「一日も早くこの東京を特区にして、若者のみなさん、自由に会社作ってください、そしてどんどん金儲けをする」―。
多くの人が行き交う池袋駅東口の五差路で、1月26日、舛添要一元厚労相が16時半から街頭演説と徒歩遊説を行った。舛添氏は雇用問題に焦点をあて、「東京から新しい産業を起こす」と足を止めた若者たちに繰り返し訴えた。
(IWJ・佐々木隼也)
特集 2014東京都知事選
「一日も早くこの東京を特区にして、若者のみなさん、自由に会社作ってください、そしてどんどん金儲けをする」―。
多くの人が行き交う池袋駅東口の五差路で、1月26日、舛添要一元厚労相が16時半から街頭演説と徒歩遊説を行った。舛添氏は雇用問題に焦点をあて、「東京から新しい産業を起こす」と足を止めた若者たちに繰り返し訴えた。
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舛添氏の演説は、問題提起からはじまった。
舛添氏はまず、「安倍政権になって少しづつ景気があがり、株価もあがってきている」と前置きしたうえで、「しかしまだまだ末端の企業にも、若者に仕事の場を与えないといけない。非正規が三人に一人というのはおかしい」と問題提起した。そして、「私が厚労大臣の時、『もっと若者に仕事を』と訴えてきた。本来民主党支持の連合のみなさんが、異例中の異例だが、舛添の雇用政策を支持してくださっている」と、自身の雇用政策への取り組みを強調した。
舛添氏は演説中に何度も、「東京から失業者をなくすんだ」「お金を稼がないとだめです」「給料が上がらないとだめです」と繰り返した。そのうえで、「かつて医療介護、年金記録で、みなさんのために一生懸命、官僚と戦った。しかし財務省は金を出さない、役人が抵抗する」と、自身の厚労相時代の経験を語った。
続けて舛添氏は、国(役人)に頼らない「改革」として、「国家戦略特区」の必要性を訴えた。「国家戦略特区」とは、「世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくる」という安倍総理のスローガンのもと、企業の収益を妨げる様々な規制を取り払うことを目的に進められ、昨年12月7日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。
しかしこの特区構想には、「混合診療の解禁」「営利企業の病院経営参入」「公立学校の民営化」など、本来「商売」とは相反する教育や医療制度の公共政策の分野に、企業の利益優先の規制改革が多く盛り込まれており、批判の声があがっている。「TPPの実質国内化ではないか」という懸念の声も多い。
舛添氏はこの安倍政権が進める特区構想について、「東京から新しい産業を起こす、新しい技術を世界に向けて発信する。それができる法案が、昨年国会で通した国家戦略特区法案。一日も早くこの東京を特区にして、若者のみなさん、自由に会社作ってください、そしてどんどん金儲けをする」と、集まった若者に強く訴えた。
また舛添氏は、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、「みんなにお願いしたい、みんなで『おもてなし』をやりましょう。みなさん頑張って英語勉強しましょうよ。少しのカタコトでいいから英語をしゃべれるようになりましょう」と訴え、英語教育推進の必要性を強調した。
演説を終えた舛添氏は街宣カーを降り、通りを練り歩きながら聴衆一人ひとりの握手に応じた。
ある女性から「奥さんは創価学会の方なんですか?」と聞かれた舛添氏は、「全然違います、うちはクリスチャンなんです」と即答。ネット上で話題になっている噂を全否定した。