米軍基地建設反対運動、正念場へ。「工事が始まっていない今を逃すな」 ~緊急集会「止めよう経ヶ岬のXバンドレーダー」 2013.9.20

記事公開日:2013.9.20取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

 「基地ができてから嘆いても遅いのだ」──。沖縄出身で米軍基地問題に詳しい大湾宗則氏は、2013年9月20日、京都市内にあるキャンパスプラザ京都で開かれた「京都に米軍基地はいらない!9・20緊急集会 ~止めよう経ヶ岬のXバンドレーダー・危険な戦争準備を許さない~」において、「府知事と市長が受け入れを表明したが、あきらめるのはまだ早い」と力説した。京丹後市・経ヶ岬への米軍早期警戒レーダー(Xバンドレーダー)配備に異を唱える地元住民に対するこの呼びかけは、「沖縄には、行政による決定をものともせず、新基地建設を止めている住民パワーがある」との同氏の発言と相まって、会場に集まった人々の士気を鼓舞した。

記事目次

■ハイライト

  • 現地・丹後の闘いの報告
  • 9月7日・8日のフィールドワークの報告
  • これからのたたかいの課題・方針の提起 など

 この集会を主催した緊急京都府民の会・南部連絡会は、「経ヶ岬へのXバンドレーダー配備は、グアムの米軍基地が攻撃される際、そのミサイルの迎撃を目的とするもので、集団的自衛権の先取り(=憲法違反)に相当する」と主張している。冒頭で司会の白井氏が「山田啓二京都府知事と中山泰京丹後市長は、昨日、米軍基地の受け入れを正式に表明した。これは(地方自治体が)住民の安心安全を国に丸投げしたことを意味する」と怒りをあらわにし、同会の役員、中尾氏も「今、京都が危ない」と強調。「計画通り、経ヶ岬の自衛隊分屯基地にXバンドレーダーが配備されれば、舞鶴、福知山、宇治などにある、ほかの京都の自衛隊施設と一緒に、米軍の世界戦略の中に組み込まれるだろう」と警告した。

 続いて、同会事務局長の山本氏が、地元住民による基地建設反対運動の経過報告を行った。今年2月に日米両政府が、経ヶ岬を配備先とするXバンドレーダーの日本国内での追加配備を発表したのを受け、これに反対する市民運動団体が、京都府内に複数立ち上がったことを伝えた。「運動は府内北部が先行。南部での反対運動は、5月の経ヶ岬でのフィールドワークをきっかけに始まった。緊急京都府民の会・南部連絡会の結成は、7月のことである」と述べた。府南部での反対運動がなかなか起こらなかったことに関しては、「当初、住民の間には『たかがレーダーではないか』との見方があり、レーダー配備の危険性に関する認識が共有されるまでに時間がかかったようだ」と説明した。

住民の「本気」が基地建設を止める

 山本氏は、今後について「山田知事や中山市長に対し、基地建設受け入れの撤回を迫ることが重要だが、それだけでは不十分」と力説。「これからは、国(防衛省)による基地建設そのものに反対していかねばならない」と語気を強めた。その上で「厳しい戦いが予想されるが、私たちには手本がある」とし、沖縄の、米軍基地問題を巡る住民運動の歴史に言及。「住民による粘り強い座り込みが、米軍の新基地建設を止めている事例が、沖縄には現にある」と力を込めた。

 次に登壇した大湾宗則氏は、同会の共同代表であり、京都沖縄県人会の事務局長でもある。大湾氏は、この基地問題で山田知事が「安全保障は国の専権事項だから、自分たちは態度を表明できない」としつつ、「府民の安心安全が守られなければ、基地建設受け入れを撤回する」と発言したことを批判。その理由について、「要するに、発言に中身がないのだ。京都府は防衛省に対し、レーダー配備が地元の自然環境に与える影響に関する評価を行うよう、申し入れてはいない」と語った。

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