回の都知事選では、この三多摩格差の問題も注目すべき争点となる。