自民党が「盗聴法」改正案の今国会成立を断念も、「ゾンビ法案化」の懸念 〜「憲法の多くの条文に違反」「監視機関創設の足がかり」専門家が指摘! 2015.8.28
※9月7日テキストを追加しました!
警察と検察による取り調べ可視化(録音・録画)の義務づけや司法取引の導入など、数本の法律を一本化して改正する「刑事訴訟法等改正案」が2014年9月4日、「十分な審議時間を確保できない」として今国会で見送りとなった。しかしこの法案の中には「通信傍受法」、いわゆる「盗聴法」が盛り込まれていたことに注目しなければならない。
「盗聴法」の改正は、これまで「薬物犯罪」「銃器犯罪」「集団密航」「組織的殺人」でのみ許されていた警察による盗聴を、「殺人」「傷害」「放火」「爆発物使用」「誘拐」「監禁」「窃盗」「詐欺」「児童ポルノ」でも可能にするものだ。しかも、従来は捜査員が通信会社の「本社」に出向き、社員立ち会いのもと許されていたが、改正案では、捜査員は「本社」に出向く必要も、社員を立ち会わせる必要もなくなる。