日刊IWJガイド・非会員版「鬼畜のイスラエル軍の虐殺三昧! 具体的にイスラエルの所業を明らかにしている、4月16日発表のUNRWA報告書を全文仮訳!」2024.6.12号~No.4251


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~鬼畜のイスラエル軍には、和平の兆しなどまったくなし! 和平案の協議中でもお構いなくガザで虐殺三昧! イスラエルの所業を具体的に明らかにしている、4月16日発表のUNRWA報告書を全文仮訳! その中には、UNRWA職員にハマスの攻撃に関与したと強制自白させた証言までがある! イスラエルの「やらせ」に乗って、UNRWAへの資金拠出を停止した日本政府をはじめ、米英独など15ヶ国以上はどう責任を取るのか!?

■5月1日から5月31日までのご寄付・カンパの総額は、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%でした。6割にも届かず、かなり厳しい数字です! これで7ヶ月連続して、目標未達です。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! IWJの情報価値は日々高まっています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■「素晴らしい、メドベージェフ発言の翻訳、本当によく書いてくれました!」「この翻訳を読んで、皆目を覚ましてほしいです」! ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

■IWJは、市民の皆さまお一人お一人の会費とご寄付・カンパで運営しています。5月のご寄付者様のご芳名を、感謝を込めて順次掲載させていただきます! IWJの経済危機に手を差し伸べてくださった皆さま、誠にありがとうございます!

■【中継番組表】

■都知事選で自民党が小池氏をまる見えの「ステルス支援」! 小池都政継続なら、自民党の高齢者冷遇政策が反映される!?「政治とカネ」問題で、同じ穴のムジナである都民ファーストの会は、名実ともに自民党の補完勢力に!!

■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! イスラエルが東エルサレムを占領したことを記念する「エルサレムの日」のデモ行進で、参加者が「アラブ人に死を」「あなたの村が焼かれますように」と叫ぶ! ベン=グヴィール国家安全保障相は「エルサレムは我々のものだ。我々がこの地域の主権者だと思えば、敵は我々を尊敬するだろう」と演説!】デモ参加者はパレスチナ人の店を襲撃! イスラエル警察は制御放棄!(『アルジャジーラ』、2024年6月5日)

■【第2弾! EUが出資する国際人権連盟(IFHR)が、ロシアのメドベージェフ元大統領や、著名なメディア関係者らを、ウクライナ人へのヘイトスピーチで国際刑事裁判所(ICC)に告発!】「ウクライナ人をナチスとして描写」したと主張! これに対し、メドベージェフ元大統領は「キエフのネオナチ政権に対する我々の共同の取り組みの有効性を認めたものだ」と開き直りの答弁!(『RT』、2024年6月8日)

■【第3弾! オーストリアのクナイスル元外相が「ロシアを分割するという西側諸国の計画を聞いたことがある」と証言! 計画は米国の著名なシンクタンク大西洋評議会によるもの!】西側諸国は今も、ロシアをユーゴスラビアと同じようにバラバラにする計画を持っている!! そのバラバラ計画の実践として仕掛けられたのが、ウクライナ国内におけるロシア語話者への差別とジェノサイドであり、その結果、ロシア軍の介入を招いた!!(『タス』、2024年6月9日)

■<IWJ取材報告>日露平和条約交渉について、日本側の態度変更を求めたプーチン大統領に対し、「現下の事態はすべてロシアによるウクライナ侵略に起因。日本側に責任を転嫁しようとする対応は、極めて不当で断じて受け入れることができない」と、まったく耳を貸さない上川大臣~6.11上川陽子外務大臣定例記者会見
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■はじめに~鬼畜のイスラエル軍には、和平の兆しなどまったくなし! 和平案の協議中でもお構いなくガザで虐殺三昧! イスラエルの所業を具体的に明らかにしている、4月16日発表のUNRWA報告書を全文仮訳! その中には、UNRWA職員にハマスの攻撃に関与したと強制自白させた証言までがある! イスラエルの「やらせ」に乗って、UNRWAへの資金拠出を停止した日本政府をはじめ、米英独など15ヶ国以上はどう責任を取るのか!?

 おはようございます。IWJ編集部です。

 5月31日に、バイデン大統領が、3段階からなる停戦案を、突如、スピーチの中で述べました。

 これは文書として、ハマスにも、イスラエルの戦時内閣のどちらにも提示していなかった「空証文」にも関わらず、なぜか、極右と中道右派による連立内閣のイスラエル側に、大きな混乱を引き起こしています。

※【米バイデン大統領が示したイスラエルとハマスの和平提案を、ネタニヤフ政権は「受け入れる」と表明しながらも、閣内極右の抵抗に先行き不透明!】ガザの死者は3万6000人超! ハマスは和平提案を「前向きに検討する」と表明しながらイスラエルの出方を観察か!?(『ロイター』、2024年6月3日)(日刊IWJガイド、2024年6月5日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240605#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53560#idx-5

※バイデン大統領が提案した新停戦案はネタニヤフ政権を崩壊に導く!? ネタニヤフ首相は極右政党と中道政党の「脅迫」で身動きが取れないかのようにふるまっているが、そうしたイスラエル政界内部の「政治的小芝居」を超えて、シオニスト・イスラエルのあり方に異を唱えるユダヤ人たちが街頭で決起!「イスラエルVSユダヤ人」の構図が可視化される事態に!(日刊IWJガイド、2024年6月7日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240607#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53568#idx-4

 6月9日、イスラエルの戦時内閣に参加しているベニー・ガンツ前国防相が、戦時内閣から離脱すると表明しました。

※イスラエルの戦時内閣から、国民からの支持の高いガンツ前国防相が離脱!】与党リクードと連立政権を組む極右政党のスモトリッチ財務相が、さっそく「戦時内閣入り」を要求するが、却下される! 比較的「穏健派」とされるガンツ氏離脱により、ネタニヤフ首相は、今後ますます極右頼みになるのか!?(『CNN』、2024年6月10日)(日刊IWJガイド、2024年6月11日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240611#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53578#idx-6

 ガンツ氏は、バイデン大統領の停戦案が口頭発表された機会に、ネタニヤフ氏に対し、パレスチナやアラブ諸国、欧米によるガザ地区に行政機構を創設することや、人質全員の解放を実現するための計画を6月8日までに示すように要求していました。

 しかし、極右閣僚の影響下にあることを理由として、ネタニヤフ氏は、これに頑なに応じませんでした。

 ガンツ氏の離脱で、戦時内閣は「機能不全」になるとみられ、ガザ地区でのイスラエル軍の戦闘の先行きはますます無軌道なものになるだろうという見方が出ています。

 一方、国連安全保障理事会は10日、米国のバイデン大統領が示したパレスチナ自治区ガザでの停戦案を支持する決議を採択しました。

※国連安保理、ガザ「3段階」停戦案の受け入れ迫る決議 ロシアは棄権(毎日新聞、2024年6月11日)
https://mainichi.jp/articles/20240611/k00/00m/030/009000c

 しかしながら、実際、バイデン大統領が停戦案を出すという「茶番」の後、イスラエル軍によるパレスチナ人に対する虐殺が止む気配はありません。

 たとえば、イスラエル軍は6日、パレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラットで、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校を、戦闘機で攻撃しました。

 ガザ政府と保健当局の各当局者によると、攻撃で40人死亡し、73人が負傷しました。死者のうち14人が子供で、9人が女性だといいます。彼らがハマスの戦闘員であるはずがありません。これらは、イスラエル軍による故意の無差別虐殺です。

※ガザ学校攻撃、子ども14人含む40人死亡 イスラエル「ハマス拠点」主張(ロイター、2024年6月7日)
https://jp.reuters.com/world/us/VVEP67NRCZK55FAYHCGLQGDKXQ-2024-06-06/

 そればかりか、イスラエル軍は、ガザ地区中心部のデイル・アル・バラフとブレイジ難民キャンプの東側にかけた地域で、軍事作戦を展開し、5日に、「指揮統制」下においたと明らかにしたのです。

 6月6日付『BBC』によると、このイスラエル軍の軍事作戦で、数十人のパレスチナ人が殺害されたとの情報があるとのことです。

 しかも、こうした軍事作戦は、停戦と人質解放のための新しい合意に向けて交渉を仲介している米国、エジプト、カタールの担当者達が、ドーハやカイロで協議を続けているさなかに決行されているのです。

※イスラエル、ガザ中心部で新しい軍事作戦開始(BBC、2024年6月6日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cg33z07nkv8o

 他方、イスラエル軍の鬼畜ぶりを証明するUNRWA報告書は、今から2ヶ月近く前の4月16日に、すでに発表されています。

 この報告書に、2023年11月初旬以降、イスラエル治安部隊(ISF)が定期的に被拘禁者を解放している、ガザとイスラエルを結ぶカレム・アブ・サレム(ケレム・シャローム)検問所で、UNRWAが人道支援を調整する役割を果たした結果、得られた情報、および男性、女性、子供、スタッフを含め、拘禁から解放されたパレスチナ人から、UNRWAに独自かつ自発的に提供された情報にもとづいています。

※THE QUESTION OF PARESTINE(UNRWA、2024年4月16日)
https://www.un.org/unispal/document/detention-and-ill-treatment-unrwa-report-16apr24/

 この報告書は、イスラエル軍がパレスチナ人の被拘禁者にどのような扱い方をしてきたのかに関する、かなり信頼性の高い情報と言えます。

 日本政府をはじめ西側政府は、イスラエル政府の「UNRWA職員の中にハマスの協力者がいた」という、根拠のない主張をうのみにして、パレスチナ難民への支援を続けてきたUNRWAへの支援を停止してしまいました。そうした判断が適切だったのかどうか、岸田政権は問われて然るべきです。

※【第1弾! 国際司法裁判所がイスラエルに命令を出した同じ日、イスラエルが10月7日のハマスによる攻撃に国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員が関与していたと告発! 調査も待たずに即日、米国初め西側諸国がUNRWAへの資金提供を凍結!日本もただちに追随して資金拠出を当面停止!】これはただの「偶然」か!? イスラエル系米国人ジャーナリストが「ガザでの大量虐殺に関するICJ判決から目をそらすための試みであるように思われる」と指摘!(『AP』、2024年1月28日ほか)(日刊IWJガイド、2024年1月30日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240130#idx-7
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53155#idx-7

※「どのような対応があれば国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出再開を検討するのか?」との質問に「調査が開始されたばかり。国連や関係国ともコミュニケーションをとり、今後の対応を検討していく」と上川大臣~1.30 上川陽子 外務大臣 定例記者会見 2024.1.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521334

※UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出再開について問われ「国連による調査、また第三者による検証に積極的に協力していく」と1ヶ月前とほぼ同じ答弁の上川大臣!! 瀕死のガザのパレスチナ人への人道援助を打ちきったまま、飢餓ジェノサイドに加担も同然!~3.1上川陽子 外務大臣 定例記者会見 2024.3.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521975

 以下、衝撃的な内容のUNRWA報告書を、全文仮訳します。ぜひ、非会員の方々は、会員となって、全文をお読みになってください!

 「イスラエル国防軍(IDF)が2023年10月末にガザ地区での地上作戦を開始した直後から、ガザ北部でパレスチナ人が拘束されたという報告が出始めた。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、2023年11月12日から、同機関の施設内に避難している男女が、イスラエル国防軍に拘束されたことを記録し始めた。

 12月16日、国連人権高等弁務官事務所は、『イスラエル国防軍の手によって、おそらく数千人のパレスチナ人男性や少年、多数の女性や少女が大量に拘束され、不当な扱いを受け、強制的に失踪させられたという報告を、多数受けている』と報告した。

 ガザ北部に加え、2023年12月からは、ガザ中東部、2024年1月からは、ハンユニスでも拘束が報告されている。ガザ人が拘束されたのは、南へ逃走中、イスラエル国防軍の作戦行動中の自宅、病院を含む勤務先、UNRWAの施設やその他の施設に身を寄せている時であったと報告されている。

 2024年4月4日現在、UNRWAは、イスラエルとの検問所であるカレム・アブ・サレム(ケレム・シャローム)を通じて、イスラエル当局が、ガザから1506人の拘束者を解放したことを記録している。

 その中には、43人の子供(男児39人、女児4人)と84人の女性が含まれている。釈放された人々の中には、UNRWA職員の家族16人と、イスラエルで働くガザ人労働者326人が含まれていた。またイスラエル当局に拘束された23人のUNRWA職員の釈放も記録している。

 <所在不明で監禁されている>

 被拘禁者の証言によると、トラックで100人から120人が収容されている、大きなその場しのぎの『軍事兵舎』と思われる場所に運ばれ、そこで尋問の合間、時には数週間にわたって隔離されていたという。

 何人かの被拘禁者は、イスラエル軍の基地があるジキム(イスラエル南部のエレズのすぐ北)にある軍事バラックに拘束されたと報告している。また、スデ・テイマン基地のあるベア・シェバ周辺でも拘束されたと、被拘禁者は報告している。

 被拘禁者は、シャバク(イスラエルの国内情報部門)の最終面接を受けるために、何度も尋問に送られたと報告している。その前に釈放された被拘禁者は、一般的にイスラエル刑務所に移送され、ネゲブ砂漠のナカブ刑務所がよく引き合いに出された。

 女性は、東エルサレムのアナトト軍事キャンプとハイファ(イスラエル北部)のダモン刑務所に連行されたと報告されている。アシュケロン拘置所(南部)、オフェル刑務所(ヨルダン川西岸占領地)、イスラエル北部のアル・ジャラメ刑務所、エルサレムでの拘留も報告されている。

 <勾留中の不当な扱いの報告>

 被拘禁者は、拘禁のさまざまな段階で、不当な扱いを受けたと報告している。釈放された被拘禁者には、男女、子供、高齢者、障害者、負傷者や病人が含まれ、UNRWAが受け取った直接の証言によれば、全員が同じような形態の不当な扱いを受けていた。

 カレム・アブ・サレムでUNRWAのスタッフは、釈放された被拘禁者の中に、トラウマや虐待の兆候があるのを目撃した。ほとんどすべてのケースで、パレスチナ赤新月社の救急車が、怪我や病気のために、何人かの人々を検問所から地元の病院に搬送した。

 被拘禁者は、拘留時に身分証明書や金銭を含む所持品をすべて没収され、一般的に釈放後も返却されなかったと述べている。不当な扱いは、主に兵舎にいる間に起こり、尋問の前に激しさを増したと報告されている。

 これには、食事も水もトイレも与えられず、足と手をビニールひもで縛られたまま、瓦礫の上の薄いマットレスの上に何時間も寝かされ、殴打を受けることも含まれる。何人かの被拘禁者は、無理やり檻に入れられ、犬に襲われたと報告している。子供を含む釈放された被拘禁者の中には、犬に噛まれた者もいた。

 『(収容されている)70歳の人たちを見たよ。アルツハイマーの人、目の見えない老人、歩けない障害者、背中に破片が入って立てない人、てんかんの人…拷問は誰にでもあった。自分の名前を知らない人たちにもね。盲目の人がいると伝えた。彼らは気にしなかった』(46歳の成人男性被拘禁者)。

 体に傷を負わされた。被拘禁者は、要求された情報を提供しなければ、長期拘留、傷害、あるいは家族の殺害を受けると脅されていた。

 『(シャバク(イスラエルの国内情報部門)は)コンピュータのスクリーンで、私の近所全体を見せ、指差した人物全員について、これは誰だ、これは誰だ、などと質問した。もし私が誰かを知らなければ、その兵士は、私の家を爆撃すると脅した。彼女は、私の家で南に避難しなかったのは誰か、と聞いてきた。私は兄弟と父が家に残ったと言った。彼女は、もしあなたがすべての情報を自白しないなら、あなたの家を爆撃し、あなたの家族を殺すと言った』(成人女性、34歳)。

 収容者たちは、兵舎の中で1日に12~16時間膝をつかされ、目隠しをされ、手を縛られた状態で座らされることを強いられたと述べている。

 午前0時から午前4~5時までの間しか眠ることが許されず、その間も常に照明が点けられ、寒い天候にもかかわらず、扇風機の冷たい風に吹かれていた。何人かの収容者は、濡れた毛布を投げつけられたと報告している。

 その他の虐待の方法として、物理的な殴打、身体的な危害の脅迫、動物のように行動させられる、尿をかけられるなどの侮辱や屈辱、大音量の音楽や騒音、水、食料、睡眠、トイレの利用の剥奪、祈る権利の否定、厳しくロックされた手錠の長時間使用による傷や摩擦による傷が含まれる。

 殴打には、頭、肩、腎臓、首、背中、脚への金属棒や銃の台尻、ブーツを使った鈍的な力の衝撃が含まれ、肋骨の骨折、肩の脱臼、持続的な傷害を引き起こす場合もあった。

 『彼らは、私を伸縮式の金属棒で殴っていました。ズボンに血がついているのを見て、彼らはその部分をさらに殴りました。彼らは私の膝に釘打ち機を使いました。これらの釘は約24時間膝に刺さったまま、ナカブ刑務所に移送されるまで残されていました』(成人男性、26歳)。

 <性的暴力およびハラスメントの報告>

 報告されたほとんどの拘束事件において、IDFは男性(子供を含む)に下着だけになるよう強制した。UNRWAは、UNRWAの施設に避難していた男性が全裸にさせられ、そのまま拘束された事例を少なくとも一件記録している。

 男性と女性の両方が、拘束中にIDFによる性的暴力や嫌がらせに該当する脅迫や事件を報告した。男性の被害者は、生殖器への殴打を報告しており、ある収容者は、電気プローブ(電気測定のための電極のついた機器)に座らされたと報告している。

 『彼らは私を、熱い金属の棒のようなものに座らせ、それはまるで火傷のように感じました(肛門に火傷があります)。兵士たちは、靴で私の胸を殴り、側面に小さな釘が付いた金属の棒のようなもので殴りました…彼らは、私たちにトイレの水を飲むように言い、犬に攻撃させました…拘束されて殺された人がいました。おそらく9人くらい。そのうちのひとりは、電気棒を肛門に入れられた後に亡くなりました。彼は重い病気になり、体から虫が出てくるのを見ました、そしてその後、亡くなりました』(41歳の成人男性収容者)。

 女性たちは、侮辱や脅迫を含む心理的虐待にさらされ、捜索中や威嚇や嫌がらせの一環として、不適切な接触を受けたことを述べている。また、男性も女性も、捜索中に男性兵士の前で全裸にさせられ、裸のまま写真を撮られたり、ビデオ撮影されたりしたと報告している。

 『彼らは、兵士達に私に唾を吐くように言い、「彼女はビッチ(性的にふしだらな女性という侮辱・罵倒の言葉)だ、ガザ出身だ」と言いました。私達が移動する際、彼らは私達を殴り、敏感な部分(性器)に唐辛子を塗ると言いました。彼らは私達を引っ張り、殴り、5日後に私達をバスでダモン刑務所に連れて行きました。

 男性兵士が、私達のヒジャブを取り、私達をつねり、胸を含む体に触れました。私達は目隠しをされ、彼らが私たちに触れ、頭をバスに押しつけるのを感じました。私達は触られないように身を寄せ合って守ろうとしました。彼らは「ビッチ、ビッチ」と言いました。彼らは兵士達に靴を脱いで、それで私たちの顔を叩くように言いました』(34歳の成人女性収容者)。

 <UNRWA職員の拘束と強制自白の報告>

 UNRWAは、ガザのパレスチナ人UNRWA職員がIDFによって拘束された事例を記録した。これには、UNRWAの施設での勤務中や調整された人道的移動中に拘束されたケースが含まれる。UNRWA職員は、外部との連絡を断たれ、ガザおよびイスラエルで、他の収容者と同様の条件と虐待にさらされたと報告されている。

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■5月1日から5月31日までのご寄付・カンパの総額は、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%でした。6割にも届かず、かなり厳しい数字です! これで7ヶ月連続して、目標未達です。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! IWJの情報価値は日々高まっています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 5月1日から5月31日までのご寄付・カンパの総額は、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%です。6割にも届かず、かなり厳しい数字です。

 6月も月間目標に届かない事態になると、IWJは独立メディアとしての活動が、本当にできなくなる可能性が高くなります!

 6月は、1日から6日までの6日間で、14件、16万8000円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から5月まで、7ヶ月連続で目標金額に到達しませんでした。この7ヶ月間の不足額の合計は、976万6289円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です!

 IWJは収支を合わせるべく、徹底的に支出を減らす努力を、今も続けています! オフィスを移して、スモール化することも模索中です! そうやって支出を減らしても、収入が減り、赤字が積み上がっていけば、活動が続けられなくなります!

 もし、7月の期末まで、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第14期の期末である7月末まで、あと2ヶ月です! ぜひとも、期末までの間に、不足分の972万6289円の赤字分をなくし、少なくとも収支をトントンにさせてください!

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。

 賃貸のアパートで療養している彼女のために終の住処を、これから用意してあげなければなりませんし、生活費を出せる小さな物件も用意しておかないと、死ぬに死ねません。

 「ジャーナリズムバカ一代」として、すべてをなくすまで赤字経営を続けて、破産とともに「前のめりに死ぬ」などということは、自分の中の「人の親」という「情」が許さず、赤字が手に負えなくなるほど膨らむ、その一歩手前で、倒産の前に、誰にも迷惑をかけないよう、自らの手でIWJをたたみ、娘のために何かしら残せるようにするつもりです。

 もともとは健康に生まれ育ち、国立看護大学校を出て、看護師としてはつらつと働き、自活もしていた娘が、20代で発病し、働くこともできなくなり、年々病状が悪化して、ついには障害手帳をもつに至ってしまいました。そんな難病になってしまったことについて、彼女には、何の罪も落ち度もありません。

 ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!

 世界と日本が未曾有の危機に直面しており、既存ジャーナリズムが機能しない現状だからこそ、最後の一歩手前まで、真実を伝える、ジャーナリズムの本道を貫き通します!

 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 5月末現在、IWJ会員の総数は2372人、このうちサポート会員の方は885人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

■「素晴らしい、メドベージェフ発言の翻訳、本当によく書いてくれました!」「この翻訳を読んで、皆目を覚ましてほしいです」! ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

 IWJにご寄付をいただいた皆さまから、応援・激励のメッセージをいただきました。ありがとうございます! ここに感謝を込めてご紹介させていただき、岩上安身がご回答させていただきます!

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 素晴らしい、メドベージェフ発言の翻訳、本当によく書いてくれました! おっしゃる通り、今、欧州は恐ろしく危険な状況になっており、日々胃が痛い思いでいます。この翻訳を読んで、皆、目を覚ましてほしいです。

※はじめに~ウクライナ対ロシアという2ヶ国間の「紛争」の枠組みを大きく踏み越える軍事的エスカレート! 西側諸国は、ウクライナに長距離攻撃可能な兵器を供与し、ロシア領内を直接、攻撃することを認める! 前ロシア大統領のメドベージェフ・ロシア安全保障会議副議長が、このエスカレーションに深刻かつ真剣な警告!「西側諸国との現在の軍事紛争は、最悪のシナリオ通りに発展している。NATOが使用する兵器の威力は絶えずエスカレートしており、紛争が最終段階に移行する可能性を誰も排除できない」! この警告を、日本のマスメディアはことごとく真剣に受け止めず、スルー!! またもや見通しを誤る可能性大!!
(日刊IWJガイド、2024年6月6日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240606#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53562#idx-1

 プーチン氏は、ウズベキスタン訪問の後の記者会見ですでに明言していましたし、今日も経済フォーラムの中で具体的な対応策を提示、そして「なぜロシアが核兵器を使わないとあなた方は決めつけているのか? ロシア連邦には核兵器ドクトリンがあり、誰かの行為が我が国の主権と領土保全を脅かすのであれば我が国はもてる手段のすべてを利用する権利があるとみなす」ということを言っています。

 余りにも頭がお花畑な日本のマスメディアは「正義の味方ごっこ」を継続するばかりで、お粗末を通り越し、もはや背任罪ではないかと言いたくなりますね。

 小泉悠氏のこれまでの言動、ご指摘のとおりですね!

 しかも、不勉強甚だしいことが明白になりますね、自分の都合よいときにだけ「神風が吹く」から大丈夫、みたいな理論をとくとくと語り、それをありがたがる聞き手も… まあ、現代の日本の「知的」レベルが劣化というか、なんか薬でも打たれているのか?というくらいひどいことのあかしでしょうね…

 いや、長々失礼、頑張れ、IWJ! 宣伝します!

(匿名希望 様)

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 匿名希望 様

 ご寄付とともに、熱いメッセージをいただき、ありがとうございます!

 日本をはじめ、西側のメディアが総スルーしているロシアの情報で、我々IWJがこれまで伝えられることができたのは、これでもごく一部にしか過ぎません。マスメディアが、政府ともども、真実から目をそらし、プロパガンダのスクラムを組み、連日連夜、米国の奴隷的な提灯持ちに徹していれば、嘘の毒は国民全体にいきわたり、しまいに、政治家も、官僚も、メディア作業に従事するサラリーマンも、一般の市民も、真実がわからなくなってしまいます。

 これは、ガザやヨルダン川西岸で蛮行を働き続けるシオニスト・イスラエルと、その「共犯」である米国についても、まったく同じことです。

 日米欧と、いわゆる「先進諸国」のマスメディアが超国家的規模で、「大本営発表」を続けるというのは、空前の出来事です。「G7」に迎合しない、グローバル・サウスの国々からの情報発信にも目配りしていかないと、到底、真実にはたどり着くことができません。

 IWJは、誰に命じられることも、強いられることもなく、自らの良心と、真実を嗅ぎ分ける嗅覚と、ありのままの事実を直視することによって、これらプロパガンダメディアの「共犯」となる不名誉を回避し続けてきました。

 その結果、大多数のメディアの発信する情報を信じる人々から、敬遠され、会員数も、ご寄付も減り、活動資金が細る事態となってきました。

 それでも、日米欧にまたがる「大本営発表」の嘘は次々とほころび続け、真実に目を向けてくださり、IWJの報道姿勢を再認識・再評価してくださる人々も増え始めていることを感じています。皆さまの日々の励まし、会員となって支えてくださること、ご寄付・カンパによるご支援が、我々の支えとなっております。

 これからも皆さまのご支援さえあれば、魂を売り渡すことなく、真実をお伝えし続けることが可能となります。

 どうぞ、今後とも、よろしくお願い申し上げます。

 岩上安身拝

■IWJは、市民の皆さまお一人お一人の会費とご寄付・カンパで運営しています。5月のご寄付者様のご芳名を、感謝を込めて順次掲載させていただきます! IWJの経済危機に手を差し伸べてくださった皆さま、誠にありがとうございます!

 5月は31日間で、116件、232万3400円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 ここに感謝のしるしとして、掲載の許可をいただいた方48名様につきましては、順に、お名前を掲載させていただきます。また、弊社ホームページにも掲載させていただくと同時に、X(旧ツイッター)、フェイスブック等のSNSにて告知させていただきます。

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松本益美 様
藤本ひさ子 様
S.T. 様
Y.N. 様
竹内英雄 様
EMI FUJIWARA 様
徳山匡 様
金 盛起 様
森田文弥 様
井出 隆太 様
K.N. 様
落合正明 様
N.H. 様
T.Y. 様
武本 勝男 様
今村 潤 様
高木康夫 様
K.T. 様
吉住俊昭 様
K.O. 様
C.K. 様
荒井伸夫 様
S.T. 様
西東旅人 様
J.M. 様
K.O. 様
石嶋眞理 様
T.K. 様

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 皆さま、インフレによる生活が厳しい折、誠にありがとうございました。

 いただいたご寄付は、大切に、また最大限有効に活用させていただきます。

 今後とも、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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◆中継番組表◆

**2024.6.12 Wed.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.6.13 Thu.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「歴史的円安」が凄まじい勢いで進行中! 悪性インフレ、株高、都市部では地価高騰を引き起こす一方、地方では逆に空洞化! 二極化が進み、富裕層が高笑いする一方で庶民はどう「生活防衛」すればいいのか!?~岩上安身によるインタビュー第1162回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第5弾
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523347

日露平和条約交渉について、日本側の態度変更を求めたプーチン大統領に対し、「現下の事態はすべてロシアによるウクライナ侵略に起因。日本側に責任を転嫁しようとする対応は、極めて不当で断じて受け入れることができない」と上川大臣~6.11上川陽子外務大臣定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523486

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■都知事選で自民党が小池氏をまる見えの「ステルス支援」! 小池都政継続なら、自民党の高齢者冷遇政策が反映される!?「政治とカネ」問題で、同じ穴のムジナである都民ファーストの会は、名実ともに自民党の補完勢力に!!

 長年、都政を牛耳ってきた自民党を批判して立ち上げられたはずの、都民ファーストの会は、名実ともに、自民党の補完勢力となりました。

 6月12日、小池百合子都知事が東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)への出馬を表明する予定です。それに先立つ11日、自民党は小池氏の出馬表明を待たずに、支援する方針を打ち出しました。

 自民党の茂木敏充幹事長が、11日の党役員連絡会で、小池氏への支援について「党本部として都連、都議会自民党と連携して全力で臨みたい」と発言したのです。

 逆風の吹いている自民党は、独自候補を擁立せず、小池氏を「ステルス支援」することに決めたようです。「ステルス」とは言っても、覆面の塗装はボロボロで、正体は丸見え、丸わかりですが。

 これでもし、小池氏が当選すれば、自民党は「我々のおかげだ」として、都政へ今以上に介入してきて、同党と連動した政策を通しやすくなるでしょう。

 ここで問題になってくるのが、自民党・岸田政権の高齢者政策です。

 異次元の少子化対策を進めていると称する岸田政権ですが、一方で後期高齢者の医療費負担の引き上げなど、社会保険料負担という実質的な増税で、財源を賄おうとしています。そうした高齢者を犠牲にする政策によって、今、自民党は裏金問題とは別の逆風にもさらされていると指摘されているのです。

 岸田文雄総理は常々、社会保険負担率は上げないと言っていますが、これまで着実に上がり続けています。所得税などと違い、社会保険料は収入に関わらず、つまり年金暮らしの低所得の高齢者も負担しています。

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■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! イスラエルが東エルサレムを占領したことを記念する「エルサレムの日」のデモ行進で、参加者が「アラブ人に死を」「あなたの村が焼かれますように」と叫ぶ! ベン=グヴィール国家安全保障相は「エルサレムは我々のものだ。我々がこの地域の主権者だと思えば、敵は我々を尊敬するだろう」と演説!】デモ参加者はパレスチナ人の店を襲撃! イスラエル警察は制御放棄!(『アルジャジーラ』、2024年6月5日)

 6月5日付『アルジャジーラ』は、「エルサレムの日」をアピールするデモの一環として、パレスチナ人居住区のある東エルサレムの旧市街での行進に、数千人のイスラエル人が参加した、と報じました。デモ参加者らは、エルサレムの市内各地で踊り、イスラエル国旗を振りました。

 「エルサレムの日」とは、1967年の第三次中東戦争でイスラエルが東エルサレムを占領したことを記念し、国旗を掲げて行進する日です。つまり、エルサレム全域をイスラエルの首都だとアピールする記念日です。

 同『アルジャジーラ』は、デモの様子を伝える地元ジャーナリストの動画には、若い男性と十代の若者らを中心とする、一部の参加者が、「アラブ人に死を」「あなたの村が焼かれますように」と叫んでいる様子が映っている、と報じています。

※Thousands of Israelis march through Jerusalem, some attacking Palestinians(ALJAZEERA、2024年6月5日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/6/5/thousands-of-israelis-march-through-jerusalem-some-attacking-palestinians

★6月6日付『タイムズ・オブ・イスラエル』は、過激派ユダヤ人の若者達は、イスラム教徒居住区を行進し、パレスチナ人住民だけでなく、何人かのジャーナリストにも暴行を加えた、と報じました。

 デモ行進は、ダマスカス門からイスラム教徒居住区を経て、西の壁まで行進する、例年通りのルートを、イスラエル国旗を振りながら、練り歩きました。

 『タイムズ・オブ・イスラエル』のサム・ソコル記者は、X(旧ツイッター)に、デモの写真や映像を、複数投稿しています。

 「右派活動家達は、エルサレム旧市街のアラブ人地区で、ジャーナリストの撮影を物理的に阻止しようとした。1人の抗議者が、この特派員の携帯電話を叩き落とした」。

※サム・ソコル記者のXへの投稿(2024年6月5日)
https://twitter.com/SamuelSokol/status/1798315064329642232

 「エルサレム旧市街のアラブ人地区で、今日の午後にエルサレムの日の旗を掲げて行進する前に、激しい衝突があった」。

※サム・ソコル記者のXへの投稿(2024年6月5日)
https://twitter.com/SamuelSokol/status/1798310077813969179

 ソコル記者は、デモ参加者らは、ダマスカス門をくぐると、反アラブ派の常套句である「あなたの村が焼かれますように」、東エルサレムのパレスチナ人居住区を意味する「シュアファットは炎上する」と唱和し、超国家主義者の故メイア・カハネ師の思想を支持するステッカーを、パレスチナの人々の家のドアに貼り付けて歩いた、と報じています。

 ソコル記者によれば、あるステッカーには「悔い改め+戦争+追放+入植=勝利」と描かれていました。メイア・カハネ師は、ユダヤ人テロ集団であり、イスラエルでも非合法とされている、極端な人種差別主義の「カッハ党」の創設者です。

 ソコル記者は、「いくつかの破壊行為を目撃した」と自らの目撃を証言しています。

 ソコル記者は、「エルサレムのグレート・シナゴーグの前で、毎年恒例の『エルサレムの日、国旗掲揚行進』の参加者に挨拶するイタマル・ベン=グヴィール国家安全保障相」の写真も記事内で公開しています。

 ベン=グヴィール国家安全保障相は、イスラム教徒居住区へ出発する前に、デモ隊を前に演説し、今年の「エルサレムの日」の祝典は、ハマスに「エルサレムは我々のものだ」というメッセージを送るものだと宣言した、と『タイムズ・オブ・イスラエル』は報じています。

ベン=グヴィール国家安全保障相「ダマスカス門は我々のものだ。ダマスカス門は我々のものであり、神殿の丘は我々のものであり、神の思し召しにより、完全な勝利は我々のものである」。

 イスラエル政府は、神殿の丘でユダヤ人が祈ることを禁じています。イスラム教徒には「アル・ハラーム・アル・シャリフ(聖なる聖域)」であり、ユダヤ教徒には「神殿の丘」は、暴力の火種となっています。イスラエル警察は、行進が旧市街で神殿の丘を通過しないように求めていましたが、「エルサレムの日」の数日前から、ベン=グヴィール国家安全保障相は、神殿の丘でユダヤ人が祈ることを許可すると、宣言していました。

ベン=グヴィール国家安全保障相「彼らにとって最も重要な場所を攻撃する必要がある。神殿の丘は我々のものであり、エルサレムは我々のものだ。我々がこの地域の主権者だと思えば、敵は我々を尊敬するだろう」

 ベン=グヴィール国家安全保障相と、スモトリッチ財務相は、西の壁までの行進が終了した後、ガザでの戦争を拡大し、ヒズボラが拠点とするレバノン南部に侵攻することを呼びかけ、大群衆の喝采を浴びました。

 「勝利のためには、北部に行ってヒズボラと戦い、彼らを壊滅させる必要がある。我々は勝利を望む!」。

※Far-right violence, chants of ‘Death to Arabs,’ at Jerusalem Day Flag March in Old City(Times of Israel、2024年6月6日)
https://www.timesofisrael.com/jerusalem-day-flag-march-marred-by-far-right-violence-under-shadow-of-war/

 6月5日付『アルジャジーラ』によれば、アルアクサ・モスクの敷地を管理するイスラム教の権威、エルサレム・ワクフは、「アル・ハラーム・アル・シャリフ(神殿の丘)」に、1100人以上のイスラエル人が侵入したと発表しました。

 『アルジャジーラ』のイムラン・カーン記者は、「今年のデモ行進は、例年よりも暴力的になっているようだ」と述べています。

カーン記者「超国家主義者達は、東エルサレムに到着するとすぐに、パレスチナ人を攻撃し始めた。若い(イスラエルの)青年達が、年配のパレスチナ人を攻撃していた。

 彼らは(パレスチナ人の)店を襲撃し、店に侵入していた。イスラエル警察は、完全に制御不能になっていた。実際、彼ら(イスラエル警察)は、パレスチナ人に店を閉めるよう要請した」

※Thousands of Israelis march through Jerusalem, some attacking Palestinians(ALJAZEERA、2024年6月5日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/6/5/thousands-of-israelis-march-through-jerusalem-some-attacking-palestinians

 ベン=グヴィール国家安全保障相やスモトリッチ財務相は、「パレスチナ人の永久追放」を公言し、人々を煽り立てています。これらの極右政治家が、さらにガザでのジェノサイドを加速させ、停戦を妨げていりのです。

 ネタニヤフ政権は、この血にまみれた極右と寄り添いながら、ヒズボラ、フーシ派、イランへと戦線を拡大していこうとしつつあるとみて、問題ないでしょう。(IWJ)

■【第2弾! EUが出資する国際人権連盟(IFHR)が、ロシアのメドベージェフ元大統領や、著名なメディア関係者らを、ウクライナ人へのヘイトスピーチで国際刑事裁判所(ICC)に告発!】「ウクライナ人をナチスとして描写」したと主張! これに対し、メドベージェフ元大統領は「キエフのネオナチ政権に対する我々の共同の取り組みの有効性を認めたものだ」と開き直りの答弁!(『RT』、2024年6月8日)

 ロシアのドミトリー・メドベージェフ元大統領や、著名なメディア関係者らが、「ウクライナ人をナチスとして描写」し、「政治的な見解を理由に、ウクライナ人を標的とした差別的ヘイトスピーチの流布に主導的な役割を果たした」として、国際刑事裁判所(ICC)に告発されました。

 6月8日付『RT』によると、告発を行ったのは「EUが出資する国際人権連盟(IFHR)」で、「ハリコフ人権保護グループ(KHPG)、市民自由センター(CCL)、および匿名のロシアNGOとともに文書を提出した」とのことです。

 訴えられたのは、メドベージェフ元大統領(ロシア安全保障会議副議長)、RT編集長のマルガリータ・シモニャン氏、ロシア人ジャーナリストのドミトリー・キセリョフ氏、テレビ司会者のウラジミール・ソロヴィヨフ氏、テレビ司会者のセルゲイ・マルダン氏、大統領府首席補佐官の第一副官を務めるアレクセイ・グロモフ氏の6人です。

※EU-funded association wants RT editor-in-chief arrested(RT、2024年6月8日)
https://www.rt.com/russia/599012-ifhr-arrest-warrant-russia/

★この『RT』の記事によると、「IFHRは、主に助成金と寄付金で運営されており、2022年のスポンサーには、フランス開発庁(660万ドル)、欧州委員会(640万ドル)、スウェーデン国際開発協力庁(360万ドル)、著名投資家のジョージ・ソロス氏が設立したオープン・ソサエティ財団(110万ドル)などがある」とのことです。またしてもここで、ユダヤ人投資家で、「カラー革命」等に資金を提供してきたジョージ・ソロス氏の名前を目にすることになりました。

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■【第3弾! オーストリアのクナイスル元外相が「ロシアを分割するという西側諸国の計画を聞いたことがある」と証言! 計画は米国の著名なシンクタンク大西洋評議会によるもの!】西側諸国は今も、ロシアをユーゴスラビアと同じようにバラバラにする計画を持っている!! そのバラバラ計画の実践として仕掛けられたのが、ウクライナ国内におけるロシア語話者への差別とジェノサイドであり、その結果、ロシア軍の介入を招いた!!(『タス』、2024年6月9日)

 6月9日付ロシア『タス』は、オーストリアのカリン・クナイスル元外相が、「ロシアを分割するという西側諸国の計画を聞いたことがある」と、『タス』に語ったと報じました。

 記事によると、クナイスル元外相は、スルプスカ共和国(ボスニア・ヘルツェゴビナの構成国のひとつ)のミロラド・ドディク大統領の声明を聞いたとのことで、次のように語っています。

 「5分割かどうかはわかりませんが、議論があったことは覚えています。

 私は文書は見ていませんが、大西洋評議会で働く人々の声明を見ました。大西洋評議会は、米国で非常に有名なシンクタンクです。

 私はソーシャルメディアで、2022年よりずっと前から、ロシアのある種のバルカン化、つまり分裂や解体のようなことが起きた方が理にかなっている、と人々が発言していたことを覚えています」。

 さらに記事では、「西側諸国は今もこうした計画を持っているか?」という質問に、クナイスル元外相が「イエス」と答え、以下のように続けています。

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■<IWJ取材報告>日露平和条約交渉について、日本側の態度変更を求めたプーチン大統領に対し、「現下の事態はすべてロシアによるウクライナ侵略に起因。日本側に責任を転嫁しようとする対応は、極めて不当で断じて受け入れることができない」と、まったく耳を貸さない上川大臣~6.11上川陽子外務大臣定例記者会見

 6月11日午後2時10分頃より、東京都千代田区の外務省にて、上川陽子外務大臣の定例会見が行われました。

 IWJ記者は、「日露平和条約」について、以下の通り質問しました。

 「プーチン大統領は、5日、サンクトペテルブルグで、日露平和条約について、『我々は日本と話し合うことを拒否しないが、日本側が条件を整える必要がある』と述べ、ウクライナ紛争をめぐる日本の態度変更を明確に求めました。

 日本は、中国、ロシア、北朝鮮という核保有国に囲まれており、ロシアとの平和条約は、日本の安全保障にとって重要な意味を持ちます。政府、外務省は、このプーチン大統領の発言に、どのように応答するのでしょうか。

 例えば、ウクライナ政府による、同国内のロシア語話者への差別、弾圧、殺戮といった民族浄化は、2014年のユーロマイダンクーデター時点から始まっており、2022年2月のロシア軍の軍事侵攻は、その帰結に他なりません。

 紛争は、ロシア軍の軍事侵攻に始まるという認識を、上川大臣は繰り返してこられましたが、この認識を改めるおつもりはありますでしょうか」。

 この質問に対して、上川大臣は以下のように答えました。

 「ロシアは、ウクライナ侵略開始の1ヶ月後の2022年3月に、日本の対露制裁等を理由に、日本との平和条約に関する交渉を継続するつもりはないと、一方的に発表をいたしました。

 しかし、現下の事態は、すべてロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものでありまして、日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応は、極めて不当でありまして、断じて受け入れることができないものであります。

 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であります。断じて認めることはできません。

 ロシアの侵略によって、日露関係は、大変厳しい状況にあり、残念ながら現在平和条約交渉について、何か具体的に申し上げられる状況にはございませんが、政府としては、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持してまいりたいと考えております」。

 他社の記者からは、「ロシアの凍結資産の活用」、「朝鮮半島情勢(南北間の応酬激化)」、「ガザ情勢(児童と武力紛争の年次事務総長報告書)」、「パレスチナの国家承認」、そして「日中関係(議員外交)」などについて、質問がありました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※日露平和条約交渉について、日本側の態度変更を求めたプーチン大統領に対し、「現下の事態はすべてロシアによるウクライナ侵略に起因。日本側に責任を転嫁しようとする対応は、極めて不当で断じて受け入れることができない」と上川大臣~6.11上川陽子外務大臣定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523392

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

 ご支援のほども、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240612

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、佐々木隼也、浜本信貴、山内美穂)

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