キャサリン・ジェーン・フィッシャー氏は、2002年に横須賀で米兵にレイプされた。この事件は起訴されず、フィッシャー氏は東京地裁に民事訴訟を起こした。その結果、300万円の賠償金の支払いの判決が出たが、そのとき加害者はすでに帰国してしまっていた。フィッシャー氏は、その後、加害者が住むアメリカのミルウォーキーの裁判所に訴えを起こし、そこで加害者の責任を認める判決が下された。しかし、賠償金額は1ドルだった。
21日、日本外国特派員協会で記者会見を行ったフィッシャー氏は、賠償金の1ドルを見せながら心境を語った。正義を勝ち取るため、12年という長い時間と多くのお金を使い、家族や仕事を犠牲にしてきたという。
アメリカでの裁判では、加害者が日本から出国したのは米海軍からの命令だったことが分かった。米軍司令官と加害者とのあいだで、「日本から出国し、それで終わりだ」という会話がなされたということが、米裁判所での証言で明らかになった。また、フィッシャー氏は日本で米兵が同様の事件を起こし続けていることを厖大なリストを見せながら示した。そして、今回の裁判で加害者の責任が認められたことは、「自分にとっての勝利というだけではなく、沖縄の犠牲者の人々にとっての勝利」だと語った。
沖縄出身の参議院議員・糸数けいこ氏は、こうした事件をなくすためには、日米地位協定という不平等条約を変えていく必要があると訴えた。