日刊IWJガイド・非会員版「欧州議会選挙で、ウクライナ紛争に反対する『国家主義政党』が躍進! NATO軍産複合体とグローバリズムの代理人の中道政党は後退!」2024.6.11号~No.4250


┏━━【目次】━━━━
■6月6日から9日にかけて加盟27ヶ国で行われた欧州議会選挙で、ウクライナ紛争に反対する「国家主義政党」(極右という呼称は正確性・的確性を欠くとIWJでは考え、「国家主義」と当面訳していきます)が軒並み躍進! 自称保守・中道・リベラルで、実態は、NATO軍産複合体とグローバリズムの代理人に過ぎない中道政党は後退!

■5月1日から5月31日までのご寄付・カンパの総額は、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%でした。6割にも届かず、かなり厳しい数字です! これで7ヶ月連続して、目標未達です。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! IWJの情報価値は日々高まっています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

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■【中継番組表】

■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! イスラエルの戦時内閣から、国民からの支持の高いガンツ前国防相が離脱!】与党リクードと連立政権を組む極右政党のスモトリッチ財務相が、早速「戦時内閣入り」を要求するが、却下される! 比較的「穏健派」のガンツ氏離脱により、ネタニヤフ首相は、今後ますます極右頼みになるのか!?(『CNN』、2024年6月10日)

■【第2弾! デンマークのフレデリクセン首相がポーランド人の男に襲撃され「軽度のむち打ち症」!】警察は早々に「政治的動機によるものではない」と発表したが、事件当日はEU議会選挙の投票日! 各国の溝が深まる! フレデリクセン首相を「友人」と呼ぶNATOのストルテンベルグ事務総長は、「NATO加盟国は、我々の価値観、自由、民主主義、法の支配を守るために団結している」と苦しい弁明!(『BBC』、2024年6月8日)

■米国の独立系ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が「バイデン大統領が、イスラエルは包括的な新提案したと述べた」が、「それは純粋な政治的でたらめ」であることがわかった、と告発! バイデン大統領は、大統領選挙にむけての人気取りのために、「存在しない和平案」を堂々とホワイトハウスから発表したのか!?
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■6月6日から9日にかけて加盟27ヶ国で行われた欧州議会選挙で、ウクライナ紛争に反対する「国家主義政党」(極右という呼称は正確性・的確性を欠くとIWJでは考え、「国家主義」と当面訳していきます)が軒並み躍進! 自称保守・中道・リベラルで、実態は、NATO軍産複合体とグローバリズムの代理人に過ぎない中道政党は後退!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 6月6日から9日にかけて加盟27ヶ国で行われた欧州議会選挙で、大きな地殻変動が起きました。

 独仏で、それぞれの国家元首が率いる政党が惨敗したのです。

 エマニュエル・マクロン大統領は、9日の出口調査で、マリーヌ・ルペン氏率いる「国民連合(RN)」に自身が率いる与党連合が惨敗した結果を受け、下院の解散と総選挙の実施を表明しました。

 RNは、得票率ではマクロン氏の政党「再生」の2倍超となる約33%を獲得し、議席を31に増やす見込みです。

 また、 ドイツでも、「ドイツのための選択肢(AfD)」が16%を獲得し、第2党に浮上しました。オラフ・ショルツ首相の中道左派「社会民主党(SPD)」は14%で、3位に転落しました。

 ただし、欧州議会全体では、主要な中道3会派(「欧州人民党(EPP)」「欧州社会・進歩連盟(S&D)」「欧州刷新」)は議席数を若干減らしながらも720議席中401議席を獲得し、過半数を維持する見通しとなっています。

 中道右派の「欧州人民党(EPP)」は186議席を得て第1党となり、これに中道左派の「欧州社会・進歩連盟(S&D)」が133議席、中道の「欧州刷新」が82議席で続く見込みとされます。

※仏で極右が躍進、下院解散へ 欧州議会選(AFP、2024年6月10日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3523476

 この結果を受けて、日本を含む西側大手メディアは、いっせいに、情報操作に走っています。

 まず、この情報操作では、ほとんどすべての西側メディアが、今回の欧州議会選挙の構図を、「リベラル政党対極右政党」という図式で描き出しています。

 典型的なのは、10日付『ロイター』の報道です。

 同日付『ロイター』は、次のように、英王立国際問題研究所のアルミダ・ファンリーイ上席研究員の極右の「防疫線」という考え方を紹介し、得票数を圧倒的に伸ばした「国民連合(RN)」や「ドイツのための選択肢(AfD)」といった「極右政党」がウイルスのように、社会にとって悪いものだという情報操作をしているのです。

 「英王立国際問題研究所のアルミダ・ファンリーイ上席研究員は、極右を政治の表舞台から排除するためのいわゆる『防疫線』が崩れてきていると指摘。右派側がソーシャルメディアを幅広く駆使して若い有権者を取り込んでいる点などをその理由としてあげた」。

※焦点:欧州で崩れる右派への「防疫線」、EUの重要政策に影響力(ロイター、2024年6月10日)
https://jp.reuters.com/economy/DBERMEI7F5L2TPABPEYBRW4LN4-2024-06-10/

 いわゆる「極右」とレッテルを貼って、社会から排除しようとする「良識的リベラル」が、決して見ようとしないのは、「極右政党」のまともさです。

 「国民連合(RN)」や「ドイツのための選択肢(AfD)」といった「国家主義政党」は、EU統合に反対しているだけではなく、ウクライナ紛争とその結果生じた移民流入に反対しているのです。

 このウクライナ紛争反対という「国家主義政党」のスタンスをしれっと消し去って報じ、米国に忖度する典型的なメディアが、『NHK』です。

 10日付『NHK』は、次のように報じ、この「国家主義政党」の勝利が、主として米国発のグローバル資本による国富の収奪に過ぎないグローバリズムに反対し、ウクライナ紛争の陰で膨大な利益を上げているNATOの軍産複合体に反対する民意の表れであることを決して報じようとしません。「極右」という呼称も、依然として変えません。

 「EU加盟国全体でも、720議席のうちEUに懐疑的な右派や極右の政党が所属する2つの会派があわせて130前後と改選前に比べて議席を増やすほか、この会派に入っていないドイツの右派政党『ドイツのための選択肢』も14前後と議席を増やす見通しです」。

※欧州議会選挙 極右政党などが躍進か フランスは議会解散へ(NHK、2024年6月10日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240610/k10014475861000.html?

 要するに、欧州のマクロン大統領の「再生」やショルツ首相の「社会民主党(SPD)」のような「リベラル政党」とは、EU統合(NATOともグローバリズムとも重なる)の利権代理人であり、同時に米国の外交・安全保障政策の代理人なのです。

 驚いたことに、10日付『ロイター』の、欧州議会が右傾化した場合の問題の認識はこうなのです。

 「欧州議会の右傾化が進めば、新たな法律の制定が難しくなり、安全保障問題、気候変動、米中との産業競争への対応が遅れる可能性がある」。

※欧州議会選、極右が躍進 親EU会派は過半数維持(ロイター、2024年6月10日)
https://mail.google.com/mail/u/1/#inbox/FMfcgzQVwxBpHTnbzZHBFbSNsvxQnJvc

 まるで、EU統合派の縮小は、マイナス点しかないような、強いバイアスのかかった報じ方です。

 これは、ロシアへの制裁によるエネルギー資源の高騰に始まる輸入物価の高騰や、ウクライナ紛争による移民の流入増加、グローバリズムと紛争による生活破壊・産業破壊に苦しむ市民の目線ではなく、これは国境を易々と超えるEUの富裕な支配層とNATO軍産複合体の利益第一の超国家主義的な目線です。

 フランスは、この結果を受けて、マクロン大統領が、国民議会(下院)の解散総選挙を実施すると発表しています。

 6月30日に第1回投票、7月7日に決選投票を実施する予定です。

※仏大統領、下院解散総選挙を発表 欧州議会選で極右に大敗(ロイター、2024年6月10日)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/SZSASAFWAVO4LLYOJ66Q5QIM74-2024-06-09/

 ドイツのハンブルクでは、ウクライナ紛争に批判的な「ドイツのための選択肢(AfD)」でさえ、ハンブルクの法に抵触するため、「親ロシア的な考え」を表明した自党の議員を追放しなければならないと定めた、およそ「言論の自由」「思想の自由」「真実の追及の自由」が踏みにじられた「異常」な事態が起きています。ここでは、NATO・EUのような「超国家主義」組織が全体主義政府とまさに化している状態です。

 8日付『RT』は、この事件を、次のように報じています。

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■5月1日から5月31日までのご寄付・カンパの総額は、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%でした。6割にも届かず、かなり厳しい数字です! これで7ヶ月連続して、目標未達です。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! IWJの情報価値は日々高まっています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 5月のご寄付・カンパ実績が確定しました! 5月1日から5月31日までで、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%です。6割に届かず、かなり厳しい数字です。

 6月も月間目標に届かない事態になると、IWJは独立メディアとしての活動が、本当にできなくなる可能性が高くなります!

 6月は、1日から6日までの6日間で、14件、16万8000円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から5月まで、7ヶ月連続で目標金額に到達しませんでした。この7ヶ月間の不足額の合計は、976万6289円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です!

 IWJは収支を合わせるべく、徹底的に支出を減らす努力を、今も続けています! オフィスを移して、スモール化することも模索中です! そうやって支出を減らしても、収入が減り、赤字が積み上がっていけば、活動が続けられなくなります!

 もし、7月の期末まで、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第14期の期末である7月末まで、あと2ヶ月です! ぜひとも、期末までの間に、不足分の972万6289円の赤字分をなくし、少なくとも収支をトントンにさせてください!

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。

 賃貸のアパートで療養している彼女のために終の住処を、これから用意してあげなければなりませんし、生活費を出せる小さな物件も用意しておかないと、死ぬに死ねません。

 「ジャーナリズムバカ一代」として、すべてをなくすまで赤字経営を続けて、破産とともに「前のめりに死ぬ」などということは、自分の中の「人の親」という「情」が許さず、赤字が手に負えなくなるほど膨らむ、その一歩手前で、倒産の前に、誰にも迷惑をかけないよう、自らの手でIWJをたたみ、娘のために何かしら残せるようにするつもりです。

 もともとは健康に生まれ育ち、国立看護大学校を出て、看護師としてはつらつと働き、自活もしていた娘が、20代で発病し、働くこともできなくなり、年々病状が悪化して、ついには障害手帳をもつに至ってしまいました。そんな難病になってしまったことについて、彼女には、何の罪も落ち度もありません。

 ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!

 世界と日本が未曾有の危機に直面しており、既存ジャーナリズムが機能しない現状だからこそ、最後の一歩手前まで、真実を伝える、ジャーナリズムの本道を貫き通します!

 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 また、ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

■IWJは、市民の皆さまお一人お一人の会費とご寄付・カンパで運営しています。5月のご寄付者様のご芳名を、感謝を込めて順次掲載させていただきます! IWJの経済危機に手を差し伸べてくださった皆さま、誠にありがとうございます!

 5月は31日間で、116件、232万3400円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 ここに感謝のしるしとして、掲載の許可をいただいた方48名様につきましては、順に、お名前を掲載させていただきます。また、弊社ホームページにも掲載させていただくと同時に、X(旧ツイッター)、フェイスブック等のSNSにて告知させていただきます。

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白根 直人 様
カネコ ヒロフミ 様
マツモト ヤスアキ 様
K.A. 様
M.K. 様
M.T. 様
M.J. 様
K.K. 様
タカノ シヅオ 様
炭谷克己 様
藤林弘資 様
K.S. 様
徳永彰宏 様
徳山 匡 様
Y.S. 様
高田洋子 様
Y.T. 様
石崎 俊行 様
S.T. 様
長尾錬治 様

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 皆さま、インフレによる生活が厳しい折、誠にありがとうございました。

 いただいたご寄付は、大切に、また最大限有効に活用させていただきます。

 今後とも、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。


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◆中継番組表◆

**2024.6.11 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】14:10~「上川陽子 外務大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 上川陽子外務大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%a4%96%e5%8b%99%e5%a4%a7%e8%87%a3

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◆中継番組表◆

**2024.6.12 Wed.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

都議会でのPFAS問題の質問に対し、小池都知事自らの答弁はゼロ! 東京都のPFAS対策の不作為が明らかに! 一方、都知事選への出馬を表明した蓮舫氏からは「PFAS対策を重視して取り組む構えだ」とのメッセージ!~6.7 PFAS汚染と都政を考えるつどい Part2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523430

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■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! イスラエルの戦時内閣から、国民からの支持の高いガンツ前国防相が離脱!】与党リクードと連立政権を組む極右政党のスモトリッチ財務相が、早速「戦時内閣入り」を要求するが、却下される! 比較的「穏健派」のガンツ氏離脱により、ネタニヤフ首相は、今後ますます極右頼みになるのか!?(『CNN』、2024年6月10日)

 イスラエルの戦時内閣(ベンヤミン・ネタニヤフ首相、ヨアブ・ガラント国防相、ベニー・ガンツ前国防相)のひとりで、国民からの人気も高いガンツ前国防相(政党連合「国民の団結」代表)が、6月9日、戦時内閣から離脱することを発表しました。

 ガンツ前国防相は、人質の奪還やガザの戦後統治をめぐって、ネタニヤフ首相に新たな計画の提示を求め、6月8日までに回答がなければ、戦時内閣を離脱すると表明していました。

※ガンツ前国防相、戦時内閣離脱示唆-ネタニヤフ首相の行動次第で(ブルームバーグ、2024年5月19日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-19/SDPEOUT1UM0W00

 6月8日には、ネタニヤフ首相が「非常事態政府(戦時内閣)を離れないでほしい」とX(旧ツイッター)に投稿していました。その後、イスラエル軍が人質4人を救出したことを受け、ガンツ氏は戦時内閣からの離脱を、いったん見合わせていました。

※Netanyahu urges Gantz not to bolt government in wake of successful hostage rescue(THE TIMES OF ISRAEL、2024年6月8日)
https://www.timesofisrael.com/netanyahu-urges-gantz-not-to-bolt-government-in-wake-of-successful-hostage-rescue/

 しかし、9日になって、テレビで戦時内閣離脱の声明を発表しました。

 6月9日付け『CNN』は、ガンツ氏が声明で、「ネタニヤフ首相は真の勝利に向けた我々の前進を阻んでいる」と主張し、「この国の状況と意思決定室の状況が変化した」と、離脱の理由を述べた、と報じています。

※イスラエルのガンツ前国防相、戦時内閣を離脱 ネタニヤフ首相に打撃(CNN、2024年6月10日)
https://www.cnn.co.jp/world/35219888.html

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■【第2弾! デンマークのフレデリクセン首相がポーランド人の男に襲撃され「軽度のむち打ち症」!】警察は早々に「政治的動機によるものではない」と発表したが、事件当日はEU議会選挙の投票日! 各国の溝が深まる! フレデリクセン首相を「友人」と呼ぶNATOのストルテンベルグ事務総長は、「NATO加盟国は、我々の価値観、自由、民主主義、法の支配を守るために団結している」と苦しい弁明!(『BBC』、2024年6月8日)

 6月7日、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相が、首都コペンハーゲン中心部の広場で、男に襲われるという事件が起こりました。

 6月8日付『BBC』によると、「容疑者は現場で拘束された」とのことで、首相府は8日、「首相が『軽度のむち打ち症を負った』と明らかにした」と報じています。

※デンマークの首相、首都の広場で襲われる 容疑者逮捕(BBC、2024年6月8日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c72293dxyldo

★フレデリクセン首相が襲われた時の様子を、この『BBC』の記事は、現地紙『BT』の報道を引用して、次のように報じています。

 「事件を目撃したという女性2人は現地紙BTに対して、『男が反対側から近づき、首相の肩を強く押した。このせいで首相は横向きに倒れた』と話した。首相は体が地面に当たったわけではなく、男に押された後、カフェの椅子に腰かけていたと女性たちは付け加えた」。

 この『日刊IWJガイド』でもお伝えしましたが、欧州では5月15日に、ウクライナ支援を停止した親ロシア派のロベルト・フィツォ首相が、銃撃を受けたばかりです。

※<速報!>ウクライナ支援を停止した親ロ派のスロバキア首相ロベルト・フィツォ氏が襲撃され、生命の危機に! 銃撃犯は「野党進歩スロバキア党の支持者」だという情報も! ウクライナ紛争がロシアとEU・NATOとの直接対決へと緊張が高まる中、欧州議会選挙を来月に控え、政治的な暗殺である可能性も!(日刊IWJガイド、2024年5月16日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240516#idx-2
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53499#idx-2

※銃撃を受けたスロバキア首相ロベルト・フィツォ氏は、一命を取り留めたとみられるものの、依然として重体! 銃撃の容疑者が「ウクライナ万歳!」、「裏切り者!」、「フィツォはもうたくさんだ!」と叫ぶ動画を公開! スロバキアのエストク内相は、「ウクライナへの軍事支援を停止したことに対する反発」した政治的暗殺行為だと明言し、スロバキアは「内戦の瀬戸際にある」と警告! IWJは、『RT』によるフィツォ首相発言集を全文仮訳!「いかなる国も主権を理由に罰されるべきではない」「(ウクライナ紛争は)2014年に、ウクライナのナチスとファシストが、ドンバスとルガンスクでロシア国民を殺害し始めたときに始まった」!
(日刊IWJガイド、2024年5月18日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240518#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53504#idx-1

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■米国の独立系ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が「バイデン大統領が、イスラエルは包括的な新提案したと述べた」が、「それは純粋な政治的でたらめ」であることがわかった、と告発! バイデン大統領は、大統領選挙にむけての人気取りのために、「存在しない和平案」を堂々とホワイトハウスから発表したのか!?

 バイデン大統領は、5月31日、ホワイトハウスで、ガザでの戦闘(と呼ばれるジェノサイド)を終わらせるための、新しい3部構成の「イスラエル案」を発表し、ハマスに受け入れを呼びかけました。ハマスは提案を「前向きに」検討するとしていると、『BBC』などが報じました。

※【米バイデン大統領が示したイスラエルとハマスの和平提案を、ネタニヤフ政権は「受け入れる」と表明しながらも、閣内極右の抵抗に先行き不透明!】ガザの死者は3万6000人超! ハマスは和平提案を「前向きに検討する」と表明しながらイスラエルの出方を観察か!?(『ロイター』、2024年6月3日)(日刊IWJガイド、2024年6月5日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240605#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53560#idx-5

※バイデン大統領が提案した新停戦案はネタニヤフ政権を崩壊に導く!? ネタニヤフ首相は極右政党と中道政党の「脅迫」で身動きが取れないかのようにふるまっているが、そうしたイスラエル政界内部の「政治的小芝居」を超えて、シオニスト・イスラエルのあり方に異を唱えるユダヤ人たちが街頭で決起!「イスラエルVSユダヤ人」の構図が可視化される事態に!(日刊IWJガイド、2024年6月7日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240607#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53568#idx-4

※バイデン米大統領、ガザ終戦のイスラエル案を発表 ハマス「前向き」検討と(BBC、2024年6月1日、更新6月2日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/clddndg27z1o

 バイデン大統領は、5月31日の会見で、まず、2024年大統領選挙のライバルである、ドナルド・トランプ氏に有罪判決が下されたことについて、「34件の重罪すべてで有罪とした」と述べ、米国の司法制度を讃えました。

 続いてバイデン大統領は、バイデン政権の外交チームが、「(ガザにおける)戦争の永続的な終結」を目指して数ヶ月にわたって努力をしてきたと述べ、その成果として、「永続的な停戦とすべての人質の解放へのロードマップ」となる「イスラエルから包括的な新しい提案」を得た、と述べました。

バイデン大統領「私のチームが行った集中的な外交と、イスラエル、カタール、エジプト、その他の中東諸国の指導者との多くの対話を経て、イスラエルは今、包括的な新しい提案を提示しました。

 これは永続的な停戦と、すべての人質の解放へのロードマップです。

 この提案は、カタールからハマスにも伝えられています。

 今日、私はアメリカ国民と世界に向けて、その条件を説明したいと思います。

 この新しい提案には3つの段階があります。

 第1段階は、6週間続きます。内容は次のとおりです。

 完全な停戦。ガザのすべての居住地域からのイスラエル軍の撤退。女性、高齢者、負傷者を含む、多数の人質の解放と引き換えに、数百人のパレスチナ人囚人の解放。

 この段階で、解放される米国人人質がおり、我々は、彼らが帰国することを望んでいます。

 さらに、殺害された人質の遺体の一部は、家族に返還され、彼らのひどい悲しみに、いくらかの終止符が打たれます。

 パレスチナ人、民間人は、北部を含むガザのすべての地域の自宅や近隣に戻ります。

 人道支援は急増し、毎日600台のトラックが、ガザに援助物を運びます。

 停戦が成立すれば、支援物資は、安全かつ効果的に、必要とするすべての人に分配されるでしょう。国際社会は、住宅ユニットを含む数十万の仮設シェルターを提供するでしょう。

 これらすべて、そしてそれ以上のことが、直ちに開始されるのです。

 第1段階の6週間の間に、イスラエルとハマスは、敵対行為の永久停止である第2段階に進むために必要な取り決めを交渉します。

 さて、率直に申し上げると、第1段階から第2段階に移行するには、交渉すべき詳細事項が数多くあります。イスラエルは、自国の利益が確実に保護されるようにしたいと考えているでしょう。

 しかし、(イスラエルによる)提案では、第1段階の交渉が6週間以上かかる場合でも、交渉が続く限り、停戦は継続されるとしています。

 そして、米国、エジプト、カタールは、すべての合意が成立し、第2段階を開始できるようになるまで、交渉が継続されるように、努力します。

 そして、第2段階。(イスラエル軍の)男性兵士を含む、生き残っている人質全員の解放と引き換えに、イスラエル軍はガザから撤退します。

 そして、ハマスが約束を守る限り、一時的な停戦は、(イスラエルによる)提案の言葉を借りれば『永久的な敵対行為の停止』となります。

 最後に、第3段階では、ガザの大規模な再建計画が開始されます。そして、殺害された人質の最後の遺体は、家族に返還されます」

 バイデン大統領は、「これが現在(イスラエルによって)示されている提案であり、我々が求めてきたものです。我々が必要としているものです」と述べ、イスラエル国内には、この提案に反対の人達がいることもわかっているが、どんな圧力があっても、この合意を守るようにイスラエルに求めた、と主張しました。

バイデン大統領「イスラエルには、この計画に同意せず、戦争を無期限に続けるよう求める人々がいることを、私は知っています。連立政権の中にもいます。

 彼らは、ガザを占領したい、何年も戦い続けたい、人質は彼らにとって優先事項ではない、と明言しています。

 さて、私はイスラエルの指導部に対し、どんな圧力がかかっても、この合意を支持するよう、強く求めました。(中略)

 『完全勝利』という、漠然とした概念を追い求める無期限の戦争は、イスラエルをガザに引きずり込み、(ハマスを)打ち倒すこともできず、泥沼に陥らせることしかできません。経済、軍事、人的資源を枯渇させ、世界におけるイスラエルの孤立を、さらに深めるだけです。

 それでは、人質は帰国しません。それでは、ハマスの永続的な敗北はもたらされません。それでは、イスラエルに永続的な安全はもたらされません。(中略)

 米国は、外交的解決の実現を支援します。それは、イスラエルの安全を確保し、人々が攻撃を恐れることなく、安全に自宅に戻れるようにするものです」

 バイデン大統領は、この提案について、ハマスもまた停戦を望んでおり、合意が実現すれば、「これは本当に決定的な瞬間」になる、と述べました。

※Remarks by President Biden on the Middle East(The White House、2024年5月31日)
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2024/05/31/remarks-by-president-biden-on-the-middle-east-2/

 バイデン大統領は、上記のように、イスラエルが3段階からなる停戦案を米国側に提示し、ハマスも乗り気であり、米国は「永久的な敵対行為の停止」のために尽力し、イスラエルの強硬派に「完全勝利」を諦めるよう、推奨していると誇らしげに述べています。

 バイデン大統領の発表を受けて、イスラエル首相府も、5月31日に、「人質を一刻も早く返還することで(米国と)一致しており、(ベンヤミン・ネタニヤフ)首相は、交渉団に対し、そのための提案を提示する権限を与えた」との声明を出す一方で、「ハマスの軍事・統治能力の破壊を含む、すべての目的が達成されるまでの、イスラエルの戦争継続を可能にするものでもある」と、継戦の意思を打ち出していました。

 しかし、バイデン大統領の発表に、イスラエルの極右閣僚らは強く反発しています。ベザレル・スモトリッチ財務相(「宗教シオニズム」党首)と、イタマル・ベン・グビール国家治安相(「ユダヤの力」党首)は、6月1日、ネタニヤフ首相が新たな提案を受け入れた場合、「連立政権から離脱する」と警告しました。

※バイデン米大統領、イスラエルとハマスの戦闘休止に関する新提案を公表(ジェトロ、2024年6月3日)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/06/b615e6077063ef99.html

 現在までのところ、イスラエルが、第1段階の「6週間の停戦」に応じた様子は、まったくありません。6月8日、イスラエル軍は、ガザ全域に、大規模な攻撃をかけました。

 6月8日付『アルジャジーラ』は、バイデン大統領の「発表」から1週間以上経った今も、ガザ保健省によれば「ガザ地区全域における、イスラエル軍の最新の攻撃による死者は226人に上り、負傷者は400人以上に上った」と報じています。

 数十回の空爆によって、南部のラファ市西部の家屋や、北部のガザ市の複数の地域も襲われました。

 8日、イスラエル軍は空、陸、海から、昨年10月以来最悪となる攻撃の一つを仕掛け、ガザ中心部のヌセイラトと、デイル・エル・バラも襲いました。

 アル・アクサ病院の、国境なき医師団(MSF)の小児集中治療医タニヤ・ハジ・ハッサン医師は、病院の内部は「完全な流血の現場」「まるで屠殺場のようだ」と、語りました。

 ガザ保健省報道官は、このイスラエル軍の攻撃に先立って、「路上には依然として、『多数の』遺体や負傷者が『散乱』している」と述べていました。

 『アルジャジーラ』のヒンド・コウダリー記者は、以下のように報告しています。

 「爆発は毎分起きています。救急車が負傷者を病院に搬送していますが、私たちはそこに閉じ込められています。病院内は大混乱です。負傷者の中には子供もいます。(中略)

 大虐殺とは、こういうことです。(中略)

 頭から血を流している子供達の世話をするために、親達が走り回り、治療してくれる医者を探そうとするのです。

 しかし、状況は非常に混乱しており、患者の数が多すぎて、彼らを治療できる医療能力をはるかに上回っています」。

 バイデン大統領が発表した、イスラエルによる新提案、第一段階の「永久的な敵対行為の停止」は、どこに行ったのでしょうか。イスラエル側は、むしろ「今のうちに」と言わんばかりに、攻撃の強度を上げています。

※‘Bodies scattered on streets’: Israel kills 226 in central Gaza attacks(ALJAZEERA、2024年6月8日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/6/8/many-casualties-as-israel-escalates-attacks-across-gaza

 このバイデン大統領の発言について、米国の独立系ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が、6月6日、「バイデン大統領が、イスラエルは包括的な新提案したと述べた」が、「それは純粋な政治的でたらめ」であることがわかった、と告発しました。

※THE CEASEFIRE DEAL THAT WASN’T ― The proposal Biden put forward last week had little basis in reality(SEYMOUR HERSH、2024年6月6日)
https://seymourhersh.substack.com/p/the-ceasefire-deal-that-wasnt

 ハーシュ氏は、認知症の疑いを指摘されているバイデン大統領が、また「最新のとんでもない発言」をした、と切り出しました。

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