2013年12月11日(水)14時より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。田中委員長は、東電柏崎刈羽の適合審査申請に関して、地元意見による変更は認めない考えを示した。
2013年12月11日(水)14時より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。田中委員長は、東電柏崎刈羽の適合審査申請に関して、地元意見による変更は認めない考えを示した。
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東京電力柏崎刈羽原発の適合性審査に関して、フィルタベントの扱いが争点の一つになっている。適合性審査の申請にあたり、新潟県は住民の安全確保を優先させるという観点から、「今回申請のフィルタベント設備は地元避難計画との整合性を持たせ安全協定に基づく了解が得られない限り使用できない設備である」と条件をつけており、東電は、この条件に基づき、ベントの運用手順が変わる可能性を含んだ申請を行っている。また、新潟県は12月2日、ベント設備の運用手順書について、地元と事前協議をした上で、原子力規制委員会に提出するよう東電に申し入れも行っている。
田中委員長は「運用手順も、基準の適合性審査の一つの要素」と考えており、「外からの意見で運用手順が変わることが起こりうるならば、適合性審査が基本的には成り立たない」。「(運用手順を)新潟県が決めるなら、規制委は何だということになる」と述べ、新潟県の対応を批判。田中委員長は、11月27日の定例会見でも同様の見解を示しており、改めて、地元自治体による運用手順の変更は認められないとの考えを示した。
規制委員会は、休会中の審議会(原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会、放射線審議会)を復活させようとしている。それぞれの役割、仕事内容、メンバー構成は、従来と同じでではなく、次回の委員会で少し議論をする予定。
田中委員長は、従来のように指針を議論してもらうことはないという考え。つまり、助言は受けるが、判断のベースとなる基準までは関与してもらうつもりはないという。しかし、具体的に何をするかという問題は「頭の痛いところだ」と記者団に漏らした。
今月中にエネルギー基本計画が策定されて、放射性廃棄物の最終処分場について、NUMO(原子力発電環境整備機構)から国が主導という形に変わる予定だという。その中で、高レベル放射性廃棄物の最終処分場については、まだどうなるか未定であるため、先行して何か検討は行っていないという。ただし、いずれ規制委員会で基準は作っていくことになるだろうという考えを示した。
規制庁は新規採用枠で80人を増員し、補正予算案にその経費が盛り込まれていることがわかった。
規制庁には現在約500人の職員がおり、来年、独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)が統合されることから、職員数は倍増することになる。このことに対して田中委員長は、JNESの廃止は決められており、人材等の散逸は避けたい。また、事務的にはまだまだ人手が足りず、唐突な話ではないと述べた。